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『法科大学院の定員割れ問題』について

2016-02-09 07:07:07 | Weblog

 首都圏でも法科大学院の廃止が相次いでいます。

例えば、駿河台、明治学院、東海、大東文化、獨協、白鴎、関東学院、東洋、神奈川、國學院。

定員を充足しているのは千葉・首都大学東京・筑波・一橋・京都・大阪のわずか6校。

学生が集まらないので募集停止なのですが、

「なぜ、学生が集まらないのか?」という問題が取り上げられることは殆どありません。

お恥ずかし限りですが、私はその理由について最近知りました。

 

まず試験には2つの種類があります。

1つは合格基準に達すれば受験者全員が合格できるような試験。

例えば、英検などの各種検定試験や「医師免許」が該当します。

もう1つは選抜試験です。

それは合格者の定数が決まっているような選抜試験です。

例えば、入学試験などがその代表的なものであり、

ここでとりあげている「新司法試験」が該当します。

つまり、新司法試験はどんなに頑張って勉強しても、その他の受験生が同じ又はそれ以上に頑張ると合格できない試験なのです。

法科大学大学院の修了者には新司法試験の受験資格が与えられます。

法科大学院の卒業生数は毎年約6000人。

新司法試験の合格者は毎年約2000人。

仮に試験に3回不合格となった場合にはそれ以降の受験資格を失うそうです。

(ちなみに、3回不合格になった人々は受験生から「三振」と呼ばれるそうです。)

合格率70%を目標に始まった法科大学院。

しかし合格率は23%程度.

実際、本当に厳しい試験となっています。

さて、2015年の新司法試験の合格上位3大学は、

      合格者 合格率

(1)中央 170名 35.8%

(2)慶応 158名  45.5 %

(3)東京 149名  30.8 %

上記大学でも、その厳しさがわかります。

合格者がまったくいない大学も4大学あり、そこには国立の香川大学も含まれています。

合格者が1名だけしかいない大学も5大学。

司法試験合格者数を増やしたり、医師免許のような試験にする等の問題は今後の課題です。

私たち高校という現場では、

新司法試験制度やその実態について理解した上で、

法学部への進学を希望する生徒に対しての進路指導を行う必要性を再認識したしだいです。

 

*参考 『なぜ日本は若者に冷酷なのか』

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