7月最終日となる今回は、前回よりもさらに涼しい場所へと言う事で、日光市へ向かいました。しかも、灼熱の太陽を遮ってくれて加えて涼風が吹いている所と言う贅沢な場所として選んだのが、旧日光市でも今市に限りなく近い野口地区です。もちろん今回の場所は、既に何度も写真撮影やら石仏見学会の案内等で来ている所なのですが、肝心の石造物の精査が全て終えているかと言うと心細く、今回はそれらを見直そうとしてやってきました。
その最初の場所が、ここへ掲載した写真です。ご覧のように如意輪観音様を中心とした碑塔がずらりと並んでいますが、これ以外にももちろんあります。それらを、今回は過去に調査してあるものも含めて全てを精査しました。もちろん、途中で休みを入れてのことで、隣のご主人様から栄養ドリンクの差し入れを受けながら。そんなこんなで、午前中だけでここのみと言う体たらくで、結局はこの所で昼食としました。何しろ隣には、屋根つきの休憩所に冷たいほどの日光水道があるのですから。
次の場所(午後から)は、ここから歩いて1分ほどの所にある場所へ移動です。その碑塔風景が下記の写真ですが、ご覧のようにその全てが苔で覆われていて、文字さえ確認できない始末です。まず最初は、その苔剥がしから開始で金属ブラシに亀の子タワシで約30基に及ぶ全て家畜塔を何とか文字が読めるまでにしました。しかし、そのために体中から汗が噴出して止まりません。仕方が無いのでここで一休みとし、再び元のミニ公園へ戻り、頭から冷水を被り、身体をタオルでふき取り、その後はベンチに横になり大休止を取りました。そんな私を見かねたのか、ご主人が奥様手作りと言う美味しい梅干を下さいました。塩分補給には多すぎて、結局はお土産として毎日家内と食べても一ヶ月は優に持つほど沢山頂いてしまいました。
さて、肝心の家畜塔の調査に戻ったのは、早くも午後の2時になってしっまてからです。このころから、雨がポツポツ降り出してきましたが、杉並木の真下なので幸いなことに濡れないので、調査続行。
そんな家畜との一例として掲載しましたのが上に掲載した二枚の画像です。最初のは、苔を剥がす前の写真です。その苔を剥がすと、ご覧のように「馬力神」「馬刀神」という並列文字が出てきました。ここで注目は、左側の文字が「馬力神」ではなく、「力」の文字の所が「刀」になっていることです。これは、当地にもう1基ありますし、栃木県栃木市にも「馬頭観世音」ならぬ「馬刀観世音」と表記された文字塔があるように、間違えて彫られた文字ではありません。意識して、同じ読みでも文字を違えて記したものです。そこのところが、文字塔の面白いところで、漫然と見ていたのでは気がつかないでしょう。
そんな、調査も佳境に入って来た3時少し前、突然のドシャ降りとなる。頭に被っていた帽子をカメラに被せ、調査道具一式を抱えて車まで駆け足で戻って、調査用紙は濡れてしまったものの何とかセーフ。北の空、日光の方を見ると真っ黒い雲に覆われてドンドンこちらの方へ流れてくる。このままではヤバイと、調査は途中までだが諦めよく車を動かし、一刻も早く日光から逃れることにする。そして案の定、今市市を通過する頃には雨はやみ、日光方面だけが真っ黒い雨雲に覆われていた。そんな訳で、次回も今回の続きをしなければならず、日光へ行くことになるだろう。