上に掲載した写真。これは「日光型灯籠」として、一般に見る灯篭とは区別しています。今回は、暫くぶりに日光方面へ来たついでに見たのだが、嘗ては自分の石造物調査対象として何時かはその全容を纏めてみたいと考えていた。しかし、余りにも調査する項目が多すぎて、どうしても社寺仏閣の付随物としての灯篭には集中する事が出来ず、今ではすっかり諦めている。
しかしこうして改めて眺めると、その安定感あるどっしりとした像容にはなぜか魅せられるものがある。この形態の栃木県における初発塔は、日光山内の開山堂付近にあるもので、紀年銘は寛永五戊子天四月日(1708)で「地蔵堂常夜燈」とある。そして建立されている場所としては当然ながら、日光を中心としたエリアに多く、そのほとんどが社寺仏閣境内なのは一般に見る灯篭と同じである。この灯篭については、日光方面の石造物に興味を持っている方もいるようだが、その全容となると管見ながら見ていない。「嗚呼。もう少し若ければ」と思うのはいつものことだが、この石造物も誰にも調査し纏められぬまま、何時かはその歴史が消えていくのだろうなと残念に思う。