飲み仲間の小倉室町の錦龍のI氏、知恵のある方で、話しているといろいろと教わる。
I氏が居酒屋で焼酎を頼むとき、「1・8焼酎薄めで」とよく注文する。
最初は、私も意味が分からず、聞くと、「焼酎1お湯8、残りの1はグラスが空き、熱くないのでその部分で手で持つ。」
私が行く小倉のいくつかの居酒屋では、最近はI氏のおかげで、1・8焼酎と言えば、そのとおり作ってくれる。
一度、郷里の四国今治の居酒屋で、「1・8焼酎薄め」というと、おかみが、腹を立てて、からかわんでくれと。
この1・8焼酎、5杯飲んでも、五分五分の焼酎一杯と同じ酔いで、泥酔しない。
結構、おいしく楽しく飲める。
先日、暇にまかせて司馬遷の史記を読んでいると、古の名君が、泥酔しない知恵で、
客と主人が杯を交わしたとき、3拝9拝することをルール化し、泥酔を防いだという記事。
下のとおり。
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司馬遷 史記(平凡社 上 216ページ)
そもそも豚を養い酒を造るのは、その(酒食)によって禍を引き起こすためではない。
しかるに(酒食に伴って)裁判沙汰がますます頻繁になるのは、酒の流弊が禍を生む
からである。
故に、このことによって、先王は酒礼を作った。
すなわち(酒)一献(を受けるとき)
の礼でも賓・主は三拝九拝するから、終日(杯を重ねて)酒を飲んでも泥酔に到ることが
できない。
これは先王が酒禍に備えたためのものなのである。
もともと酒食は(賓主が)共に喜び合うためのものである。
参考*先王は黄帝、堯(ぎょう)、舜(しゅん)、禹(う)といった紀元前2000年頃の中国の
伝説の皇帝で、史記の文章を読んでも、理想的な指導者であると高い評価。アメリカ建国の
時期の大統領ワシントン、ジェファーソンのような国民の尊敬を集めた政治指導者。
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4000年前の中国の名君の知恵と錦龍のI氏の知恵、どちらも、気持ちよく酔って、人生を楽しみ、健康に過ごせる工夫。
中国に4000年前、同じ工夫をした偉い人がいたと、今度I氏に教えてあげよう。
(冒頭の写真は、野菜・魚と物々交換でご近所からいただいた焼酎。どれも美味しい。)