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本作は、
福岡・博多を拠点に活動するアイドルグループHKT48のドキュメンタリー映画で、
指原莉乃初監督作品。
指原莉乃は、AKBグループの中では、最も可能性を感じさせるアイドルだったし、
私としては、いわゆる「指原莉乃推し」だったので、(コラコラ)
彼女が監督した作品なら見たいと思ったのだ。
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とは言っても、
私が知っているHKT48のメンバーは、
指原莉乃の他、兒玉遥、田島芽瑠、宮脇咲良くらい。
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HKT48を語る資格はほとんどないのだが、
HKT48の4年間のドキュメンタリーなので、
HKT48を知る意味でも、見ておきたいと思ったのだった。
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で、見た感想はというと、
これが、想像以上に面白かったし、
なかなかの作品に仕上がっていて驚いた。
普通のドキュメンタリー作品は、
撮られる側とは関係のない第三者が客観的に撮影する場合が多いが、
本作『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48』は、
それらの作品と明らかに違っていた。
それは、とりもなおさず、
監督である指原莉乃自身がHKT48の中心メンバーであり、
撮られる側の人間でもあったということだ。
本作を見る前は、
〈過去の映像を編集しただけではないのか……〉
と思っていたのだが、
指原莉乃がカメラ片手にメンバーやスタッフにインタビューしたり、
その前段階の交渉をしているシーンや、
ここを使うべきか使わざるべきかを悩みながら編集をしているシーンなど、
あらゆるシーンの映像が混在しており、
主観性や客観性が入り交じり、
これまであまり見たことのないドキュメンタリー作品に仕上がっている。
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作品の冒頭、
指原莉乃と上野遥が会話しているシーンがある。
(映画では登場するメンバーそれぞれが誰であるか名前が字幕で知らされる)
私は上野遥というメンバーを知らなかったし、
選抜メンバーでもない上野遥がなぜ最初に登場するのかも解らなかった。
主要メンバーのインタビューなどの合間に、
この上野遥との会話が挿入される。
上野遥というメンバーが、
普段、どういうことをしているのかも映像として流される。
そして、終盤、なぜ上野遥が度々登場していたのかが見る者に知らされる。
これが見事な構成であり、
〈指原莉乃、畏るべし〉
と思わせる。
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某インタビューで、
初めて映画監督を務めた感想を尋ねられた指原莉乃は、次のように語っている。
内容を固めて秋元(康)さんに見せに行ったときに、「全部ダメだ」と言われてしまって。いちから(やり直し)になってしまったときは本当に嫌で、今からでもやめるって言おうかと思ったんです。
秋元さんに「マイケル・ムーア監督の作品を観ろ」と言われて観たら、やっとわかって。たぶん私が考えたもののままだったら面白くなかったと思うので、秋元さんはすごいなと思った。
そう言いつつも、指原莉乃監督は、秋元康さえ被写体にする。
HKT48の選抜メンバーを決める選抜会議にまでカメラを入れ、
選考過程まで撮っているのだ。
その交渉をするのがすごく大変でした。秋元さんたちにとっても、「見せていいのか?」という空間だったと思うので。
と語っているが、さすがだと思う。
最も驚いたのは、
指原莉乃自身が、スキャンダルによって、
HKT48へ移籍するように秋元康から言い渡される場面まで映画に取り込んでいることだ。
スキャンダルとは、
2012年、『週刊文春』(2012年6月21日号)によって、
過去に元ファンの男性と交際していたと報じられたこと。
事実でないことも記載されていると語ったが、
その男性が友人であったことは認め、
ファンや関係者に向けて謝罪した。
だが、プロデューサーの秋元康から、
HKT48に移籍するように命じられたのだ。
左遷とも思えるような移籍命令であったし、
指原莉乃はこれからどうなるのだろう……と心配したのだが、
まったくの杞憂であった。
指原莉乃は、ここから怒涛の反撃(?)に出る。
移籍前よりも、もっとビッグになっていくのだ。
2013年には、HKT48劇場支配人を兼任することになり、
同年5月から6月にかけて実施された『AKB48 32ndシングル選抜総選挙』では、
当時の最高獲得票数 150,570票で1位を獲得し、
初のセンターポジションに就くこととなる。
2014年の『AKB48 37thシングル選抜総選挙』では2位だったが、
