あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
私は年末、故郷に帰郷。
気にかかっていた母に会うために。
夏以来、何か月ぶりかの訪問をしました。
静かな老人たちと、元気な職員。
物音なども殆どしない静かな空間。
老人たちがあまりも静か過ぎて、
老人たちの動きがあまりにも無さ過ぎて・・。
まるで温室栽培されている人間のようにも思えてしまう。
まさにそこは一般家庭と病院との境界である。
賛否両論あるであろうが、
シモの世話を含めた母の面倒をみてあげる等、
24時間の世話は現在の私にはとても出来そうにない。
施設には感謝、感謝である。
母の痴呆が進行しているために、
所謂、一般の会話は成立しなくなっていった。
しかしながら、まったくボケ~としているかというと
そうでもない。
日によって、
或いは時間帯によって記憶が「まばら」状態である。
時に記憶の回路が繋がるらしく会話的なやり取りは可能である。
先日面会した際も私たち兄弟2人を前にして3番目はどこ?
という話しの流れにそった質問を聞くことができた。
1番目である私から3番不在の説明をした。
名前を言わないのは、思い出せないのか?
ウケをねらっているのか?
真相は不明である。
ところで1番目(私)はどういう人物か聞いたところ、
「すぐ帰ってしまう」と即答。
的を得ている回答であり、
まともだと実感。
私が施設にいくと必ず行なうことが一つある。
それは母の手と足の爪を切ってあげることだ。
足の場合は靴をとり、
靴下をぬがせてから
語りかけながら一本一本爪を切ってあげる。
このようなことが出来るのは、
施設に入所して落ち着いてからである。
語りかけながらまだらな記憶を蘇らせ、
そして繋がるために・・。
さらに語りべとしての私は母の手を握りながら語ってもいる・・。
その時の体温を感じながら語るのである。
広いリビングにいる周りの老人や施設職員の視線は無視して・・。
心なしか初日冷たかった手は、
翌日温かさを感じる手になっていた。
息子たちの訪問で体温が平常に戻ったのか?
それとも2番目(弟)が購入した高級羽毛布団の影響か?
原因は定かではないが、
温かな体温を感じて安心して帰京することができた。
春夏秋冬、年4回の訪問はしているが・・。
それに加えた訪問もしようと心に決めた私でした。