水曜日の夜から佐世保の実家に泊まりに行き、木曜日の正午近くにわが家に帰ってきた。
今日の天気予報は「曇りのち雨」。
午後から雨が降るようだ。
疲れてはいたが、ザックにレインウェアを入れ、車で家を出る。
そして、近くの里山に車を走らせる。
雨が降らないなら降らない方が良い。
だが、降ったら降ったで、それもまた良い。
雨が降ったら、雨を楽しめばイイのだ。
数年前の秋、近くの里山に登った時、ある人から、
「春になると、この山にもヒトリシズカが咲くんですよ」
と教えて頂いた。
今日はどこに登ろうかと考えた時、それをふと思い出した。
〈ヒトリシズカに逢いたい……〉
登山口に車を駐め、準備を整え、静かに歩き出す。
平日の、午後から雨が降るという曇り空の日には、やはり登山口にも登山道にも人影はなかった。
……たったひとりの山。
歩き出してすぐにシャガに出逢った。
ありふれた花ではあるが、山でこの花に出逢うと、なぜか嬉しい。
これほど美しい花も珍しい。
シャガは、中国原産。
かなり古くに日本に入ってきたものが野生化したと考えられている。
園芸種のように華やか……だが、白が基調なので、清潔感が漂っていて、清々しい感じがする。
ヒメオドリコソウがたくさん咲いていた。
こんなに……
白いスミレを見かけた。
ニョイスミレだった。
林の木々には新緑が目立ってきた。
新緑の中を、ひとり歩くのは本当に気持ちが良い。
ミツバツツジを見つけた。
〈この山にもミツバツツジが咲くのか……〉
なんだか嬉しかった。
山頂近くになると、ジロボウエンゴサクが咲いていた。
ヤマルリソウもひっそり咲いていた。
そして見つけました。
ヒトリシズカ。
学名はChloranthus japonicus。
別名・吉野御前(よしのごぜん)、眉掃草(まゆはきそう)。
源義経を偲びつつ頼朝の前で舞を舞った静御前。
……そのひとり美しく舞う姿にたとえてつけられた名だという。
なんとロマンチック!
ひとりでいたためしがないヒトリシズカ……
とはよく言われるが、ヒトリシズカの根茎は短く横に這い、ここから多数の茎が直立する。
だから1本だけぽつんと咲いているということはほとんどないのだとか。
ヒトリシズカの花言葉は、
「静謐」「隠された美」。
言い得て妙。
これほどピッタリの花言葉はないように思う。
花穂ひとつ一人静の名に白し (渡辺水巴)
きみが名が一人静といひにけり (室生犀星)
一人静むらがりてなお淋しけれ (後藤比奈夫)
登山口に戻って来るまで、雨は降らなかった。
山頂を見上げると、すっぽりと雲に覆われていた。
……ヒトリシズカは今頃雨に濡れているかもしれない。
今日の天気予報は「曇りのち雨」。
午後から雨が降るようだ。
疲れてはいたが、ザックにレインウェアを入れ、車で家を出る。
そして、近くの里山に車を走らせる。
雨が降らないなら降らない方が良い。
だが、降ったら降ったで、それもまた良い。
雨が降ったら、雨を楽しめばイイのだ。
数年前の秋、近くの里山に登った時、ある人から、
「春になると、この山にもヒトリシズカが咲くんですよ」
と教えて頂いた。
今日はどこに登ろうかと考えた時、それをふと思い出した。
〈ヒトリシズカに逢いたい……〉
登山口に車を駐め、準備を整え、静かに歩き出す。
平日の、午後から雨が降るという曇り空の日には、やはり登山口にも登山道にも人影はなかった。
……たったひとりの山。
歩き出してすぐにシャガに出逢った。
ありふれた花ではあるが、山でこの花に出逢うと、なぜか嬉しい。
これほど美しい花も珍しい。
シャガは、中国原産。
かなり古くに日本に入ってきたものが野生化したと考えられている。
園芸種のように華やか……だが、白が基調なので、清潔感が漂っていて、清々しい感じがする。
ヒメオドリコソウがたくさん咲いていた。
こんなに……
白いスミレを見かけた。
ニョイスミレだった。
林の木々には新緑が目立ってきた。
新緑の中を、ひとり歩くのは本当に気持ちが良い。
ミツバツツジを見つけた。
〈この山にもミツバツツジが咲くのか……〉
なんだか嬉しかった。
山頂近くになると、ジロボウエンゴサクが咲いていた。
ヤマルリソウもひっそり咲いていた。
そして見つけました。
ヒトリシズカ。
学名はChloranthus japonicus。
別名・吉野御前(よしのごぜん)、眉掃草(まゆはきそう)。
源義経を偲びつつ頼朝の前で舞を舞った静御前。
……そのひとり美しく舞う姿にたとえてつけられた名だという。
なんとロマンチック!
