猪狩先生の訃報を知ってから、先生に対しての感謝の証として私ができることは発表と思いつき今年の5月から約2ヶ月をかけての準備。
最近は体も疲れやすく、夜間のうとうとしながらの準備が続きました。
今まで学会発表では、とにかく完璧な発表を目指してきました。
一字一句違わないような発表用原稿。
当日も余裕のないようなガチガチの発表。
しかしながら、今回は、完璧に準備したものではありませんでした。
ざっくり概要を話すことで、話をまとめさせて頂きました。
今回の内容は「大学の教職員が学生募集目的で入試広報活動行うための高校訪問はやめた方が良いのではないか」という提言でした。
約120大学のデータ分析をすることで見えたことが数点ありました。
それは、実施曜日です。
約半数以上の大学が木曜日か金曜日に高校教員対象の入試説明会を実施しています。
逆に、極端に少ないのは月曜日。
教授会が週末に実施されやすいので、週末に入試説明会を実施しているのかもしれません。
でも、それではお客様目線に則った行動ではありません。
さて、話は当日の発表内容に移ります。
業界関係者、高校教諭、生徒の皆が知っている場合は共通言語が使用されています。
例えば、「オープンキャンパス」。
しかしながら、上記の状況にあるにも関わらずに「入試説明会」という言葉は共通言語化していません。
殆どの大学が、多くの高校教諭をあつめて大学の魅力と入試情報を伝えることで一致しているのにも関わらず。
「入試説明会」以外に使用されるのは「大学説明会」、「入試要項説明会」、「入学試験説明会」などです。
その理由はなぜかわかりませんが、各大学が自校の特色を出すためにあえて、他の大学とは異なる語を使用しているのかもしれません。
明らかなことは、今後も共通言語化しようという流れはなさそうだと言うことです。
さて、入学者を集めるのに窮している大学が多く存在しています。
潰れないように何とかしなくてはならないと入試活動も活発です。
一般的な手法として他大学も行っているので、自大学でも実施のスタンス。
「高校訪問」を活発に実施している大学の多くは学生募集で苦しんでいる大学です。
それらの大学では実質的な入学試験も行われないので「Fランク大学」「BF大学」などと称されます。
FとかBFが意味するのは試験というボーダーがない大学、無試験大学。
Fランクの大学は年に3回も高校訪問をしてきます。
でも、その大学の教職員から語られる大学の魅力は他の大学と代わり映えしないもの。
口の悪い私は思うのです。
それらの大学は偏差値の高い大学と同じように入試説明会や高校訪問をする必要があるのだろうかと。
同じ時期に、同じような募集活動はF1レースそのものです。
レーシングカー、トラクター、バスがレース場で競争する意味はないのです。