車に乗ったものの、どこへ行くかは定かでないまま鹿沼市から293号線を西へと走る。そして思いついたのが、佐野市の富士町にある唐澤山神社。この神社の石碑については12月に掲載したかと思うが、とにかく写真はこの季節の樹木に葉がないときでないと写真はとれない。それ以上に、私にとっては篆額の字体が正しく読み取れていなかった。そこで、浅はかにも田沼町から向かうことにしたが今日は成人のお祝いで唐沢神社への道は混んでいる。「これは困った!」よりによって、初詣に次いでの人込になるには確実。急いで車を逆転してまた元の293号線へと戻る。そして結局は足利市まで来てしまい、「よし、こうなったら長年の懸案であった本城3丁目の「正徳寺」さんにある墓碑を調査しようと決める。その石碑(墓碑)が、ここへ掲載した写真である。庫裏へ伺い、住職さんにお願いすると、ご丁寧に鈴木家墓地まで案内くだされたが、その余りにもの汚れに愕然。手拓を取るには全面的な碑面水洗いが必要である。そこで今回は上部の篆額だけの手拓として諦め、銘文は2時間ばかり碑面と対峙して何とか書き写すことが出来たが、不読箇所が多すぎる。この墓碑のように、貴重なものは今の内に採拓して後世に残さなければと思うが、こればかりはどうにもならない。それにしても、綺麗に水洗いしたならさぞかし見ごたえのある石碑になるだろうと残念さを胸に帰宅する。