原題:『Las niñas』 英題:『Schoolgirls』
監督:ピラール・パロメロ
脚本:ピラール・パロメロ
撮影:ダニエラ・カヒアス
出演:アンドレア・ファンドス/ナタリア・デ・モリーナ/ソエ・アルナオ/フランチェスカ・ピノン
2020年/スペイン
「正しい」声の出し方について
舞台は1992年のスペインのサラゴザ。主人公のセリアは11歳で修道院に通っている。そこへバルセロナから転校してきたブリサに影響されて、修道女たちから見れば悪いことをセリアは覚えていく。
ある日、友人たちとしていたゲームをきっかけにセリアは自分の母親が娼婦であるという噂が立っていることを知る。確かに、セリアは自分の父親のことを母親から聞かされておらず、父親はセリアが生まれる前に心臓発作で亡くなったと母親から言われても、祖父や祖母にも会わせてもらったことがなく不信感は募るばかりなのである。
学校で観賞する昔の宗教映画は退屈で、うたた寝している教師の隙をついて教室から抜け出すのだが、それがバレて迎えに来た母親に思いっきりビンタされるはめになる。
そんな時に叔母から電話があり、母親と共にセリアは祖父母の家に初めて赴くのだが、既に(享年60歳?)祖父は亡くなっており墓に葬られていた。母親と祖母の間に会話は無く、つまり母親は祖母に認められていないのであり、だから母親もセリアの成長に興味がなくブラジャーを買い与えていないのであろう。
ラストにおいて生徒全員で合唱を父兄に披露するのだが、このシーンが感動的な理由は、懺悔のように囁くこともなく、だからと言ってブリサにもらったロックミュージックのように雄叫びを上げることもなく、まさに自分の本来の声でセリアが歌い始めるからなのである。
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