ポプテピピック:どーても11話

2018-03-19 12:59:10 | ポプテピピック

正直なところ、ポプテピピック11話には失望した。

 

これまでの話は、何かしら「魅せる」要素が存在していた。それはフェルト人形かもしれないし高速紙芝居かもしれないし、攻め過ぎなパロディかもしれない(第三話のアイドルグループドキュメンタリー、第10話の様々な有名サスペンス要素を盛り込んだ話はその典型)。ともあれそれはポプテピピックである(ポプテピピックでやる)ことに重要な意味・効果があるものばかりだったように思える。

 

なるほど確かに、今回もシャイ〇ングや稲〇淳二のパロディはあるし、また全体として「ホラー」という統一的テーマはある(統一的テーマについては、第一話で様々な作品の「出会い」がパロディ化されているケースを想起されたい)。そして後半は二人の大物声優も起用している。では、今までのポプテピピックと同じで何も問題ないではないか?と言われるかもしれない。

 

それは大きな間違いである。理由は以下の二つだ。

 

(a)せっかく大物声優も呼んだというのに、今回は極端にポプ子/ピピ美のセリフが少ない

これなら、セリフの少なさを逆手に取って、後半は大川ぶくぶ+マフィア梶田でやった方がよほどおもしろかったし、ポプテピピックらしい攻め方だったのではないか?

 

(b)このパロディをポプテピピックでやる必然性が感じられない

今回ホラーのパロディを様々やっていることはわかるが、これをポプテピピックでやる必要はあるのだろうか?わかりやすく、先に出した第三話と第十話のパロディを例に考えてみよう。まず第三話は、アイドルの裏事情という描写がポプテピピックの「可愛らしさ+凶悪さ」というテイストによくマッチングしている。そしてそれがエスカレートして世界が崩壊するのも、荒唐無稽なポプテピピックの展開によく合っていると言えよう(これがセルとフリーザ様の組み合わせでより強く印象付けられる点も高く評価できる)。また第十話は、そもそもお前ら(=ポプ子/ピピ美)何歳やねんwという突っ込みから始まり、テンプレを抽出したがゆえに目立つ超展開と、そこにちょいちょい挟まれる無数のパロディという食い合わせはポプテピピックと抜群の相性である。しかも、後半パートはご存知のようにコ〇ンのメンバーで占められており、これが声優リセマラという悪魔的発想を最大限に生かした組み合わせであるのは言を待たないが、加えて「雑」な演技指導ゆえにアドリブやり放題な仕組みもあってパロディのおもしろさ(日暮れだってよ・・・wいいんですか!?怖いモノ知らずwww)が前面に出てくる演出がなされている。要するに、第三話も第十話も、ポプテピピックだからこそ、ここまで無茶苦茶できるし面白くもあるのであって、ゆえにこれをポプテピピックというアニメでやった事を称揚しないわけにはいかないのである。

 

以上を踏まえると、11話のポプテピピックは何らポプテピピックである必然性がなく(6話も若干その気があるが)、それどころかアニメ版の売りの一つである声優リセマラ・大物声優の演技が全くと言っていいほど生かされていない点で明かな構成ミスと言わざるをえない。まあただ大物声優使えばおもしろくなるわけじゃねーし、ただパロディやってればおもしろくなるわけでもねーよ、という意味でクソアニメに続かんとする短絡的なフォロワーに対して冷水を浴びせる内容にはなったかもねー、と皮肉を述べつつこの稿を終えることとしたい。


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