勤務校においても5回実施の中学入試と
4回実施の高校入試とで慌ただしい日々が続いています。
来年度を見据えて「入れる」忙しさに加えて、
今年は高校3年生担当として「出す」ことが加わっているのです。
2月に突入してから、
大学入試も真っ盛り。
ほぼ毎日生徒から
「合格・不合格」結果連絡の電話が学校にかかってきています。
年度当初に国公立合格○○名。
明治・青学・立教・法政・中央○○○名合格を目標にしてきているこの学年。
学校創立以来の記録樹立に向けて胃の痛い毎日が続いています。
今のこの時期はさらに国語科教諭が忙しくなっている時期でもあります。
慶応義塾大学や多くの国公立大学の二次試験に小論文が課せられているので、
その対策を直前まで個別指導しているからです。
昨年度、慶応義塾大学の出題として
「電子出版」が出題されるのではないかと予想した教員がいました。
見事にそれが的中。
その対策をとった生徒が見事に合格を勝ち得るということもありました。
参考までに昨年度の慶応義塾大学の小論文の出典を下に書いてみます。
文学部
池澤夏樹『本日、これから』(岩波新書、2010)
法学部
長尾龍一『リヴァイアサンー近代国家の思想と歴史』(講談社学術文庫、1994)
総合政策
トマス・フリードマン『フラット化する世界』(日本経済新聞、2008)
経済学部
中谷宇吉郎『電柱の研究』
商学部
亜成活裕『クルマの渋滞 アリの行列―渋滞学が教える「混雑」の真相』(技術評論社、2007)
看護学部
土居健郎『「甘え」の雑稿』(弘文堂、1975)
これらの題目を見て感じることは、
一般的に言って大学1、2年でも小論にするのは難しいのではということです。
大学4年間の学習を通じて、
しっかりした内容のレポートを完成できるのではないかと想像します。
もつとも慶応の学生に論文作成指導は必要ないかもしれませんが。
たぶん、ほとんどの受験生は、小論文対策として予備校の講座をとって勉強するか?
それとも高校で国語担当教諭に個人的な指導を仰ぐのが一般的ではないかと思います。
仮に受験対策として高校の授業科目に仮に「小論文」が設定されていても、
問題集を購入し、与えられている「キリとられた文章」を元に論を進めるという作業の繰り返しをしていることは容易に察しられます。
私が思うに、本来は多くの専門書を読み解き、それについてのレポートを書くことで小論文を書く力が付くと思うのです。
しかしながら、彼ら受験生には専門書を読むような時間的な余裕が無いのが現実です。
何か彼らに論文を書くヒントを与えたいな~と思います。
その答えの一つとして「文化」について興味を持っている受験生、
さらにAOや公募制推薦受験希望者には
今春、青弓社から発売される『「文化系」学生のレポート・卒論作成術』という本を紹介しようと思います。
すごく良さそうな本です。(決してステルスマーケティングではありません)