山椒の木が若い葉をつけている。山椒の苗を何本か植え付けたが8割がた失敗している。土壌が合わないのだろうか。その中でやっと根付いた山椒の木だった。「なんのために植えたかって?」。「タケノコステーキに山椒を添えたかったのだ」と言いたい。それほどに、タケノコステーキの旨みと山椒の存在感に惹かれたのだった。
フライパンの上に味噌バターでスライスしたタケノコを焼いていく。それに味醂・砂糖を加えて、味がなじんだころに山椒の葉を散らしていく。フォークとナイフでいただいたタケノコのステーキを切っていく。柔らかい。食べてみてもおかわりが欲しくなるが、食べ過ぎると舌がしびれてくるのでそこそこ我慢する。そのうちに、山椒の香りとコクがツンとフォルティシモとなる。コロナ閉塞社会のさなか、山椒を育ててきて良かったとささやかな愉悦を楽しむ。