昨夜一通のメールを受け取った。「何もかも捨てて消えてなくなりたいと思いました。私は何のために頑張るのか分からなくなり、もっと言うなら何のために生きていくのか分からなくなりました」だ。Rさんの許可を得ないで抜粋して転載しているので少々気が引けるが、ここに書き込む最大の目的は、Rさんにこのブログを見て元気を出してほしいからにほかならない。「この人の言っていることは本当か?」渋谷昌三、PHP、2007によると感情労働者に多い憂鬱に他ならない。感情労働者(エモーショナル・ワーカー)とは、技術や知識だけでなく、感情もサービスのひとつと見なされる労働に従事している人たちのことである。渋谷(2007)によれば看護師や航空機の客室乗務員がこれにあたるという。嫌な相手でも、自分の本音を押し殺し、笑顔でいなければならない辛さ、精神的負担のために不適応(アイデンティティ・クライシス)を起こしてしまうのだ。結果として、何のために働いているかわからない。人に対していったいどう振る舞えばいいのかわからなくなるという。渋谷によるとその解決策は「ウソつきになること」である。本音と建前(うそ)を上手に使い分けることができれば、アイデンティティ・クライシスはさけられるのである。また、それ以外に職場以外の「準拠集団」(同じ趣味の仲間、地域サークル、家族)をもつことがその解決に続くそうである。同じ価値観を持った人間に囲まれていると自分だけ逃げ出すことができないのである。苦しみが仕事から離れている時間も続くようなら、もっと気楽に考えようよ!ケセラセラ。なるようにしかならないと私は思う。最後に渋谷氏の言葉で〆ます。「私たちがみな幸せになれる世界は、ウソのない世界ではなく、ウソを言い合える世界」。
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