MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『GAGARINE/ガガーリン』

2022-03-31 00:40:11 | goo映画レビュー

原題:『Gagarine』
監督:ファニー・リアタール/ジェレミー・トルイユ
脚本:ファニー・リアタール/ジェレミー・トルイユ/バンジャマン・シャルビ
撮影:ヴィクトル・セガン
出演:アルセニ・バティリ/リナ・クードリ/ジャミル・マクレイヴン/ドニ・ラヴァン
2020年/フランス

時代錯誤のフランス製「アメリカンニューシネマ」について

 ガガーリン団地とはフランスのパリ郊外で1963年に落成された実在する公営団地なのだが、老朽化のために2020年に解体されることになり、実際の団地を使って撮られた作品である。
 フランスの新設団地にソ連の宇宙飛行士の名前を付けるということ自体に団地と巨大なスペースシップの相性の良さというものを感じるし、団地の近辺に住んでいるロマたちは必然的に「宇宙人」という雰囲気を醸し出す。
 16歳の主人公のユーリは自分たちの家族の思い出がなくならないように団地の存続のために孤軍奮闘するのだが、その際に、特に電気系統に注力するのはやはり「宇宙船」だからなのである。そんなユーリの孤独で無駄な抵抗はかつての「アメリカンニューシネマ」を彷彿とさせる。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-126514


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ヴォイジャー』

2022-03-30 00:54:17 | goo映画レビュー

原題:『Voyagers』
監督:ニール・バーガー
脚本:ニール・バーガー
撮影:エンリケ・シャディアック
出演:タイ・シェリダン/リリー=ローズ・デップ/フィオン・ホワイトヘッド/コリン・ファレル
2020年/アメリカ・チェコ・ルーマニア・イギリス

危うい「性善説」について

 2063年に地球汚染と同時に地球に代わる入植先の惑星を見つけたものの、そこにたどり着くまでに86年を必要とした人類は、遺伝子レベルで優秀な人材30人を確保し、保護者としてリチャード・アリング一人を同乗させて送り込んで10年が過ぎた。
 基本的に性善説だろうし、船内に用意されている武器も新しい惑星にたどり着いた際に使用されることが前提だろうから、クルーたちが自分たちの使命を放棄するような行動は取らないことを想定しているわけなのだが、思春期に伴う性の目覚めが、特に男性クルーたちに心の変化をもたらす。彼らが常用している青い液体はそのような性衝動を抑える働きをもたらすものなのだが、彼らはそれを大人たちが自分たちをコントロールするための「毒」と捉え、次々と疑心暗鬼が沸き起こり、リチャードが船外の事故で亡くなった後は「エイリアン」の幻想に悩むことになるのである。
 映像が地味であることは否めないが、やはり『パッセンジャー』(モルテン・ティルドゥム監督 2016年)のように人口冬眠ポッドを使わなければこうなるという教訓は得られると思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-128515


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『コーダ あいのうた』

2022-03-29 00:50:45 | goo映画レビュー

原題:『CODA』
監督:シアン・ヘダー
脚本:シアン・ヘダー
撮影:パウラ・ウイドブロ
出演:エミリア・ジョーンズ/フェルディア・ウォルシュ=ピーロ/マーリー・マトリン
2021年/アメリカ

二組の父親と娘の微妙な関係について

 本作は聴覚障害者の家族が抱える問題というのみならず、いわゆる「ヤングケアラー」の問題をも提起しているという点においてタイムリーな作品だと思う。
 主人公のルビー・ロッシの歌の上手さが分からない父親のフランクは歌っている娘の喉に触れることでルビーの歌唱力に納得するシーンがあるのだが、喉に触れることで果たして娘の実力が分かるだろうか? これは疑問を呈している訳ではなく、本当はよく分からないけれどフランクは娘を自分の元から手放す理由付けが欲しかったのだと思うのである。
 ところでそんなルビーが好きなバンドとしてシャッグスを聴いており、これは聴覚障害者を両親に持つ娘であるが故なのかどうか微妙な感じなのであるが、シャッグスのメンバーである三人姉妹が父親に無理やりバンド活動をさせられたことを勘案するならば、家族の対照性を際立たせる狙いがあったのかもしれない。一応「マイ・パル・フット・フット」を和訳しておきたい。

「My Pal Foot Foot」 The Shaggs 日本語訳

私の友だちの名前はフット・フット
彼はいつでも歩き回ることが好きだ
私の友だちの名前はフット・フット
彼は一度たりとも自分の家を見つけられない

私は彼の家に行って
ドアをノックする
家から出てきた人たちは
「フット・フットはもうここには住んでいない」と言う

私の友だちのフット・フット
彼はいつでも歩き回ることが好きだ
私の友だちのフット・フット
今の彼には家が無い

フット・フットはどこに行くの?
フット・フットは何をするつもりなの?
フット・フット
あなたが見つかればいいのだけれど

私はここやあそこや
あらゆるところを探す
フット・フット
何故私はあなたを見つけられないの?