ひとりでいたためしがないヒトリシズカ……
とはよく言われるが、ヒトリシズカの根茎は短く横に這い、ここから多数の茎が直立する。
だから1本だけぽつんと咲いているということはほとんどないのだとか。
ヒトリシズカの花言葉は、
「静謐」「隠された美」。
言い得て妙。
これほどピッタリの花言葉はないように思う。
花穂ひとつ一人静の名に白し (渡辺水巴)
きみが名が一人静といひにけり (室生犀星)
一人静むらがりてなお淋しけれ (後藤比奈夫)
登山口に戻って来るまで、雨は降らなかった。
山頂を見上げると、すっぽりと雲に覆われていた。
……ヒトリシズカは今頃雨に濡れているかもしれない。
>山頂を見上げると、すっぽりと雲に覆われていた。
……ヒトリシズカは今頃雨に濡れているかもしれない。
タクさん余韻があって惹き付けられそうなヒトリシズカ
タクさんの文章にかかるとヒトリシズカへの想いが大きく膨らみます、文章のマジシャン
昨日雨の予報でしたので今日、登吾留山へ登ってまいります。
舞の名手静御前の姿を花の名前につけるなんて、私も大好きな花です。だけど、タクさん「源義経を偲びつつ頼朝の前で舞を舞った静御前」は男の人の発想だよ、もし私が静御前なら…源義経がこよなく愛した静御前といえど、義経をとりまくほかの女の人に気が気じゃなかったと…(*^-^*)ゞ
ふふふ、花一つでこんなことを思うんだから、私が花を好きなわけがわかるでしょ…
佐賀もヒメオドリコソウ立派に群生してるんですね、なんだかいっせいに見つめられてるようで…長崎市内はまだあまり見かけません。
シャガの花はまるで万華鏡をのぞいてるみたい…きれいです~
先週のやせ尾根渡りからやっと立ち直ったpandaでした。
小鳥の声や、ひんやりとした空気が、
伝わってきます
あなたが「ヒトリシズカ」なのですね。
姿を初めてみました。
清楚な白に線香花火のような容姿、
名前通りですね~
静御前は、どんな舞いをしてたのでしょうね
しかしタクさんは、たくさんの花を知っていますね。
山の花の、王様みたいです
>>一人静むらがりてなお淋しけれ (後藤比奈夫)
>>山頂を見上げると、すっぽりと雲に覆われていた。
>>……ヒトリシズカは今頃雨に濡れているかもしれない。
>タクさん余韻があって惹き付けられそうなヒトリシズカ
ヒトリシズカは、実に文学的ですね~
見た目は、花言葉の「静謐」「隠された美」そのもの。
名前の「ヒトリシズカ」も素敵です。
ヒトリシズカを見ていると、何か書かずにはいられないような……そんな気分にさせられます。
多くの文人がヒトリシズカを題材にして作品を創ったのも肯けますね。
>タクさんの文章にかかるとヒトリシズカへの想いが大きく膨らみます、文章のマジシャン
「言葉の魔術師」
或いは、
「言葉の錬金術師」
と呼んで下さい。
「言葉のイカサマ師」
或いは、
「言葉の詐欺師」
ではないですよ。
念のため……
>昨日雨の予報でしたので今日、登吾留山へ登ってまいります。
あの山に行かれたのですね。
あの花に逢えましたでしょうか?
>タクさんのヒトリシズカ、きれいですね、とても楽しそうに咲いてます。
光沢のある緑の葉と、真っ白な花穂の組み合わせが絶妙ですね
とても美しいと思います。
>舞の名手静御前の姿を花の名前につけるなんて、私も大好きな花です。だけど、タクさん「源義経を偲びつつ頼朝の前で舞を舞った静御前」は男の人の発想だよ、もし私が静御前なら…源義経がこよなく愛した静御前といえど、義経をとりまくほかの女の人に気が気じゃなかったと…(*^-^*)ゞ
なるほど~
ちょっと男の視点で理想的に書き過ぎましたかね~
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、
《頼朝に鶴岡八幡宮社前で白拍子の舞を命じられた静は、
「しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな」
「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき」
と義経を慕う歌を唄い、頼朝を激怒させた》
とありますが、これも後の世の人の作り話かもしれませんね。
一説によると、義経は、背が低い醜男だったとも……
>ふふふ、花一つでこんなことを思うんだから、私が花を好きなわけがわかるでしょ…
花一つでいろんなことを考え、想像し、楽しんでおられるpandaさんは、実に魅力的ですよ
花も実に文学的ですね~
>佐賀もヒメオドリコソウ立派に群生してるんですね、なんだかいっせいに見つめられてるようで…長崎市内はまだあまり見かけません。
佐賀県は比較的よく目にしますね~
先日行った「工房わらべ」のお庭にも咲いていました。
オドリコソウもヒメオドリコソウも、群生しているのをよく見かけますね。
>シャガの花はまるで万華鏡をのぞいてるみたい…きれいです~
シャガも私の好きな花です。
万華鏡……素晴らしい比喩ですね~
>先週のやせ尾根渡りからやっと立ち直ったpandaでした。
肉まんさんは、もう二度と行きたくないと仰ってましたね~
立ち直ったpandaさんは、再挑戦?
