畑のあちこちに「ツルウメモドキ」の小さなツル性の木が出ている。その葉を食べる常連の幼虫「トンボシャクガ」(シャクガ科)をよく目にする。その縞模様のストライプが斬新だ。食欲は旺盛だ。成虫は翅に比べて腹部が長く模様がトンボに似ているのでついた名前のようだ。
いわゆる尺取虫の仲間で、尺取虫は別名「ドビンワリ」という。むかし農夫が枝だと思って土瓶をかけたら落ちて割れてしまったというところからついた名前だ。
今年はやけに多い「シロシタホタルガ」の幼虫。数えてみると30匹以上はいたと思う。いつ見てもタータンチェックのような色・模様が斬新だ。この素敵な意匠は、外敵に毒があるよという警告色でもある。だから逃げることもなく堂々としている。
「クロミノニシゴリ」(ハイノキ科)というあまり目にしない樹の葉を幼虫が食べる。毎年、この樹の葉だけを食べている。実は名前の通り黒い。ニシゴリとは「錦織木」と書いてサワフタギの仲間。サワフタギはむかし、信州の藪の中で瑠璃色の実を見て感動したことがあった。この樹の灰は布を紫色に染める媒洗剤となるので、錦織木の名前がついた。東海地方において局地的に分布する比較的珍しい木が畑の隅にある。