山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

政治家「平太」を見直す

2017-07-03 22:51:22 | 読書
 昼食も夕飯も上半身裸で食らうほどに蒸し暑い。
 角山栄さんの本を読んでいたら川勝平太さんの引用がたびたびあった。
 ちょうど静岡県知事選挙が始まっているときだったので急遽読み出すことになった。

 開票日前までに読みきろうと思ったが、たびたびの睡魔に勝てず都知事選開票日となってしまった。
 『日本文明と近代西洋…「鎖国」再考』(NHK,1991.6.)は、予想を越え読み応えある力作だった。

     
 高度な文明にされされながら、なぜ日本は植民地化されなかったのかがオイラの関心事だった。
 川勝さんによれば、鎖国下のなかでも日本は、香辛料の醤油を大衆化し、貨幣素材の金・銀・銅も海外に輸出するほどに自給化し、国際商品だった木綿・砂糖・生糸・茶も自給していったことが大きいという。

                         
 また、武器も当時世界有数の鉄砲を生産・活用していたがそれを軍縮するほどの平和国家になったこともあげていた。
 経済学者らしく木綿を例証にして、戦後を風靡した西欧モデルの単線的な発展段階論を批判する。
 西欧型思考の限界とそれに追随した近代日本の陥穽から、今こそ戦国時代以降に培われた日本文化の神髄を発揮していくなかに日本の自立性がある、との提起を展開していた。

         
 同時に、鎖国は植民地化の防波堤ともなったが、そこに国家としての自立を選択した先見性があったとする。
 哲学・歴史・経済・文化・自然にわたる作者の深い洞察力に驚嘆した。
 こんな人が汚れた政治の世界で自らの研究成果を発揮できるのだろうか、と思ってしまったのは杞憂だろうか。
 自民党県議団にいじめられ、少数与党の悲哀を舐めながらも粘り腰を発揮してもらいたいものだ。

                             
 古い都議会と同じようだった神奈川県議会を粘っこく改革していった長洲一二元県知事も少数与党ながら5期も担ってきたのを想いだす。

 川勝さんの世界観を今回初めて知ったが、オイラと同じように多くの人はその奥行きを知らない。
 世俗的な圧力で潰されないよう、まずは小池百合子手法を学ぶ時だね、平太さん。
 西洋と日本とのありかたをさらに知るためにも、川勝さんの本を何冊か確保したよ。
          
コメント
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