ポット鉢に挿し木苗を移植しているとき、発泡スチロールの箱の縁に13mmほどの小さなアブが止まっていた。ハチは2対で4枚の翅があるが、アブは1対で2枚の翅がある。うるさく刺しに来るアブではないのでハナアブらしい。頭の下の胸部には縦筋が見える。
凶器の針は持っていないけど、ハチの模様を擬態することで敵からの襲撃に備えるというハナアブの心優しい生き残り戦略に賛同する。脚のもも部分が太いので「アシブトハナアブ」(ハナアブ科)のようだ。腹部に一対の黄色い三角班がかっこいい。発泡スチロール箱の縁で日向ぼっこしていたようでしばらくじっとしていた。
栗の樹の上では小さなコガラだろうか、忙しそうに若葉をついばみ、仲間と啼き交わしていた。初春の穏やかな陽射しのひとときが尖った心をさらりと癒してくれる。