MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『あまろっく』

2024-12-14 00:59:39 | goo映画レビュー

原題:『あまろっく』
監督:中村和宏
脚本:西井史子
撮影:関照男
出演:江口のりこ/中条あやみ/松尾諭/中村ゆり/中林大樹/駿河太郎/久保田磨希/高畑淳子/佐川満男/笑福亭鶴瓶
2024年/日本

ある種の「ディザスタームービー」について

 そもそもタイトルの「あまろっく」とは「尼ロック」と綴り、兵庫県尼崎市を洪水から守るための建設された「尼崎閘門(こうもん)」のことを指している。そこで暮らす金属加工の工場を営む近松家の1994年と2015年と2023年の変遷が描かれているのである。
 本作を観て気がついたのであるが、子供の頃は大人の事情は分からないし、娘の優子が京都大学に進学してしまうと実家を離れてしまうので両親と言葉を交わす機会も減ってしまうだろうし、母親が亡くなってしまうと娘がリストラに遭って実家に戻ってきたとしても父親と二人だけでは会話が弾むこともなく、結局、お互いのことは何も知らないままになってしまうことは想像に難くない。だから父親の竜太郎が「俺は家族のあまろっくや!」と口癖のように言っていても優子にはその真意が分からず、冗談のように響いてしまうのは致し方がないと思う。
 とかくスベリがちなコメディ作品の中で本作は関西弁によるギャグの歯切れが良かったと思う。


gooニュース
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『スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナル ハッキング ゲーム』

2024-12-13 00:57:20 | goo映画レビュー

原題:『スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナルハッキング ゲーム』
監督:中田秀夫
脚本:大石哲也
撮影:花村也寸志
出演:成田凌/クォン・ウンビ/千葉雄大/大谷亮平/白石麻衣/井浦新/佐野史郎/真飛聖/猪塚健太/髙石あかり/原田泰造/田中圭
2024年/日本

剥製にされる理由について

 それにしてもスマホを落としただけで国を跨ぐほどのどえらい話になったものである。ストーリーそのものは多少の荒さがあったとしても決して悪くはないのであるが、一見、見事に納まったように見えるラストのオチは間違っているのではないかと思った。何故ならば主人公の浦野善治は自分の母親に似ている富田麻美を剥製にするためにプロの剥製師のチョン・ハクソンに依頼するなど緻密な手筈を整えているのであるが、スミンは浦野のように剥製に対する強い思いを持っているわけではない。スミンの父親が浦野に似ている場合に限り浦野が剥製にされる理由が生じるのだが、浦野とスミンを虐待していた彼女の義父のチェ・ヨンジュンが似ているようには見えなかったところが惜しいと思う。剥製になった浦野の顔はあれで良かったのだろうか? ギャグのように見えてしまった。 スミンはあの顔の浦野を愛せるのか?


gooニュース
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『オアシス』

2024-12-12 00:58:54 | goo映画レビュー

原題:『オアシス』
監督:岩屋拓郎
脚本:岩屋拓郎
撮影:池田直矢
出演:清水尋也/高杉真宙/伊藤万理華/松浦慎一郎/杏花/林裕太/青柳翔/津田寛治/窪塚俊介/小木茂光
2024年/日本

タイミングの悪い「オアシス」について

 主人公の富井ヒロトと金森と紅花は幼なじみであるが、菅原タケルの父である菅原組長が紅花の母親を殺したことをきっかけにお互い疎遠になってしまう。結果、紅花は当時の記憶を失い、タケルは父親の組に所属し、金森は菅原組と敵対する組織の所属しているものの、皮肉にも紅花の記憶喪失が3人の絆が辛うじて失われずに済んでいるところがミソと言える。
 冒頭のワンシークエンスショットや2人の男と1人の女という構成が初期のゴダールの作風を彷彿させるのだが、いくら何でも杏花が演じたアンナが思わず失笑をもよおすほど強すぎる。
 しかしまさかこの時期にイギリスのロックバンドのオアシスが再結成するとは、本作を撮っている時には想像していなかっただろうね。


gooニュース
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『雨の中の慾情』

2024-12-11 00:58:08 | goo映画レビュー

原題:『雨の中の慾情』
監督:片山慎三
脚本:片山慎三/大江崇允
撮影:池田直矢
出演:成田凌/中村映里子/森田剛/足立智充/中西柚貴/松浦祐也/竹中直人
2024年/日本・台湾

