森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヒメシャラ

2018年03月25日 | 自然観察日記
浄蓮の滝の近くに「天城越え」という道の駅がありここに併設されている昭和の森会館やその周辺の森を散策しました。ここは植栽した木々が多いので、自然遊歩道の「踊り子の小道」と名付けられた森の道を少し歩きました。スギやヒノキなどの植林された木々に混ざって印象的だったのがヒメシャラの大木。葉がない季節ですから樹肌だけです。しかし、赤い肌は他にはない強烈な印象がありますからすぐにわかります。新潟では全く見られず太平洋側の森に見られる種です。陽樹で森を海抜するとヒメシャラが最初に生育するため山全体がヒメシャラの林になっている景観を静岡の千頭のあたりで目撃した思い出があります。巨木になりますから径が70~80cmにもなります。屋久島ではヒメシャラの曲がりくねった巨木の森に出会いました。いい思い出になっています。

ヒメシャラの樹肌

2018年03月25日 | 自然観察日記
サルスベリによく似た樹肌です。天城の山域にはヒメシャラが普通に自生しているようですが、歩いた場所は植林地でしたから整理されていないスギやヒノキの中にイヌガシやウラジロガシなどの本来自生している種が自然に生育し大きくなってきていて「踊り子の小道」という名前にはふさわしくない雑然とした森です。ここでは唯一ヒメシャラの比較的大きな樹に巡り合えたことが特筆できることでしょうか。