一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

井原山 ……ひとりの山、ひとりの渓、ひとりの径……

2013年02月17日 | 背振山系
誰しも、ひとりになりたいと思うときがあるだろう。
ひとりになるのに、山は最適の場所ではないかと思う。
ただし、山選びを間違えさえしなければ……という条件つきだが。

久しぶりに山歩きをしたいと思った。
霧氷やマンサクで有名な山を避ければ、
ひとりの山を存分に楽しめるに違いない。

3月になれば賑やかになってくる井原山も、
2月中旬のこの時期ならば、まだ静かなのではないか……
そう考えて、新村登山口へ向かった。

ここまでは雪はまったくなかった。


少しずつ雪が現れ始めた。


新村ルートは、相変わらず荒れたままだ。
だが歩けないことはない。


雪が次第に多くなってくる。


人間の足跡はないが、動物たちの足跡がいっぱい。


ここをのぼり上がると……


三瀬峠からの登山道に出合う。
横切って、水無の方へ下って行く。


この辺りは、けっこうな積雪だ。


野うさぎの足跡を見つける。嬉しい。


滑らないように気をつけて渓を下って行く。


静かだ。


美しい渓を、ゆっくりゆっくり歩いて行く。


ひとりの渓。


沢の音が耳朶に心地よい。


水無ルートに出合う。


水無溪谷を存分に味わいたいので、
いったん駐車場まで下ってから登り始める。


少しは春の気配を期待したのだが、


渓はまだ冬のまま。




小さな滝の傍では、氷の芸術がみられた。




ひとりの径。


オオキツネノカミソリは、雪の中。


美しい裸木の林の中を軽快に歩いて行く。


急登の始まり。


滑らないように気をつけて急坂を登って行く。


急坂を登り終えると、御褒美のような美しい径が待っている。


雪の感触を楽しみながら歩いて行く。


三瀬峠からの登山道に再び出合う。


ひとりの山。


井原山山頂に到着。
意外に雪は少なかった。


静かな山頂で、風景を楽しみながらランチタイム。


三瀬峠ルートで下山開始。


美しい径が続く。




こんな径を歩けるという喜び。
これ以上の贅沢はない。


樹木のトンネルを抜けると、


再び、新村分岐に出合う。
ここから右折。


登山口に戻ってきた。
山里にはまったく雪はなく、


少しだけ春の気配が感じられた。


今日は4時間20分ほどの山歩きだった。
ひとりの山、ひとりの渓、ひとりの径を、存分に楽しむことができた。
感謝。

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