今回は『ジャニ研!ジャニーズ文化論』原書房、2012を読んでの感想です。
アイドル「嵐」ジャニーズの社長の名前は?
私は社長の名前が「ジャニー」さんだと私は思い込んでいた。
さらにフルネイムは「ジャニー喜多川」だと。
しかしながら、実は「ジョン」が正式な名前だということをこの本を読んで初めて知ったしだいです。
確かに「ジョン」という明らかな英語的な音よりも
「ジャニー」という方が日本語的にはゴロがよさそうです。
「ジョンズ事務所」よりも、「ジャニーズ事務所」。
既に聞き慣れていることも理由としてあげられそうです。
ダジャレ的にも「じゃーね(に)~」。
ジャニーズ事務所は1964年に「ジャニーズ」をデビューさせてから約50年間に渡って多くの男性アイドルを世に送り出してきています。ワシントンハイツ(現在、参宮橋にあるオリンピックセンター)に住むジャニー(1952年来日)さんが日本の少年たちに野球を教えていて、そのメンバーから生まれたのが四人組からなる「ジャニーズ」ですが。未だにジャニーズ事務所の野球大会が年間恒例行事になっている理由はこのことからも明らかですね。
今でこそ、女子グループアイドル「AKB48」や宝塚歌劇団に対抗して、
男性アイドル集団として語られることも多いジャニーズですが、
「JIS」(ジャニーズ・ジュニア・スペシャル)に2名の女の子を加えた「VIPS」というグループがあったことは今回初めて知りました。
アイドルは一過性の消耗品という流れに挑戦したのは「フォーリーブス」です。
30歳を超えてもメンバーが卒業しないで現役のアイドル?でいるという試みは彼らによってなされ、現在の「SMAP」、そして今後の「嵐」に引き継がれています。これによってアイドルも、そして彼らを応援するファンも、(ジャニーズではファンと呼ばずにファミリーと読んでいるそうですが)、ともに年を取りながらもアイドルとファンの長い関係を継続している訳です。
その他に今回初めて知った事を記しておきたいと思います。
・我が国野ポピュラー音楽史においては、哀愁=サンタナ=ラテンの図式、(中略)見事に郷ひろみ→田原俊彦→錦織一清とつながっていく
・ 70年代後半からアイドルがテレビで学園ものをやるというプロセス
・ 金八先生シリーズにデビュー前のジャニーズJr.が出てくる事が定番
・ ビクター、ソニーはじめ、当時はオーディオを作っている家電メーカーがレコードレーベルを持っていて、新しい家電が出てくるとその系列のアイドルをCMに起用
・ V6,嵐、NEWS、HEY! Say! JUMP、Sexy Zoneはバレーボールワールドカップとのタイアップでデビューしている。
(余談だが、V6の5人はジャニーズジュニアから選抜。岡田准一君だけが「天才たけしの元気が出るテレビ」のオーディションで加わっている。)
・日本の歌謡曲って、その時代にアメリカで流行っている音楽のジャンルをアレンジとして取り入れて、アイドルソングにして売る
筆者が指摘するように
『可愛い男の子が可愛いままで愛でられるのは、何よりの平和の証しであり、豊かさの表れ』かもしれません。
アイドル、特にジャニーズや、ジャニーズのリリースする曲と時代ごとに当時流行っていたアメリカの曲の類似性は後半部分に述べられていて興味深いものでした。
今しばらくアイドルについて研究を継続してみようと思います。