仕事が休みの日は、
ひとつのことをするだけでは勿体ない。
登山もしたいし、
映画も見たいし、
美味しいものも食べたい。
最近は、一日二毛作、三毛作も珍しいことではなくなってきた。
例えば、2月7日(日)は、
午前中に映画を見て、
正午過ぎにブランジェリ・パナセ(鳥栖市)でパン・ド・ロデヴを買い、
午後は登吾留山で探索登山をしていた。
パン・ド・ロデヴを買いに行った話はすでにブログに書いたので、
今日は、
2月7日(日)の午前中にシアター・シエマで見た映画のレビューを書こうと思う。
見た映画は、『ベル&セバスチャン』。
日本では『名犬ジョリィ』のタイトルでテレビアニメ化されたセシル・オーブリー原作の児童文学『アルプスの村の犬と少年』を実写映画化したもの。
テレビアニメも観ていないし、
『アルプスの村の犬と少年』も読んだことがなかったので、
どんな物語なのか知らなかった。
〈アルプスを舞台にした少年と犬との物語……〉
くらいの認識しかなく、
〈アルプスが舞台なので少なくとも風景は楽しめるだろう……〉
と思いながら映画を見たのだった。
戦時中、
アルプスの麓の小さな村で暮らす孤児のセバスチャン(フェリックス・ボッスエ)は、
ある日、山の中で一匹の野犬と遭遇する。
それは、人間や家畜を襲う“野獣”と誤解され、村人から命を狙われていた野犬であった。
犬をベルと名付け、懸命に守るセバスチャン。
孤独なもの同士、セバスチャンとベルは心を通わせていく。
やがて戦争の影が色濃くなると、
村にもナチスの捜索の手が伸びるようになる。
そんな中、
彼らはナチスに追われるユダヤ人一家を逃すため、
冬のアルプス越えの道案内を務めることになる。
雪と寒さで命を落としかねないアルプスの自然と、冷酷なナチスに挑むが……
見終えての感想は、
単なるお涙頂戴的な少年と犬の物語ではなく、
映画の素晴らしさがすべて詰まった感動作であった……ということ。
先日、このブログにレビューを書いた『フランス組曲』は、
ドイツの支配下に置かれたフランスの小さな町を舞台にした映画であった。
本作『ベル&セバスチャン』は、『フランス組曲』と構図は同じで、
ドイツの支配下に置かれたアルプスの小さな村を舞台にした映画であった。
暗く影をおとした時代背景が、
単なる少年と犬の物語ではない、
大人の観賞にも堪えうる感動作にせしめている。
少年とお祖父さん、
少年と犬、
村人と犬、
村人とドイツ人、
村の若い女性とドイツ人将校、
小さな村の物語でありながら、
いくつもの物語がちりばめられている。
友情、恋愛、家族愛、人類愛の物語が、
美しいアルプスを背景に展開する。
映画に必要なすべての要素が詰まった素晴らしい映画であった。
監督は、
映画『狩人と犬、最後の旅』も手がけたニコラ・バニエ。
冒険家でもあるニコラ・バニエの映像は、
これまであまり見たことのないアルプスの風景を映し出し、
見る者を感動させる。
主役の少年セバスチャンを演じるのは、
2400人の候補者の中から選ばれたフェリックス・ボッスエ。
無邪気な少年が、次第に逞しさを身に付けていく過程を、
素直な感性で見事に演じ切っている。
少年のお祖父さんを演じるのは、
『そして友よ、静かに死ね』等で知られるチェッキー・カリョ。
頑固ジジイと思いきや、
終盤には意外な一面を見せるお祖父さんを好演していた。
少年と一緒に暮らしている若い女性役は、
『オーロラ』の出演で知られるマルゴ・シャトリエ。
後半は、彼女が陰の主役ではないかと思わせるほど活躍する。
本作のヒロイン的役割の役で、
『フランス組曲』のリュシル(ミシェル・ウィリアムズ)を思い起こさせる。
ベルの愛くるしい姿も必見。
ユダヤ人一家を案内し、
アルプスを越えた向うにある風景には、
誰しも目を奪われるだろう。
私は、その風景を見ただけで、涙が出てきた。
それほど期待して見た映画ではなかったが、
感動で心が満たされ、
映画の醍醐味を存分に味わうことのできた秀作であった。
佐賀では現在公開されているが、
日本では昨年(2015年)9月に公開された作品であるので、
ほとんどが公開終了しており、
現在公開しているのは、
東京 下高井戸シネマ 2/6(土)~2/12(金)
東京 深谷シネマ 2/7(日)~2/20(日)
愛媛 シネマルナティック 1/30(土)~2/12(金)
佐賀 シアター・シエマ 1/30(土)~2/12(金)
の4館のみ。
お近くの方は、ぜひぜひ。
自信をもってオススメします。
