一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

私自身のための第1回「一日の王」紅白歌合戦 ……対戦14組目「駅」対決……

2024年12月22日 | 私自身のための「一日の王」紅白歌合戦


私自身のための第1回「一日の王」紅白歌合戦の、
対戦14組目は、「駅」対決。(これまでの対戦はコチラから)

紅組は、竹内まりや「駅」。


白組は、スキマスイッチ「奏」。



「駅」は、竹内まりやが作詞・作曲を手掛け、
元々は、中森明菜へ提供した楽曲で、
1986年発売の中森明菜のアルバム『CRIMSON』に収録された。
なので、アルバムの中の一曲であったのだ。




この中森明菜のアルバムの中でも「駅」は好評を得た曲であったが、
翌1987年に、竹内まりやがセルフカバーして(16枚目の)シングル曲としても発売し、
これによって一般的に広く知られるようになった。

竹内まりやは自身のベスト・アルバム『Expressions』のライナーノーツの中で、
「'86年に中森明菜さんのアルバム用の依頼が来た時、 テーブルに彼女の写真を並べて、情景イメージが出て来るまでずっと見つめていました。せつない恋物語が似合う人だと結論を得た私が、めずらしくマイナーコードで一気に書き上げたこの曲を、のちに自分も歌い、今のようにスタンダードな存在になっていくと夢にも思いませんでした。明菜ちゃんからの依頼がなければ書けなかった歌です」
と作詞・作曲の経緯について述べている。
ただし、竹内まりやの配偶者・山下達郎は『CRIMSON』を聴き、
中森明菜の楽曲の解釈に対して憤りを覚え、
それをきっかけに、山下が自身の手でアレンジしたいと思い、
「駅」のセルフカバーをしてみたらどうかと竹内に勧めたという経緯があるのだが、
その事に関してはここで詳しくは触れない。
中森明菜の歌唱が良いとする人もいれば、
竹内まりやの歌唱が良いとする人もいるが、
私は後者で、「駅」といえば、やはり竹内まりやである。
「駅」がリリースされた1987年(昭和62年)は、私はすでに九州にいたが、
この曲を聴くと、なぜか東京時代のあれこれを懐かしく思い出し、
胸がキュンとなるのである。



対する白組の曲を何にするか、かなり迷った。
タイトルに「駅」が付く曲や、駅が舞台となっている曲は多いのだが、
竹内まりやの「駅」の切なさに対抗できる曲はなかなか見つからなかった。
そこで思いついたが、スキマスイッチの「奏」だった。


2004年3月10日に発売したスキマスイッチの2枚目のシングル曲で、
20年前の曲なので、(私にとっては)とても新しい曲であったのだが、
好きな曲なので、この曲に決めた。
一見、「駅」とは無関係の曲のようだが、
歌詞の冒頭に、

改札の前つなぐ手と手

とあり、「駅」が舞台なのである。
この「奏」は、
最高位22位ながらオリコンチャートに38週ランクインし、
BillboardJAPAN hot 100 には167週ランクインを記録するロングヒットとなった。
この曲で『第58回NHK紅白歌合戦』に3度目の出場を果たしている。



※竹内まりや「駅」(1987年11月発売)


※スキマスイッチ「奏」(2004年3月発売)

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