フット・フット
あなたはどこに居場所を見つけられるの?
フット・フット
何故あなたは私に答えてくれないの?
フット・フット
あなたがどこにいようとも
私はあなたを家に連れて帰りたいのよ

私には歩き回る暇はない
私にはしなければならないことがあるから
私は家に帰らなければならないの
フット・フット
あなたはどこにいるの?

もしもフット・フットがそれほど歩き回ることが好きではないのならば
彼にはまだ住む場所があるのかもしれない
フット・フット
私に答えて欲しい
あなたはどこにいるの?
あの木の背後かしら?

フット・フット
私のところに来て欲しい
フット・フット
今あなたはここにいる
家に帰りたいんでしょう?
フット・フット
私に約束して欲しい
もう二度と歩き回らないということを

The Shaggs - My Pal Foot Foot (2015 REMASTERED HD VERSION)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-121600


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ドリームプラン』

2022-03-28 00:59:55 | goo映画レビュー

原題:『King Richard』
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
脚本:ザック・ベイリン
撮影:ロバート・エルスウィット
出演:ウィル・スミス/アーンジャニュー・エリス/サナイヤ・シドニー/デミ・シングルトン/トニー・ゴールドウィン
2021年/アメリカ

「キング・リチャード」の私生活について

 ビーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹が、まさかテニスに関しては素人同然の父親のリチャード・ウィリアムズの指導の下で世界的なテニスプレーヤーになったことにただ驚くしかない。その上、リチャードはテニスの技術の問題だけではなく、彼女たちのメンタル面においても配慮が行き届いており、もちろん文句の付け所は全くないものの、もう少しビーナスとセリーナの父親に対する本音が描かれていても良かったような気はする。
 ところでそんな完璧な父親の物語に何故シェークスピアの戯曲の捩りのような「キング・リチャード」というタイトルが付けられているのか勘案してみるならば、実はリチャードは三回結婚しており、最初の結婚でリチャードは三人の息子と二人の娘を儲けており、二度目の結婚でビーナスとセリーナを儲けているのだが、他にいた三人の娘は前妻との子供ではなく再婚相手の連れ子だからテニスをやらせなかったのである。
 その後、また離婚して三度目の結婚相手は娘のビーナスより一歳年上の女性で、本作で描かれてはいないものの、テニスコーチとして優秀なのだがとにかく私生活は滅茶苦茶なのではある。
 ビヨンセが本作に提供した「ビー・アライブ」を和訳しておきたい。

「Be Alive」 Beyoncé 日本語訳

生きていることはとても気持ちが良い
私のそばには家族全員がいる
頑張ってもこの肌の黒さを拭いとることはできない
だから私は誇りを持って前を向いて行く

私は自分に100万マイルを課した
彼らは私がどれほどの高みに行けるのか見たいようだ
この道は一度たりとも金で舗装されたことはなかった
私たちは働いて自分たちの道を拓いたんだ

やろうとしても誰もけちをつけられない
これぞ精力的な行動の具現化
生きるために私たちが戦ったやり方を見てみなさいよ
だから私たちが勝利した時にプライドも持てるのよ
私たちがどれほど涙して
どれほど困難な戦いを強いられたのかあなたは知っているの?

生きていることはとても気持ちが良い
私のそばには姉妹全員がいる
頑張ってもこの肌の黒さを拭いとることはできない
だから私は誇りを持って前を向いて行く
今私たちは再び世界のトップに君臨しているのよ

私は自分に100万マイルを課した
彼らは私がどれほどの高みに行けるのか見たいようだ
この道は一度たりとも金で舗装されたことはなかった
私たちは戦って自分たちの道を拓いたんだ

やろうとしても誰もけちをつけられない
これぞ精力的な行動の具現化
生きるために私たちが戦ったやり方を見てみなさいよ
だから私たちが勝利した時にプライドも持てるのよ
私たちがどれほど涙して
どれほど困難な戦いを強いられたのかあなたは知っているの?

生きていることはとても気持ちが良い
私のそばには家族全員がいる
頑張ってもこの肌の黒さを拭いとることはできない
だから私は誇りを持って前を向いて行く

生きていることはとても気持ちが良い
私のそばには一族全員がいる
頑張ってもこの肌の黒さを拭いとることはできない
だから私は誇りを持って前を向いて行く

Be Alive (Original Song from the Motion Picture "King Richard") (94th Academy Awards Performance)

Beyoncé – Be Alive (Original Song from the Motion Picture “King Richard”) (Official Lyric Video)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-123349


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『SING/シング:ネクストステージ』

2022-03-27 00:58:19 | goo映画レビュー

原題:『Sing 2』
監督:ガース・ジェニングス
脚本:ガース・ジェニングス
出演:マシュー・マコノヒー/リース・ウィザースプーン/スカーレット・ヨハンソン/タロン・エガートン/トリー・ケリー/ボノ
2021年/アメリカ

「オリジナル上映不足問題」について

 ストーリーそのものは可もなく不可もなしという感じだが、名曲のオンパレードは言うまでもなく、若者の夢のみならず老境に差し掛かったベテランの生き様も問うという点ではさらに洗練されたものになっているように思う。
 ところで本作は何故か日本語吹き替え版ばかりが上映されていて、字幕版を観るとなると都内まで出かけなければならないということは深刻な問題ではないだろうか? ボノと稲葉のどちらの声が聞きたいかという問いは無意味だと思うのだが。

 主題歌になっているU2の「ユア・ソング・セイブド・マイ・ライフ」を和訳しておきたい。

「Your Song Saved My Life」 U2 日本語訳

4時を15分ほど過ぎた月曜日の早朝だった
君は夢を見るのに忙しくて
目覚める理由が分からなかったんだ

君は自分の人生に違和感があるのかい?
その両目の背後に何を隠しているの?
君を探している人はそこにはいないの?