2015年の『AKB48 41stシングル選抜総選挙』では、
最高獲得票数 194,049票を獲得し、再び1位に返り咲いた。
この快進撃は、想像することさえできなかった。
さすが九州の女だと感心したことであった。
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『逆転力』(講談社AKB新書)という本も著している。(笑)
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HKT48劇場支配人を命じられたときも、
「どうせ名前だけだろう」
と思っていたが、
映画を見たら、ゼンゼン違っていた。
男性の支配人よりもアクティブに活躍していたのだ。
このドキュメンタリー映画を見て感じられるのは、
指原莉乃という存在なくして、
今のHKT48はなかったということだ。
それほどの存在感、それほどの実力を見せつけられる。
メンバーからの信頼も厚く、
決して自己中心的ではないことも分かる。
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そして、
「自分はいつまでもここに(HKT48に)いるわけではないので、あなたがリーダーシップをとって皆を引っ張っていってもらわなくては……」
と兒玉遥に言っているシーンも撮られており、
いつまでもHKT48に居座るつもりではないことも宣言している。
自分がいなくなった後のこともちゃんと考えて行動しているのだ。
「指原莉乃はスゴイ!」
と私が思う所以である。
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アイドルを撮った単なるドキュメンタリー映画と思いきや、
ハラハラさせられたり、
ドキドキさせられたり、
驚かされたり、
泣かされたり、
見る者もその場にいるような臨場感と緊迫感を味わうことができる、
これまであまり遭遇したことのない、
ドキュメンタリー映画の秀作であった。
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オリジナリティを喪失した今の映画にはないドラマ性と、
まるでサスペンス映画を見ているような面白さを兼ね備えた、
指原莉乃初監督作品『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48』は、
見て損のない映画である。
上映館は多くはないが、
機会がありましたら、ぜひぜひ。
福岡・博多を拠点に活動するアイドルグループHKT48のドキュメンタリー映画で、
指原莉乃初監督作品。
指原莉乃は、AKBグループの中では、最も可能性を感じさせるアイドルだったし、
私としては、いわゆる「指原莉乃推し」だったので、(コラコラ)
彼女が監督した作品なら見たいと思ったのだ。
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とは言っても、
私が知っているHKT48のメンバーは、
指原莉乃の他、兒玉遥、田島芽瑠、宮脇咲良くらい。
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HKT48を語る資格はほとんどないのだが、
HKT48の4年間のドキュメンタリーなので、
HKT48を知る意味でも、見ておきたいと思ったのだった。
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で、見た感想はというと、
これが、想像以上に面白かったし、
なかなかの作品に仕上がっていて驚いた。
普通のドキュメンタリー作品は、
撮られる側とは関係のない第三者が客観的に撮影する場合が多いが、
本作『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48』は、
それらの作品と明らかに違っていた。
それは、とりもなおさず、
監督である指原莉乃自身がHKT48の中心メンバーであり、
撮られる側の人間でもあったということだ。
本作を見る前は、
〈過去の映像を編集しただけではないのか……〉
と思っていたのだが、
指原莉乃がカメラ片手にメンバーやスタッフにインタビューしたり、
その前段階の交渉をしているシーンや、
ここを使うべきか使わざるべきかを悩みながら編集をしているシーンなど、
あらゆるシーンの映像が混在しており、
主観性や客観性が入り交じり、
これまであまり見たことのないドキュメンタリー作品に仕上がっている。
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作品の冒頭、
指原莉乃と上野遥が会話しているシーンがある。
(映画では登場するメンバーそれぞれが誰であるか名前が字幕で知らされる)
私は上野遥というメンバーを知らなかったし、
選抜メンバーでもない上野遥がなぜ最初に登場するのかも解らなかった。
