一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

霧氷きらめく天山 ……きみは天山でこれほどの霧氷を見たことがあるだろうか……

2016年02月03日 | 天山・彦岳
今日の休みは、天山で御来光登山をしようと思っていた。
だが、天気予報によると、
午前中は「曇り」で、午後から「晴れ」とのこと。
〈御来光は無理だな〉
と思い、御来光登山は諦め、
少し寝坊をして、7時頃起床した。
窓から外を見ると、なんと青空が見える。
朝から晴れているではないか……
〈しまった!〉
と思い、急いで身支度をして、家を出た。
御来光には間に合わないが、
晴れた早朝の山頂に立ちたいと思ったのだ。

天川登山口に着くと、
天山の上部が白く見えた。
積雪の白ではなく、
なんだか霧氷のように見えた。
〈まさか!〉
とは思ったが、
急いで準備をして、登山口から登り始めた。


いつもはゆっくり登るのに、
今日は急ぎ足で登る。
霧氷を見ることができるかもしれないからだ。


木々にうっすらと霧氷が付いている。


登るにしたがって、霧氷の幅が広くなってくる。
松の木にも霧氷が付いている。


そこからもうしばらく登ると、視界がぱっと開け、
霧氷で白くなった北側斜面が目に飛び込んできた。
「うわ~」と思わず声が出る。


さらに急いで登る。


朝陽に輝く霧氷。


青空に映える。


振り返ると、
霧氷との境目がはっきり見える。


ワクワクしながら登って行く。


天山で霧氷は何度も見ているが、
この北側斜面に霧氷が付くことは珍しい。
今日は本当にラッキーだ。


もうすぐ山頂。


天山山頂に到着。
当然のことながら、誰もいない。
(下山するまで誰にも会わなかった。この霧氷を独り占めしてしまったのだ)


石碑にも、小さなエビの尻尾ができている。


カワイイ~




美しい~


さあ、稜線散歩だ。
枯草にも霧氷ができている。




さすがに山頂部の霧氷は立派だ。




いいね~


松の木の霧氷。


芸術作品のよう。




これは、くじゅうなどでよく見る、


白サンゴのような霧氷。


霧氷は、
くじゅうや雲仙に行けば比較的簡単に見ることができるが、
標高の低い天山では、様々な条件が整わないと見ることができない。
そういう意味では、
天山の霧氷は、くじゅうや雲仙などの霧氷よりも何倍もの価値があると思う。
実際、私も、天山で霧氷を見る方が何倍も嬉しい。
(あくまでも個人的感想です


天山で霧氷を見ながらの稜線歩きは、
誰もができることではないのだ。


楽しくて仕方がない。




こんな風景を独り占めしていいものだろうか……


霧氷越しに多良山系を眺める。


やはり霧氷は、


バックに青空があるといいね~


ここから霧氷の林に分け入ってみる。


すると、このような美しい場所に出た。


小動物の足跡がたくさん。






ここにずっと居たい感じ。




本日の「天山壁」。


いつもより、さらに、いいね~


素晴らしい霧氷を見ながら、山頂へ戻って行く。






山頂に戻ってきても、誰もいなかった。


大きなエビの尻尾を見っけ。


再び、北側斜面の霧氷を楽しみながら下って行く。


天山ではないみたい。




「きみは天山でこれほどの霧氷を見たことがあるだろうか……」
な~んてね。




北側斜面には、大きな木もあるので、より美しい。




作礼山の方には、霧氷はまったく見られない。


何度も振り返りながら下って行く。


足もとを見ると、カワイイ足跡が……


「きみは一体だれなんだい?」


水たまりにできた氷が、美しい模様を創っていた。




登山口が近くなると、
霧氷もうすくなってきた。




そして、とうとう、霧氷は消えた。


登山口駐車場から天山を見上げると、
まだ上部が白く見えた。


あの霧氷も、2~3時間後には、すっかり消えてしまうことだろう。
もしかしたら、今日、私は、天山に、呼ばれたのかもしれない。
あの美しい霧氷を“記録する者”として……


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