狭い旧道の坂道を下っていたら、左の法面で何かが動いた気がした。そのときの画像がこんな感じだ。この中に生き物がいたのだ。しばらく見ていたがわからなかった。これがわかった人は素晴らしい。そして突然、シジミチョウくらいの何かが飛んでいった。
蝶ではないことがわかったがその斬新なデザインがモダンだった。図鑑で蛾を見ていたら意外に早く出ていた。「タイワンキシタアツバ」(台湾黄下厚翅、ヤガ科)だった。なぜ台湾の名前がついたのかは解明できなかったが、朝鮮・中国・インド・台湾にも分布する蛾ということだっだ。名前は台湾がつくが外来種ではなく、日本に普通に見られる蛾だという。翅を広げると「黄下」のとおり黄色が目立つ。
青い衣が突然黄色に変身するようなものだ。デルタ型体形の先端に顔があるが、まるで超音速の無尾翼デルタ機だ。似たような仲間がいっぱいあるが、表面の翅の黒い正三角形に特徴がある。蛾の仲間には蝶よりもとんでもないデザインが少なくない。それをなにげなくいつもの風景の中で見つけられるのが山里の醍醐味だ。