ひとつのことをするだけでは勿体ない。
登山もしたいし、
映画も見たいし、
美味しいものも食べたい。
最近は、一日二毛作、三毛作も珍しいことではなくなってきた。
例えば、2月7日(日)は、
午前中に映画を見て、
正午過ぎにブランジェリ・パナセ(鳥栖市)でパン・ド・ロデヴを買い、
午後は登吾留山で探索登山をしていた。
パン・ド・ロデヴを買いに行った話はすでにブログに書いたので、
今日は、
2月7日(日)の午前中にシアター・シエマで見た映画のレビューを書こうと思う。
見た映画は、『ベル&セバスチャン』。
日本では『名犬ジョリィ』のタイトルでテレビアニメ化されたセシル・オーブリー原作の児童文学『アルプスの村の犬と少年』を実写映画化したもの。
テレビアニメも観ていないし、
『アルプスの村の犬と少年』も読んだことがなかったので、
どんな物語なのか知らなかった。
〈アルプスを舞台にした少年と犬との物語……〉
くらいの認識しかなく、
〈アルプスが舞台なので少なくとも風景は楽しめるだろう……〉
と思いながら映画を見たのだった。
戦時中、
アルプスの麓の小さな村で暮らす孤児のセバスチャン(フェリックス・ボッスエ)は、
ある日、山の中で一匹の野犬と遭遇する。
それは、人間や家畜を襲う“野獣”と誤解され、村人から命を狙われていた野犬であった。
犬をベルと名付け、懸命に守るセバスチャン。
孤独なもの同士、セバスチャンとベルは心を通わせていく。
やがて戦争の影が色濃くなると、
村にもナチスの捜索の手が伸びるようになる。
そんな中、
彼らはナチスに追われるユダヤ人一家を逃すため、
冬のアルプス越えの道案内を務めることになる。
雪と寒さで命を落としかねないアルプスの自然と、冷酷なナチスに挑むが……
見終えての感想は、
単なるお涙頂戴的な少年と犬の物語ではなく、
映画の素晴らしさがすべて詰まった感動作であった……ということ。
先日、このブログにレビューを書いた『フランス組曲』は、
ドイツの支配下に置かれたフランスの小さな町を舞台にした映画であった。
本作『ベル&セバスチャン』は、『フランス組曲』と構図は同じで、
ドイツの支配下に置かれたアルプスの小さな村を舞台にした映画であった。
暗く影をおとした時代背景が、
単なる少年と犬の物語ではない、
大人の観賞にも堪えうる感動作にせしめている。
少年とお祖父さん、
少年と犬、
村人と犬、
村人とドイツ人、
村の若い女性とドイツ人将校、
小さな村の物語でありながら、
いくつもの物語がちりばめられている。
友情、恋愛、家族愛、人類愛の物語が、
美しいアルプスを背景に展開する。
映画に必要なすべての要素が詰まった素晴らしい映画であった。
監督は、
映画『狩人と犬、最後の旅』も手がけたニコラ・バニエ。
冒険家でもあるニコラ・バニエの映像は、
これまであまり見たことのないアルプスの風景を映し出し、
見る者を感動させる。
主役の少年セバスチャンを演じるのは、
2400人の候補者の中から選ばれたフェリックス・ボッスエ。
無邪気な少年が、次第に逞しさを身に付けていく過程を、
素直な感性で見事に演じ切っている。
少年のお祖父さんを演じるのは、
『そして友よ、静かに死ね』等で知られるチェッキー・カリョ。
頑固ジジイと思いきや、
終盤には意外な一面を見せるお祖父さんを好演していた。
少年と一緒に暮らしている若い女性役は、
『オーロラ』の出演で知られるマルゴ・シャトリエ。
後半は、彼女が陰の主役ではないかと思わせるほど活躍する。
本作のヒロイン的役割の役で、
『フランス組曲』のリュシル(ミシェル・ウィリアムズ)を思い起こさせる。
ベルの愛くるしい姿も必見。
ユダヤ人一家を案内し、
アルプスを越えた向うにある風景には、
誰しも目を奪われるだろう。
私は、その風景を見ただけで、涙が出てきた。
それほど期待して見た映画ではなかったが、
感動で心が満たされ、
映画の醍醐味を存分に味わうことのできた秀作であった。
佐賀では現在公開されているが、
日本では昨年(2015年)9月に公開された作品であるので、
ほとんどが公開終了しており、
現在公開しているのは、
東京 下高井戸シネマ 2/6(土)~2/12(金)
東京 深谷シネマ 2/7(日)~2/20(日)
愛媛 シネマルナティック 1/30(土)~2/12(金)
佐賀 シアター・シエマ 1/30(土)~2/12(金)
の4館のみ。
お近くの方は、ぜひぜひ。
自信をもってオススメします。