「反戦映画」における性欲のあり方について

 明らかに日本ではないような場所に住み着く主人公で売れない漫画家の義男は大家の尾弥次の依頼で、自称小説家の伊守とともに引っ越しの手伝いに駆り出された先で運命の女性である福子と出会い、トラブルに巻き込まれた伊守と福子が義男の家に転がり込んでくるという物語の展開は、突然戦場場面に切り替わり、そこで義男は左腕と右足を失った状態でベッドに横たわっている。伊守は義男と同じ部隊の兵士で、福子は地元の売春宿における義男の相手だった。
 つまり漫画家としての義男は義男の夢なのであるが、義男の夢は、冒頭の雨宿りの場面は上手く行ったものの(もっともこの時義男が背後から「打って」いた女に義男は「撃たれた」のであるが)義男の思い通りにはならない。福子は伊守の愛人だったし、伊守は絢爛豪華な豪邸を所有しているのである。何故義男本人の夢が義男の思い通りにならないのか勘案するならば、本人の思い通りにいかないからこそ愛がより強靭となり、慾情が生じるからなのである。だから本作は戦争と愛はベクトルが正反対なだけで実質同じものなのだと指摘しているのである。恐ろしい話である。


gooニュース
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『海の沈黙』

2024-12-10 00:59:55 | goo映画レビュー

原題:『海の沈黙』
監督:若松節朗
脚本:倉本聰
撮影:蔦井考洋
出演:本木雅弘/小泉今日子/仲村トオル/清水美砂/中井貴一/萩原聖人/村田雄浩/佐野史郎/田中建/津嘉山正種/石坂浩二
2024年/日本

中途半端な「贋作」について

 思っていたのと違う! 主にテレビドラマの脚本を執筆していた倉本聰のシナリオだから「物語」が語られるのかと思いきや、主人公の津山竜次が登場すると妙に話が「美とは何か?」と抽象的になってしまった。その上、津山は絵画のみならず刺青も手掛けており、そうなると「筆」だけの問題ではなく、「キャンバス」や必ず衰える「肌」の問題にもなってしまうからさらにややこしい。
 例えば、絵画の価値というものが作家の知名度や批評家の評価から外れた場所にあるとして、津山が作品の制作に苦悩してしまう理由は何なのだろうか? それはもちろん津山が自分の思いのままに作品を描いているのではなく、「他人の目」を気にして描いているからではないのだろうか? 津山はそのことに気づいておらず苦悩が空回りしているのである。気の毒で見ていられなかった。
 因みに本作における「贋作」とは日本を代表する画家の田村修三の「落日」という作品に津山が「描き加えた」というものである。津山はゴッホやモネやダ・ヴィンチを目指しているようなのだが、ゴッホとモネは印象派で抽象的な津山の作風と似ているものの、ダ・ヴィンチはルネサンス期の古典派だから作風が違うのである。ここに本作の中途半端さが凝縮されているように思われてならない。


gooニュース
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『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』

2024-12-09 00:56:59 | goo映画レビュー

原題:『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』
監督:上田慎一郎
脚本:上田慎一郎/岩下悠子
撮影:山本周平
出演:内野聖陽/岡田将生/川栄李奈/森川葵/後藤剛範/上川周作/真矢ミキ/鈴木聖奈/吹越満/小澤征悦
2024年/日本

様々な「癖」について

 決して悪い作品ではないが、『スティング』(ジョージ・ロイ・ヒル監督 1973年)や『オーシャンズ11』(スティーヴン・ソダーバーグ監督 2001年)などの傑作を観ている者としてはどうしても観賞のハードルを高めに設定しがちな癖がついてしまっている。例えば、主人公で税務署に勤める熊沢二郎が橘と大金を賭けてビリヤードで勝負するのであるが、キューボールの奇妙な動きに不信を持ったように見えた橘が何故バーテンダーを疑うことになるのかよく分からないし、詳細は控えるが最後に明かされる仲間の立場は橘の不法行為を詳らかにできるのだから、そもそもわざわざ危ない橋を渡る必要があったのだろうかという話になってしまわないだろうか?
 それよりも興味深いことはこれまでのフィルモグラフィーを見ると上田監督は他人の作品に刺激されて自身の作品をつくり上げがちということである。その癖は決して悪いことではないけれど。