>新緑がきれいですね~
>小鳥の声や、ひんやりとした空気が、伝わってきます
裸木の多かった林に、黄緑色の葉が目立つようになってきました。
新緑の林の中を歩くのは、本当に気持ちがイイですよ。
鳥さんも歓びの歌を歌っているのでしょうね
>あなたが「ヒトリシズカ」なのですね。
>姿を初めてみました。
>清楚な白に線香花火のような容姿、
>名前通りですね~
>静御前は、どんな舞いをしてたのでしょうね
写真で見ると大きく見えるかもしれませんが、けっこう小さいです。
だから、余計に可愛く見えますね。
静御前の舞については、『吾妻鏡』では、静の舞の場面を
「誠にこれ社壇の壮観、梁塵ほとんど動くべし、上下みな興感を催す」
と絶賛していますね。
きっと素晴らしい舞だったのでしょうね。
>しかしタクさんは、たくさんの花を知っていますね。
>山の花の、王様みたいです
いえいえ、とりあえずデジカメで撮って、帰宅してから必死で調べているのです。
花の知識は無いに等しいです。
お恥ずかしい~
午後からでも出かけられる近くの里山、はて?どこでしょうね?
私も、ヒトリシズカに逢いたい……
それにしても、
この里山にはたくさんのお花が咲いているんですね。
ヒメオドリコソウの大群落には圧倒されますね。
マラソンのスタート地点みたいにうじゃうじゃ、
今にも、こちらへ向かって走ってくるようです。(笑)
シャガは、つい最近まで園芸種だと思っていました。(^^;)
PS:
GENさんの招き猫ポーズに大受け~♪(笑)
>ひとり静かに山を歩き、ひとり静かに出会い、ひとり静かに何を想われたのでしょうか?
一人歩きの時は、自分と対話していることが多いですね。
頭の中はけっこう賑やかですよ
>午後からでも出かけられる近くの里山、はて?どこでしょうね?
>私も、ヒトリシズカに逢いたい……
こっそりメールにてお教えしますね。
>それにしても、
>この里山にはたくさんのお花が咲いているんですね。
実は、お目当ての花がもうひとつあったのですが、そちらはまだ咲いていませんでした。
この里山も宝の山ですよ。
>ヒメオドリコソウの大群落には圧倒されますね。
>マラソンのスタート地点みたいにうじゃうじゃ、
>今にも、こちらへ向かって走ってくるようです。(笑)
「工房わらべ」に行った時、敷地内に少しだけ咲いているを見た時は「可愛い」と思ったのですが、これほどの群生を見ると圧倒されますね。
オドリコソウの仲間は群れる傾向にありますね。
>シャガは、つい最近まで園芸種だと思っていました。(^^;)
かなり昔に中国から人為的に持ち込まれたもののようです。
最初は観賞用として育てられていたのかもしれませんが、今では野草と化してますね。
山野草の図鑑に載っているので私も野草として扱っていますが、園芸種と言ってもおかしくはないと思います。
>PS:
>GENさんの招き猫ポーズに大受け~♪(笑)
GENさんのサービス精神でしょうか?
それとも「招き猫」のお仲間になる要素がもともとおありになったのか……
bambooさんもポーズを決めておられましたよ。
http://blog.goo.ne.jp/33bamboo/e/f1d29e0dcf5d343a4e7cb4d4d82c5afd
「招き猫」大人気です
写メールを奥多摩でタクさん宛で送りましたが電波が届かず×でした。
猫に詳しい友人のブログにたまたま招き猫の詳しい説明が載っていました。
>右招き猫 - 右手を上げている招き猫は、お金や福を招く
左招き猫 - 左手を上げている招き猫は、お客様や人を招く
だそうです。
もう最近やっていなかったら時すでに遅しでしたね。
自分の送ったコメントを読み返していたら、まだ招き猫ポーズは健在なのですね。良かった、良かった!
それとpole-poleの先輩で友人でもある男性がリタイアー後、佐賀に土地を購入し家を造ろうと(彼の目的は水道、電気を自分の手で引き込む工事も一から始めたいのです)来週、奥さんと泊りがけで脊振り麓あたりを見て歩くとのこと・・・。顔の広いタクさん、何か情報をお持ちでしたら教えて下さいませんか?
彼は山登りはしません。来年退職予定で、本気で工事や建設の勉強を一年前から始めていて、自宅も売る計画ですので、よろしく!
ピザの美味しいお店の名前を思い出せずに困っています。お昼ご飯をそちらで食べてもらいたいので*^_^*)。