主要メンバーのインタビューなどの合間に、
この上野遥との会話が挿入される。
上野遥というメンバーが、
普段、どういうことをしているのかも映像として流される。
そして、終盤、なぜ上野遥が度々登場していたのかが見る者に知らされる。
これが見事な構成であり、
〈指原莉乃、畏るべし〉
と思わせる。
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某インタビューで、
初めて映画監督を務めた感想を尋ねられた指原莉乃は、次のように語っている。
内容を固めて秋元(康)さんに見せに行ったときに、「全部ダメだ」と言われてしまって。いちから(やり直し)になってしまったときは本当に嫌で、今からでもやめるって言おうかと思ったんです。
秋元さんに「マイケル・ムーア監督の作品を観ろ」と言われて観たら、やっとわかって。たぶん私が考えたもののままだったら面白くなかったと思うので、秋元さんはすごいなと思った。
そう言いつつも、指原莉乃監督は、秋元康さえ被写体にする。
HKT48の選抜メンバーを決める選抜会議にまでカメラを入れ、
選考過程まで撮っているのだ。
その交渉をするのがすごく大変でした。秋元さんたちにとっても、「見せていいのか?」という空間だったと思うので。
と語っているが、さすがだと思う。
最も驚いたのは、
指原莉乃自身が、スキャンダルによって、
HKT48へ移籍するように秋元康から言い渡される場面まで映画に取り込んでいることだ。
スキャンダルとは、
2012年、『週刊文春』(2012年6月21日号)によって、
過去に元ファンの男性と交際していたと報じられたこと。
事実でないことも記載されていると語ったが、
その男性が友人であったことは認め、
ファンや関係者に向けて謝罪した。
だが、プロデューサーの秋元康から、
HKT48に移籍するように命じられたのだ。
左遷とも思えるような移籍命令であったし、
指原莉乃はこれからどうなるのだろう……と心配したのだが、
まったくの杞憂であった。
指原莉乃は、ここから怒涛の反撃(?)に出る。
移籍前よりも、もっとビッグになっていくのだ。
2013年には、HKT48劇場支配人を兼任することになり、
同年5月から6月にかけて実施された『AKB48 32ndシングル選抜総選挙』では、
当時の最高獲得票数 150,570票で1位を獲得し、
初のセンターポジションに就くこととなる。
2014年の『AKB48 37thシングル選抜総選挙』では2位だったが、
2015年の『AKB48 41stシングル選抜総選挙』では、
最高獲得票数 194,049票を獲得し、再び1位に返り咲いた。
この快進撃は、想像することさえできなかった。
さすが九州の女だと感心したことであった。
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『逆転力』(講談社AKB新書)という本も著している。(笑)
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HKT48劇場支配人を命じられたときも、
「どうせ名前だけだろう」
と思っていたが、
映画を見たら、ゼンゼン違っていた。
男性の支配人よりもアクティブに活躍していたのだ。
このドキュメンタリー映画を見て感じられるのは、
指原莉乃という存在なくして、
今のHKT48はなかったということだ。
それほどの存在感、それほどの実力を見せつけられる。
メンバーからの信頼も厚く、
決して自己中心的ではないことも分かる。
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そして、
「自分はいつまでもここに(HKT48に)いるわけではないので、あなたがリーダーシップをとって皆を引っ張っていってもらわなくては……」
と兒玉遥に言っているシーンも撮られており、
いつまでもHKT48に居座るつもりではないことも宣言している。
自分がいなくなった後のこともちゃんと考えて行動しているのだ。
「指原莉乃はスゴイ!」
と私が思う所以である。
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アイドルを撮った単なるドキュメンタリー映画と思いきや、
ハラハラさせられたり、
ドキドキさせられたり、
驚かされたり、
泣かされたり、
見る者もその場にいるような臨場感と緊迫感を味わうことができる、
これまであまり遭遇したことのない、
ドキュメンタリー映画の秀作であった。
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オリジナリティを喪失した今の映画にはないドラマ性と、
まるでサスペンス映画を見ているような面白さを兼ね備えた、
指原莉乃初監督作品『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48』は、
見て損のない映画である。
上映館は多くはないが、
機会がありましたら、ぜひぜひ。