一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

真保裕一『灰色の北壁』(講談社)

2005年04月26日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
最初に結論から言ってしまうと―― 「傑作」である! 珠玉の三編が収められている山岳ミステリー集である。 「黒部の羆」「灰色の北壁」「雪の慰霊碑」 どれも原稿用紙に換算すると150枚ほどの作品で、短編というより中編だ。 だが、読み応えは長編に引けをとらない。 どれも緊迫感あふれる作品である。 掲載されている順に読んだ。 「黒部の羆」を読了後、満足感が体に広がった。 他の二編を読んでいないのに、これ . . . 本文を読む