「怯える虎には、対峙するより『蟲』もて無力化せよ」という記事で、「ウゼー隣国は戦争やってぶっ倒せ!」と息巻いているのも、「戦争絶対反対!」と馬鹿の一つ覚えみたいに言っているのも、等しくアホだと書いた。
要するに、相手が自分の言う事を聞かざるをえない状況に追い込むことが重要なわけで、だったら「人道支援」という名目で政治的分裂を促進したり(まあロシアは旧ソ連領への欧米の介入をそう喧伝しているわけだが)、あるいは経済破綻を引き起こさせて国際的地位の低下を狙うとかいくらでもあるやんか、とまあそういう話を書いたわけだ。
ちなみにこういった話は独創的なものでもなんでもなく、実際ここで対象としている中国自体もしばしば行っている。たとえば、数年前にフィリピンと南シナ海問題で対立していた時にはバナナの輸入をストップして相当経済的に打撃を与えた(まあドゥテルテはどう対応していくのか、という話だが。ちなみにその時は売れ残ったバナナが日本などに流れたそうな)。また少し前から韓国のTHAADの導入を受けて中国が経済的な締め上げを行っており、結構な影響が出ているらしい(正確な数値までは把握してないが)。また、先日トランプは台湾に関して「習ちゃんの邪魔になることはしないよ★」発言をしていたが(これは北朝鮮問題に絡めて中国との連携上の配慮だろう)、台湾には中国の経済的囲い込みも現在進行形で行われていると推測される。というのも昨年、台湾と国交のあったアフリカのサントメ・プリンシペが、台湾に無茶な要求をして当然のように断られ、台湾と国交断絶→中国と国交樹立という出来事があった。これは中国の圧力が背景にあったと見るのが自然だろうが(周知のようにアフリカは、中国が入り込んでどんどん開発を行っている。日本のODAを使ったりしながら!)、こうして台湾を承認している国が減り、政治的・経済的に追い詰め、最終的に音を上げさせようとする作戦であろう(ちなみに清朝康熙帝の時代には、遷界令というものが出されて福建省沿岸部からの移住と孤立化が図られ、その結果鄭成功は台湾に拠点を移した経緯がある)。
ことほどさように、他国を自分の意のままにしようと考える時に、(賛成であれ反対であれ)真っ先に出てくる発想が戦争というのはおめでた過ぎるというものだろう。実際、アメリカは北朝鮮問題で中国と協議しているが、北朝鮮問題を生きながらえさせている石油の輸出をストップするように働きかけるのでは?という見方もあるようだ。そのような現状も踏まえ、改めてここに草稿を掲載する次第である。
【覚書】
怯える虎。台湾の経済的な封じ込め、漁獲の件、狡猾になりつつある。経済的失墜を契機として、ロシアに対するように反独裁派を支援。国内の分裂を助長する。うまくいけば対外消極的な国家が誕生。巨大な国なので地方の自治区が独立の上、いくつかに分裂する可能性もあるかも(台湾はもちろんのこと、ウイグル、チベットなど)。いずれにせよパワーは目減りするし、何より国内の混乱を収束させるため内側に集中せざるを得ない。シーレーンがどうこう言ってる場合じゃなく、まず国内を何とかしろと言う話になる。その間にこちら側は体制を整える。最悪の事態は難民が大量に発生するかもしれないが、華僑ネットワーク、中央アジア、インド、ネパール、朝鮮半島で食い止める(朝鮮半島の情勢には注意が必要。支援がなくなった北朝鮮の崩壊が続くと難民問題だけでなく統合問題も生じる。この時に休北朝鮮領に治安維持のためという理由でアメリカの核ミサイルが配備できると望ましい)。一時的に中国への輸出や中国人による収入は激減。しかし、それについては中国自身の輸出が減るだろうから、そこに日本が入り込める余地もあるので成長の余地もある。たとえばアフリカへの影響力は大きく低下。そこに日本が入り込む。戦争をするより、相手が足腰立てなくする方が有効だ。ほとんどダメージを受けず一方的に勝利できる。上手く中国が分裂でもしてくれたら常任理事国の座も危うくなるかも。それもまたチャンス。問題は、同じような問題を抱えるロシアが確実に中国側に回ると言うこと。その火種が自国に波及してタタールスタンとかが独立の動きをとったら嫌だからね。まあプーチンがあとどんくらい生きてるか。その死、ないしは影響力の低下と中国の崩壊が同時期に起これば(起こせれば)、世界のパワーバランスは一気に変わるだろう。あ、ただ一言言っておくと、中京が消滅して新しい国家が生まれたり分裂が生じたりすることは=政治的安定じゃないからね。リビアみたくなることを十分想定した上で、動きましょう。
中国が海外進出をやめられないのは、不満を外にそらすためだ(かつてのロシアの南下政策やボナパルティズム、あるいはアルジェリア出兵などと同じこと)。とするなら、現象に対症療法的に反応するよりも、国内の混乱や反乱を喚起した方が効果があることになる。
経済破綻とともに独立運動が雨後の竹の子のごとく勃発し、中共体制が崩壊するにはどうしたら良いかを考えるべきだ。
もちろん、上手く中国経済崩壊のダメージを最小限に抑えることと、大量の難民が発生しうることを視野に入れておかなければならないが。
リベラルとして安倍を批判するなら、その前に中共こそ問題にしたらどうか。それを批判すると安倍側を利する行為になると思っているかもしれないが、結局彼が支持されているのは外敵の存在という部分が大きいし、中国の脅威が退庁すれば も引くであろう。
そうして日本が東アジアで再度経済的覇権国家に返り咲ければ将来への不安をナショナリズムや俳外主義に家宅して噴き上がる連中も押さえ込むことができるし、一石二鳥ではなかろうか?
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