遅い種まきだったが、スナップエンドウの芽が出てツルも伸びてきた。あわてて支柱の竹を裏山から採って来たり、昨年の使い古しを利用してセットする。農業資材もできるだけまわりにあるものを使うことにしている。年金収入しかない生活なので農業資材を購入する余裕がないのも事実だが、できるだけ「自然に帰る材料」を使いたいという狙いもある。
見たくれは確かに劣るが、結果を重視したいと胸を張ってみる。がしかし、合格点にはとても到達していない。それ以上に今は、シカの食害が頻繁になっている。せっかく出た若芽や若葉が食べられてしまう。隣のジャガイモさえも葉を食べられてしまったので、寒冷紗で覆っている。スナップエンドウもいただいた網をまわりに張っていく。こんな作業は初めてだ。シカも生きるのに必死なのだ。
それでも、すぐ隣の荒れ地にはイノシシのぬた場があった。シカ被害の次はイノシシとなる。だけどあまりむきにならないで対応することにする。人間の一方的な都合だけがいいとは限らないからだ。
コロナの苦難のなか、五木寛之の『大河の一滴』の著書が注目されている。その著書に関連して彼は「正義や努力は必ずしも報われるとは限らない」とする。しかし、自分が納得する生き方の小さな「一滴」が「大河」とつながっていることをふまえ、「アローン&トゥギャザー」という孤独(自立)の中のつながりを覚醒して、今という時代を生き抜いていくことの大切さを強調する。彼が主張していることはけっして斬新ではないが、時代の「真」をとらえていることはたしかだ。オイラもそのことを肝に銘じて粛々と生きていくことにする。