MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『チェ 39歳 別れの手紙』 30点

2009-02-03 23:08:48 | goo映画レビュー

チェ 39歳 別れの手紙

2008年/スペイン=フランス=アメリカ

ネタバレ

学習教材

総合★☆☆☆☆ 30

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 冒頭カストロがチェ・ゲバラの決別の手紙を読んだ時は、『チェ・28歳の革命』と作風が変わるのかと期待したのだが、最後まで単調なままで終わってしまった。
 結局スティーヴン・ソダーバーグ監督はどのような狙いでこの作品を作ろうと思ったのかが分からない。例えばアルゼンチン出身のチェ・ゲバラが何故キューバで、そしてコンゴからボリビアへわざわざ赴いて戦わなければならなかったのだろうか? それを例えるならば鹿児島県出身の人間が熊本県で選挙に出馬するようなものである。熊本県人から見ればなんでわざわざよそ者が立候補するのか訝るのが自然であろう(先日の鹿児島県西之表市長選挙の‘金ピカ先生’は知名度はあっても惨敗している)。チェ・ゲバラも頭が悪いわけではないのだから、何故勝ち目のない戦いを挑んだのか、その観客が最も知りたいことが分からないままである。おすぎ氏の言葉を借りるならば「チェ・ゲバラをTシャツでしか知らない人」がこの作品を観たとしてもTシャツがもたらすかっこいい英雄のイメージ像以上のものが得られないのである。
 別に実在した人物を描いたからといっても、史実に忠実に描く必要はなく、娯楽作品として面白ければ問題はないのだが、残念ながら娯楽作品としても失敗しているように思う。4時間を超える大作でありながら、チェ・ゲバラ以外の登場人物のキャラクターの描写が弱いために感情移入が難しい。なによりも問題なのは監督自身が撮影しているためなのかカメラアングルが甘いところである。ゲリラ戦でありながら全ての戦いが予測可能な戦闘シーンばかりで驚きがない。例えば朝鮮戦争時のアメリカ軍を描いたアンソニー・マン監督作品『最前線』(1957年)と見比べてみれば、そのレベルの違いは一目瞭然であろう。
 はっきり言えばスティーヴン・ソダーバーグ監督はチェ・ゲバラという‘イコン’に負けたのである。監督はチェのイメージをなぞるだけで、映画監督としてそのイメージを突き崩して新たなイメージを描き出すことができなかったため面白くないのである。
 この作品はチェ・ゲバラを知るための学習教材以上のものではないと思う。


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原作は読んでいないけど面白い

2009-02-03 00:13:17 | Weblog

イケルぞ!20世紀少年第2章興収50億円(サンケイスポーツ) - goo ニュース

 原作を読んでいる人はこの第2章はもの足りないようだが、私はとても面白く観た。

特に遠藤カンナ役の平愛梨は素晴しかった。第1章はメインキャラクターの年齢が

高めだったためか、画面に躍動感が感じられなかった。この第2章は若いカンナが

メインになり彼女の動きの敏捷さが画面を生き生きとさせていたと思う。“相方”の

小泉響子役の木南晴夏のボケもキレがあって2人のコンビは絶妙だった。しかし

不思議なのは第1章の興行収入が約40億円なのに、第2章が50億円になる

“見込み”というものである。第1章はDVDで観て第2章を映画館で観る人がいると

いうことだろうが、それで面白いのか私には理解できない。


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