gooニュース
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『六人の嘘つきな大学生』

2024-12-08 00:58:29 | goo映画レビュー

原題:『六人の嘘つきな大学生』
監督:佐藤祐市
脚本:矢島弘一
撮影:花村也寸志
出演:浜辺美波/赤楚衛二/佐野勇斗/山下美月/倉悠貴/西垣匠/中田青渚/木村了/渡辺大
2024年/日本

「嘘つき」なタイトルについて

 最終選考に残った6人の希望就職先の成長著しいIT企業の名前が「スピラリンク」なのだが、英語で綴ると「Spirallink」で、これは「スパイラルリンク」と読むのではないかという考えが観賞中に絶えず頭の片隅から離れないままで内容が上手く入ってこなかったのであるが、もしかしたら同じ綴りの「スパイラル(Spiral)」を意図的に「スピラ」と読ませることが、一人の人間の「ブライト・サイド」と「ダーク・サイド」の暗喩だとするならば、それはそれで良くできているのではないだろうか。


gooニュース
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『正体』

2024-12-07 00:59:38 | goo映画レビュー

原題:『正体』
監督:藤井道人
脚本:藤井道人/小寺和久
撮影:川上智之
出演:横浜流星/吉岡里帆/森本慎太郎/山田杏奈/前田公輝/西田尚美/山中崇/宇野祥平/駿河太郎/木野花/田中哲司/原日出子/松重豊/山田孝之
2024年/日本

「精確」の重要性について

 主人公の鏑木慶一を演じた横浜流星の熱演は高く評価されるべきではあるものの、本作のテーマである「18歳の犯罪」と「冤罪」を勘案するならば「精確」に欠けていると言わざるを得ない。一家惨殺事件の現場にたまたま居合わせた当時高校三年生の鏑木は生存者の井尾由子の証言で犯人とされるのであるが、あれほどの血だまりの中で真犯人の痕跡が全くなかったというのは不自然で、尚且つ事件のトラウマで精神的に不安定な井尾由子の証言がいとも簡単に採用されてしまうのは鏑木慶一でなくても納得はできないであろう。
 この話に説得力をもたせるとするならば、警察の中に鏑木を犯人に陥れる悪意が存在しなければ成り立たないと思うのだが、そういう話にはなっていない。映像の完成度が高いだけにもったいないと思った。


gooニュース
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『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』

2024-12-06 00:59:34 | goo映画レビュー

原題:『It Ends with Us』
監督:ジャスティン・バルドーニ
脚本:クリスティ・ホール
撮影:バリー・ピーターソン
出演:ブレイク・ライブリー/ジャスティン・バルドーニ/ジェニー・スレイト/ハサン・ミンハジ/ブランドン・スクレナー/イザベラ・フェレール/アレックス・ニューステッター
2024年/アメリカ

暴力の連鎖を断ち切る「ふたり」について

 この作品の重要なシーンは主人公のリリー・ブルームとやがて結婚することになる脳神経外科医のラリー・キンケイドとの、地味ではあるが最初の出会いのシーンに尽きるように思う。リリーは63歳で亡くなった父親の葬儀後にボストンで花屋を開店することになるのであるが、ビルの屋上でタバコを吸っていた時に、癇癪を起したラリーが現れて置いてあった椅子を蹴り飛ばし始め、リリーは身を隠そうとしたのであるがラリーに見つかってしまい、後日再会したことで交際することになるのである。幼い頃父親の、母親に対するDVを目撃していたリリーはラリーのような男性を選ぶべきではないのであり、それはリリーも理解しているはずなのだが、そのようなトラウマがあるからこそ逆にリリーは「暴力」が気になってしまい、うかつにも惹かれて、やがて暴力を受けてもそれは暴力ではなかったと「正当化」してしまうのである。
 因みに「ふたりで終わらせる」の「ふたり」とはリリーとラリーではない。リリーが娘のエミーに語りかけているシーンがあるので、リリーはエミーに父親の不在の赦しを乞うて覚悟を求めているのである。
 ルイス・カパルディの「ラヴ・ザ・ヘル・アウト・オブ・ユー」を和訳しておきたい。

