春野山の村に30人を越える親子が乗用車やバスに分乗してやってきた。到着して早々、森をみんなで散策することになりそれを手伝うことになる。赤・青・黄・白・緑・紫・黒などの色をした花や実、それに昆虫を発見しようということにする。これなら、名前がわからなくてもだれもが参加できる。
道の端には「ツチカブリ」(ベニタケ科)の群落が迎えてくれたが、子どもたちはあまり興味がわかない。傷をつけて乳液を見せてなめてみる。とても辛い。似ているキノコには「シロハツ」や「シロハツモドキ」があるが、違いが分かりにくい。食べられる美味のキノコも少しあったが大きくなり過ぎていた。
途中で発見した赤ちゃんの蛇・とかげ・チョウ・クマバチなどにも子どもたちは興味を示したが、カマキリをつかんだ女の子の動きがすごい。
なんと、頭に捕獲したカマキリを乗せているではないか。ここに今回の散策会のすべてが凝縮されていると思えた。また、道端の山栗拾いには親子とも関心が強かった。大勢いると予想外の昆虫や植物に発見できる。
ゆったり散策したのでコースを半分に短縮するほどに親子が散策に夢中になった。正味、1時間ほどの散策を終えてまもなく、次の昼食づくりのバーベキュープログラムへといそしんでいった。こうした自然との触れ合いをやろうという親の意識は、子どもたちの好奇心も自然とのかかわりをも醸成していることを感じ入る。暖かいまなざしの若い親の存在がここの森では緩やかにはじけていた。