山里の転居した空き家の庭で餅つきが始まった。しばらく使われなかった臼と杵がうれしそうに登場した。活躍の場があることは生き物にも道具にとっても大切なことだ。
準備と食べるのが忙しく、なんとまー、餅つきしているシーンをカメラに収めることができなかった。
餡子の入ったお饅頭に、醤油・鰹節・ネギだけの餅、納豆餅・卸大根の餅と、よくまあ食道につかえなかったと思うほど、搗きたての餅をくちびるの奥にかきこんでしまったのだ。
この1年、短い期間にもかかわらず本当に人のつながりという財産をいっぱいいただいた。過疎という過酷な条件にもかかわらず、前向きに生きようという熱いハートを持つ人との出会いはおおいに私の心の支えになった。
また、東京からも一日かけてこの山奥へ訪れていただいたことも大きな激励になった。 もちろん、不便な生活をあえてともに楽しもうとした和宮様にも感謝でいっぱいだ。
しかもきょうも春野に住みたいという新婚夫婦に初めて出会った。 暗いニュースや「無縁社会」という言葉が流布するなかで、この過疎の中でのみずみずしい出会いは換えがたいものがある。
ストレスをかかえる都会の人はぜひ一緒にこのカントリーライフを楽しみませんか、と心から思わずにはいられない。