昨日の日曜日は、絶好の手拓日和。何よりも暖かく?風は無風に近い。そこで今回は、先週もそうだったが風があって何としても今日こそは二基の碑文を手拓しようと出かける。ところが、鹿沼へ入ると朝方に雪が降ったようでうっすらと雪が積もっていて、空気は凍るような寒さ。現地には9時少し過ぎに(それでも意識して遅く出かけたのだが)着いてしまったが、手拓するには温度が低すぎて画仙紙に水を使うことが出来ず、仕方なしにもう少し空気が温まるまで周辺の石仏調査とする。そして撮影したのが上記に掲載した写真で、鹿沼市の村井町墓地での青面金剛塔の下部に見る猿さんの姿である。それはご覧のように2猿だが、御幣とは思えぬような物を2猿が一緒になって手に掲げている。これには困った。御幣でないとすれば何なのだろうと思案するが、結局はわからず仕舞い。悔しいので、ここへ掲載した次第である。ご存知の方からのご教示をお願いしたい。
さて、そうこうして時間も10時半になったので最初の手拓現場へ戻る。試しに碑石へ少しだけ水をつけてみると、凍らない。しめしめと、今回は霧吹きを使用せずに濡れタオルで少しずつ碑面に水張りを行う。そのためにいつもより時間はかかるは、手は感覚がなくなるほどの冷たさとなり、思わず手に息を吹きかけて暖める始末に苦笑。そんな冷たさを継続して何とか半切画仙紙を2枚半張り終えてから、少しだけ乾く時間に急いで車の中へ逃げ込み、暖房を効かせて一休み。現況が厳しかったが、何とか予想以上に良く採れた。ただ、何とも達筆な草書体なのでそう易々と読める代物ではない。それを眺めながら、車の中で昼食。しかし、既に午後1時過ぎになったので今度はいつものようにいつ風が出てくるかわからない。食事を終わるや、急いで次の手拓場所へ向かう。その第二の手拓目標は、嫌らしい石苔が着いている墓碑の二面、前回に金属タワシで磨いておいたが、やはりもう一度磨きなおす必要になり、思わぬ時間がかかってしまった。そして水張りしたが、やはり部分的に苔の残っている場所は浮いてしまったりして文字にうまく画仙紙が食い込まない。それでも、風が無いうちにと焦り気味に墨入れしてしまう。そして帰宅してみれば、やはり全体の五分の一は解読不能。まあ、そこはこれからも何度も通る道沿いにある墓地。これからも通るたびに立ち寄って、今回読めなかった部分は一文字ずつ解読していくことにしよう。そんなことで、本日の石仏巡りは午後も3時半になったので終了。結果的には、本日の新たな石仏調査原簿はたったの14枚という有様だったが、念願の手拓が2基一緒に終了したので、満足顔で帰宅した。