今ではすっかり花びらが落ちてしまったが、ヒガンバナに「ウラナミシジミ」がちょこんと座っていた。シジミチョウは動き回っていて近づくとさらに逃げてしまうのでなかなかモデルになってくれない。ウラナミシジミには目玉模様と2本の尻尾がある。どうもそれは偽装工作のようだ。その目玉は複眼、尻尾は触覚のつもりらしい。小さな命の生き残り戦略は必死というかユーモアというか、自分ができることを精一杯表現しているわけだ。
そろそろ少なくなってきた赤とんぼこと「アキアカネ」が翅を下ろして止まっていた。夏アカネだと顔面も体も赤い。われわれには当たり前だけれど貴重な日本特産種なのだ。それに、最近は農薬の影響でヤゴが孵化できず年々個体数が少なくなってきているらしい。季節の風物詩もじわじわとなくなっていく運命にあるのだろうか。
冬から早春に、傷だらけの姿を見る「キタテハ」は今のところ健在だった。アカタテハは見るからに派手な都会派、キタテハは地味な田舎派と決めつけるのは差別だろうか。そのくらい同じ仲間なのにカラーが違う。いよいよ冬に向かってわが身の振り向けどころを探し、いのちのリレー作業を開始する。