亜高山から高山帯にかけて湿った場所にはコバイケイソウが普通に見られます。栂池自然園内でも芽生えたばかりの芽が至る所に出ていましたが、栂の森の散策路内の湿地にはもう花盛りです。標高にして250mほど下がったところです。優に10日~2週間は差があるように思います。
ハエドクソウ科に分類されるオオバミゾホウズキです。亜高山や高山のやや日陰の湿った場所に見られる多年草です。あまり注目されない種のように感じますが綺麗な花姿をしています。ただ、今まではゴマノハグサ科として記憶していましたから、新分類にはなかなかついて行けません。
花を横から見てみました。花冠は長くがく筒の2倍はあります。ミボホウヅキの名前は「ホウズキ」の実に似ているところからなのだそうですが、怠慢なことに何度もミゾホウヅキに出会っているものの実をしっかり観察したことがありません。黄色い花に誘われなくても水辺には必ず立ち寄って観察しなければなりません。
栂の森の遊歩道にノウゴイチゴがありました。最初はシロバナヘビイチゴ(モリイチゴ)と思っていたのですが、何か違和感があって確認のため調べてみると・・そういえば花弁の数が多いのはノウゴウイチゴではないかと気づきました。それにしても今まで見てきたノウゴウイチゴの環境が合致しません。この環境はシロバナヘビイチゴの環境と思い込んでいたのが過ちのもとです。ノウゴイチゴもこういう深い森の林床に自生することもあるのだと教えられました。
栂の森にユキザサがたくさん見られるのですがタイプの異なる2種が入り混じって見られますので、難しいユキザサののことですから混乱気味です。左側がヤマトユキザサ(オオバユキザサ)、右側がヒロハユキザサ(ミドリユキザサ)と思われます。並んで自生しているとは・・・こういうこともあるのかと自分に言い聞かせました。事実は奇なりです。