地元の祭礼に参加する。まずは朝7時から小さな神社の清掃に始まり、田んぼでその神社の鳥居に着ける恒例の注連縄づくりをする。しかし、年々担い手の頭数が減り少数精鋭にならざるを得なくなった。
いつもは縄ないだけで3人ほどいたが今年は一人となった。余裕がない分、市販の「丸縄」で代用するしかなかった。わらも最近は刈り入れと同時に機械が裁断して肥料にしてしまうので、米農家はいても長い藁を手にするのも自前ではできていない。
お昼前にはやっと完成に漕ぎつき立派な注連縄ができた。「これからお祭りをやっていけるのだろうか」というぼやきが聞こえるようになってきた。高齢者や病人が増えてきた過疎の現実がじわじわと迫っている。
昨年、台風で幟がずたずたに破れてしまったが、今年から幟が新調され、積立金の重圧からまずは解放された。都会では神社祭礼にかかる費用はきわめて少ないが過疎地域はもろにその経費が村人の家計を圧迫する。収入の低い人には大いに打撃となる。
夜には「直会(ナオライ)」があり、雨天の合間の花火もあり、集落に引っ越してきた新住民との交流もあり、一時雨天のため中断していた山車も復権して、山里のささやかな祭りが大団円となる。