山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

「世界一貧しい大統領」は世界一豊かな政治家だった

2016-04-13 20:32:35 | 意見・所感
 きょう、娘からDVDが届いた。
 先日見逃した「世界一貧しい大統領」、ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領を特集した番組のDVDだ。
 ムヒカは、ノウネクタイを貫いてきたが、その理由は「ネクタイは政治家が嘘を吐き出さないためにするもの」と指摘するところはじつに的を得ている。
 それは同時に、欧米的発想にこびた服装に対するアンチテーゼでもある。
 例えばそれはノーベル賞をもらうときや首脳会談のとき、日本人は和服で行けばいいのに、かねがね思っていたからだ。                               

                                
 このところ「パナマ文書」が暴露されているが、政治家や企業家の私的利益隠匿はすさまじいものがある。
 その意味で、ムヒカ前大統領をとりあげたのはフジTVとしては珍しく当為を得たピックイベントだ。
 彼が注目された感動スピーチは、「われわれは発展するためにこの地球上にやってきたのではありません。
 幸せになるためにやってきたのです」と。
 
 「人はわずかなものしか持っていなくても幸せになれる」と経済成長・景気が幸せとする時代の風潮を揶揄する。
            
 
 日本の悩み第1位は「時間がない」だが、それに対して彼は、「何に時間を使うか」と問う。
 つまり、「生きることは死に向かっている」時間の連続でもあり、時間は有限である。
 だから幸せであるとは、生きていることに感謝することだという。
 その裏付けには大義が必要でそれに情熱・希望を持ち続けることだというところが彼らしい。

                              
 彼の言葉は仏教の教えに通じるものがある。
 欧米化した日本人は過去の自立した日本から学ぶべきことを提起してもいる。
 こうした政治家が日本でなかなか生まれない土壌は同時にわれわれの生き方の反映でもある。
 同質になることがお互いに安心感を担保する現代の保守性は、社会を自分を地域を国民を脆弱にする。
 ムヒカをほとんど取り上げてこなかったメディアの感性も然り。

 ムヒカにはとうてい及ばないが、オイラも同じようなことを考えてきた。
 そうしていま、自分ができるささやかな行動をそこそこ続けていることだけは娘に伝わっているだろうか。
 DVDを送ってくれたことがその証左だよね。
 
コメント
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