妻と娘が宝塚歌劇を見に行きたいというので同行した。
宝塚の駅を出ると、劇場までは花のみちが続いており、ここを歩くと期待が高まる仕掛けになっている。
劇場に入るとまず感じるのは、圧倒的に女の世界だということだ。前の舞台が終わって一斉に観客が出てきたが、ほとんど女性である。
夫婦あるいはカップルもいるが、その数は少なく、女同士がほとんどだ。40歳代を中心に、30歳代、50歳代が多いように見受けられた。どちらかというとおばさん傾向の人が・・・
われわれ男性は、少々肩身が狭い思いだ。
ロビーの風景
ティールームから眺めた劇場。舞台は正面の大きな建物にある。
ダンスとミュージカルの2本立てだったが、ミュージカルは月組の「マジシャンの憂鬱」というタイトルだった。
まずは、その華やかな舞台装置に圧倒される。回り舞台と、下からせり上がる舞台があり、この2つを組み合わせることによって、次々に舞台が変わっていく。これに照明が加わり、効果的に舞台が変化していく。
楽団は、舞台前方の舞台より下にある。楽団と客席の間にも、幅1m余りの舞台があり、時折ここまで出てきて演ずるのだが、両側が低く、特に楽団側はかなりの高さがある。
この狭い舞台で、スポットライトを浴びて演ずるのだが、足を踏み外さないかとハラハラする。
舞台上はもちろん全員女性だ。
観客席にはちらほら男性も混じっているが、こちらは正真正銘の女性だ。それも、全員美女で、スタイルがよく、歌が上手い。
男性役は、すらりと背が高く、声は幾分低く、まさに男装の麗人である。
これらのスターたちが、歌い、踊り、しゃべる。次々に見せ場があり、飽きさせない。
ミュージカルの最後は出演者全員によるさまざまな歌と踊りだった。
まず、赤いユニフォームの脚線美の美女によるラインダンス。すばらしい脚線美を惜しげもなく披露する。
このような脚線美は、男性が喜びそうなものだが、熱狂的な男性ファンというのはいそうにない。女性に独占させておくのはもったいない。
次に、華やかな衣装に替えた出演者が次々に現われ、歌や踊りを披露する。
舞台背後に大きな階段が現れ、上から羽根の衣装で身を包んだスターが下りてきて幕となった。
まさに、日常を忘れさせるエンターテイメントの極地といったところだった。