山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

中村文昭『お金でなく人のご縁ででっかく生きろ!』

2016-04-07 17:51:36 | 読書
 2月20日に春野町に講演に来た中村文昭さんの著書『お金でなく人のご縁ででっかく生きろ!』(サンマーク出版、2003.6)を読む。
 ①「縁の見つけ方」→「人の心は足で歩いて手でつかめ」
 ②「縁の深め方」→ 「尊敬する人のご縁で、人生は濃くなる」
 ③「口コミのつくり方・広げ方」→「<人たらし>の本質は人を喜ばせること」
 ④「自分の肥やし方」→「頭も資格もお金もいらない」
 ⑤「人と組織のつくり方」→「人を育てるとは自分が育つこと」
  という、よく練られた構成の、読みやすく、ヒント満載の人生訓の書でもある。

                             
 あわせて、台湾と日本との友好・交流を感動的に語るCDも聴いた。
 著書ではテクニックに走ってはいないかが気になったが、大筋において生きる上でのヒントがある。
 しかし何かが足りないという疑問が消えなかった。
 
 CDの中村流の語りだと、台湾を日本が植民地化したとき当時の住民は喜んでいたという物語になってしまう。
 「日本精神」「教育勅語」「海ゆかば」「君が代」について住民が喜んで肯定していたということになる。
 やはり彼の「皇學館」出身らしいイデオロギーがちらほら出てしまう。

      
 彼が感動的に語っていただけに当時の社会背景の現実がわからないと、彼の「人を喜ばせる」本質も見抜けなくなる。
 加害者責任を回避してしまう人生論はやはり致命的ではないかと思う。
 それはつまり相手の人間の置かれている状況とそれに対する共感の深さが欠如している気がしてならない。
 
 「人の心を耕し地域を元気に」を標榜する中村さんに期待はあるが、結局は平板な人生処世訓に流されてしまっている。
 問題は受け手がそれをどう耕すか、ですね。
 
コメント
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