黒部平の植物園

大観峰から降りて黒部平につきますが、ここに小さな高山植物園という名がついた場所がありました。その中をぐるりと散策して観ました。見慣れたものもあり新しいものもありで少しだけ気を紛らわせることができた場所です。

シナノナデシコ

久しぶりに出会えたのがシナノナデシコ。中部の山岳の荒地にときどき見かけるものですが、黒部渓谷にも自生しています。

シナノナデシコの花

カワラナデシコやタカネナデシコとは違う青紫がかった花はどころなく大人の陰のある女性の雰囲気？？というのはこじつけ過ぎでしょうか。ナデシコという名前の割には花の切れ込みが少なく、園芸種にセキチクというのがありますがなんとなくこれに近い雰囲気です。

シナノナデシコの葉

葉の付け根が赤くなっているのが特徴の一つなのだそうです。昔、南アルプスの鳳凰岳に向かった時の麓の河原に自生していたシナノナデシコの大株が思い出されました。ごろごろした石が転がる河原には安定した場所にはススキの原ができていてその縁がまだ安定していない河原。そこにこの花が結構咲いていて不思議な景観を作っていたのです。あの景観はフジウツギとともに逞しい感じの花でしたが、それに比べると立山での出会いはなんと弱弱しい感じでした。