3月9日の土曜日は、異常な暑さにフウフウ言いながら鹿沼市の石仏巡りでした。加えて風は台風のように強く、最初に手拓のために訪れたお寺さんの碑文拓本採りには前回に増してまたしても苦労しました。画仙紙を途中で風に飛ばされて2倍使用する羽目になり、それでも挑戦するも途中で風に引き切られてずたずたの拓本となりました。家に帰ってから、それらの修復に二度苦労しました。そこで拓本を取り終えた段階で、平地にいては石仏巡りも出来ないと考え、山地となる鹿沼市上久我地区へ移動しました。するとどうだろう、流石は山々に囲まれたの風はそよ風程度でしたので、喜びは大なるものがありご覧のような庚申塔を写真に取ることが出来ました。本当は、これは手拓しようと思っている庚申塔の一つなのだが、流石に今日は遠慮した。猿等の像容は彫りこまれてないが、その分ご覧のように見事な蓮が浮き彫りされている。銘文共々に正徳期の栃木県内でも数少ない秀作庚申塔です。まさに眼福眼福といった思いで、初夏のような中でその素晴らしさを味わってきました。
この周辺の山際には、その他にも沢山の石造物があり、残り少なくなった時間をどう有効に使おうかと悩みながら、その後は個人の顕彰碑の手拓採りに決めて、風も吹き込まない場所でルンルン気分で本日2基目の拓本を採ることにしました。時計は既に午後4時になるので、もう一箇所へも行く予定だったが、そう欲をかいてもいけないと次回に繰越として帰宅した。今の3・4月は、山地の石仏巡りの絶好機。何しろ下草は無くて見通しは良く、熊さや猪等の獣達も出没しないので、安心して山の中に入れるし、加えて手拓するにも最高の季節、それだけに行きたい所は鹿沼市と限らず県内全域に及ぶ。それでも多分、次回も鹿沼市のどこかで石仏とにらめっこしていることになるだろう。