「Love The Hell Out Of You」 Lewis Capaldi 日本語訳

君は苦悩に囚われて
月の裏側で幾つもの季節を過ごした
否定しようとしてはいけない
僕もそこにいることを君は知っているはず
今世界が終わろうとしているような感じがするけれど
もしも最後に出来るのならば
僕は君を試練から切り抜けさせるだろう

僕は徹底的に君を愛するつもりなんだ
君が経験する全ての痛みを引き受ける
もしもそれが君に必要であるならば
僕が君を天国に連れて行くよ
だって君はずっと僕を徹底的に愛してくれているのだから

僕の異常さやこの全ての疲労困憊からの慰めを
僕が見つけ出す途中からずっと失っていた時に
君が僕の「下地」作りのために完璧な手立てをもってきてくれた
だから僕が君を家に連れ帰ることは忘れないで欲しい

僕は徹底的に君を愛するつもりなんだ
君が経験する全ての痛みを引き受ける
もしもそれが君に必要であるならば
僕が君を天国に連れて行くよ
だって君はずっと僕を徹底的に愛してくれているのだから

君が自分が完成途中であると感じる瞬間
その瞬間は仮のものだと知っているはず
恐怖が裏で炎を煽る瞬間も

僕は徹底的に君を愛するつもりなんだ
君が経験する全ての痛みを引き受ける
もしもそれが君に必要であるならば
僕が君を天国に連れて行くよ
だって君はずっと僕を徹底的に愛してくれているのだから
君はずっと僕を徹底的に愛してくれているのだから

Lewis Capaldi - Love The Hell Out Of You (From 'It Ends With Us') (Official Lyric Video)
gooニュース
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『ザ・バイクライダーズ』

2024-12-05 00:58:20 | goo映画レビュー

原題:『The Bikeriders』
監督:ジェフ・ニコルズ
脚本:ジェフ・ニコルズ
撮影:アダム・ストーン
出演:オースティン・バトラー/トム・ハーディ/ジョディ・カマー/マイケル・シャノン/マイク・ファイスト/ノーマン・リーダス
2023年/アメリカ

もう一つの「ライダー」の物語について

 主人公(話の語り部)はキャシ―・バウアーで、写真家で学生のダニー・ライアンのインタビューに答える形で物語は進行する。1965年に「ヴァンダルズ・モーターサイクル・クラブ」に所属しているベニー・クロスと出会って僅か5週間後に結婚したことからキャシ―は数々の面倒に巻き込まれる。
 「ヴァンダルズ・モーターサイクル・クラブ」は映画『乱暴者(The Wild One)』(ラズロ・ベネディク監督 1953年)の主演を務めたマーロン・ブランドに刺激されて、ジョニー・デイヴィスが創設した暴走族グループである。当初は「拳」か「ナイフ」で喧嘩をする程度であったが、ベトナム戦争から帰って来た若い退役軍人たちが勝手に「支部」を名乗り、銃を使い出してから様相が一変し始め、暴走族はギャング集団と化し、同じ暴走族を扱った『イージー・ライダー』(デニス・ホッパー監督 1969年)における「体制」と「反体制」の抗争とは違い、いわば「内輪揉め」のなれの果てが描かれるのである。

 イギー・アンド・ザ・ストゥージズの「ダウン・オン・ザ・ストリート」を和訳しておきたい。

「Down On the Street」 Iggy & The Stooges 日本語訳

通りを下って行くならば
心底落ち込みながら転々としているどの顔も輝いている
俺は可愛いものを目にしている
壁などどこにもない
俺は可愛いものを目にしている
壁などどこにもない

壁などない!
壁などない!
壁などない!

真夜中に俺は失恋する
真夜中に俺は失恋する
千の光がおまえを照らす
千の光がおまえを照らす
おまえを!
おまえを!
おまえを!

顔はどれも輝いている
心底落ち込みながら
心底落ち込みながら
俺は心底落ち込んでいる
心底落ち込んでいる

Iggy & The Stooges - Iggy And the Stooges - Down On the Street

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