一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

わが心の槍ヶ岳⑤ (八島ヶ原湿原~車山高原)

2009年07月30日 | 北アルプス(槍ヶ岳~常念岳)
昨夜の宴会の余韻が醒めやらぬ遠征5日目。
最終日の今日は、飛行機の時間まで、霧ヶ峰で湿原と高原の散策。
花いっぱいのコースのようなので、すごく楽しみ。
今日は、ジーンズにスニーカー。
登山靴ではないので足が軽い。
心も軽い。
皆の表情も和やかだ。
昨夜飲み過ぎたのだろうか、やや疲れた顔、数名。( ´艸`)
まずは八島ヶ原湿原。


霧ヶ峰の北西。
標高1630m。
12000年の歳月をかけてできた高層湿原。
年間で約360種もの植物が開花する。
湿原研究で世界的に有名なJensen博士が、「これほど見事なものは世界中でベルギーに一ヶ所見るのみだ」と絶賛したとか。
佐賀県にも樫原湿原があるが、広さはその数倍、いや数十倍はあるだろう。


ハクサンフウロ。


ノリウツギ。


ノハナショウブ。


キンバイソウ。


イブキトラノオ。


マルバダケブキ。


ホソバノキリンソウ。


繊細な自然美の結晶。
遥かに続く時の流れに思いを馳せる。


湿原と木道。
青空と白い雲。
風景から一瞬を切り取る。
その刹那、時は止まる。


美しい蝶を見つけた。


ワレモコウ。


ニッコウキスゲ。


ヤナギラン。


クガイソウ。


バアソブ。


八島ヶ原湿原から移動し、今度は車山高原へ。


タカネマツムシソウ。


ウスユキソウ。


標高1925mの車山山頂付近には、ニッコウキスゲの大群落が広がる。
果てしなく、どこまでも……


この辺りのドライブルートは「ビーナスライン」と呼ばれているとか。
まさに花を敷き詰めた「女神の通い道」。
素敵な花空間と、穏やかな時間を堪能することができた。


帰路、白樺湖にも立ち寄った。
湖畔に佇み、夢のような5日間を振り返る。
これほど眩しい夏を体験したのは久しぶりだった。
梅雨が終わる気配を見せ、夏本番はこれからだという時期なのに、私は「逝く夏」を感じていた。


今回の旅で、私は2000枚近くの写真を撮った。
ブログで紹介できたのは、撮った総数の10分の1にも満たない。
多分、私の感動も、10分の1も表現できていないと思う。
やはり、感動は、実際に行った者にしか解らない部分があるし、それはそれで仕方のないことであろう。
このブログのレポを見て、少しでも感動を分かち合ってもらえたら……これ以上の歓びはない。
5回に渡るレポを読んで頂き、ありがとうございました。
さあ、次は、あなたの番です!

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