君の歌が僕の人生を救ってくれたんだよ
僕の代わりに君が歌うから僕はなんとかやっていけているんだ
僕が君に言うことを聞いてくれないだろうか?
僕はくじけずに上手くやっていくためにその歌を歌うよ

君は科学では説明がつかないような
奇跡を探している
君が心の中に抱えているその「男」は
痛みに心地良さしか感じられないようだ

君は自分の人生に違和感があるのかい?
その両目の背後に何を隠しているの?
君をそこで見つけられる人がいるだろうか?
それとも僕だけなの?

君の歌が僕の人生を救ってくれたんだよ
僕の代わりに君が歌うから僕はなんとかやっていけているんだ
僕が君に言うことを聞いてくれないだろうか?
僕はくじけずに上手くやっていくためにその歌を歌うよ

君の歌が僕の人生を救ってくれた
最悪の日でも最高の日でも関係なく
僕は打ちひしがれていたけれど
今は寛大になれて
君の愛が僕を活き活きさせている
君の愛が僕を活き活きとさせているんだ

君の歌が僕の人生を救ってくれた
最悪の日でも最高の日でも関係なく
君の歌が僕の人生を救ってくれた
君の歌が僕の人生を救ってくれた

君の歌が僕の人生を救ってくれた
今夜君の歌が僕を切り抜けさせてくれた
君の歌が僕の人生を救ってくれた
君の歌が僕の人生を救ってくれた

U2 - Your Song Saved My Life (From Sing 2) - Official Lyric Video

U2 - Your Song Saved My Life (From Sing 2)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-129218


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『THE BATMAN − ザ・バットマン −』

2022-03-26 00:57:22 | goo映画レビュー

原題:『The Batman』
監督:マット・リーヴス
脚本:マット・リーヴス/ピーター・クレイグ
撮影:グリーグ・フレイザー
出演:ロバート・パティンソン/ゾーイ・クラヴィッツ/ポール・ダノ/ジェフリー・ライト/コリン・ファレル
2022年/アメリカ

「悪目立ち」が似合うキャラクターについて

 何故かDCコミックのキャラクターでバットマンだけが「原点回帰」させられているのはそれだけピンでも映える魅力的な存在だからであろうが、「原点回帰」させられるたびに「悪目立ち」させられるのは気の毒だと思わないこともない。
 今回も、ブルース・ウェインが幼少の頃に目の前で殺された父親のトーマス・ウェインが殺される原因が明らかにされ、決して「善良な市民」がわけもなく殺されたわけではなかったのであるが、むしろ本作のメインは「正義の味方」として振る舞っていたバットマンを見倣うように、エドワード・ナッシュトン(リドラー)に操られていたとはいえ、ゴッサム・シティに隠れ住む孤児たちが「正義の味方」として悪を働くことであろう。
 セリーナ・カイルのルームメイトだったアニカ・コスロフが亡くなったのは墓碑から判断するならば2004年なのだが、物語は10月31日の木曜日から11月6日の水曜日までの一週間の事案で、これは2019年のカレンダーだから合っていないと思う。大作としては珍しいミスだが、それとも続編の伏線なのだろうか?
 因みにバットマンが絶体絶命に追い込まれた際にバットマン専用車である「バットモービル」にどのように乗り込んだのか速すぎて分からなかった。
 ニルヴァーナの「サムシング・イン・ザ・ウェイ」を和訳しておきたい。

「Something In The Way」 Nirvana 日本語訳

その橋の下で
防水シートが漏水している
俺の罠にかかった動物たちは
全て俺のペットとして生きていて
俺は草を食べて生きている
天井からの雨垂れは
魚(fish)を食べるにはうってつけだ
だって雨垂れ(they = the drippings)は何も感じることはないのだから

何かが邪魔になっている
行く手に障害物がある
何かが邪魔になっている
行く手に障害物がある
何かが邪魔になっている
行く手に障害物がある

その橋の下で
防水シートが漏水している
俺の罠にかかった動物たちは
全て俺のペットとして生きていて
俺は草を食べて生きている
天井からの雨垂れは
魚を食べるにはうってつけだ
だって雨垂れは何も感じることはないのだから

何かが邪魔になっている
行く手に障害物がある
何かが邪魔になっている
行く手に障害物がある
何かが邪魔になっている
行く手に障害物がある
何かが邪魔になっている
行く手に障害物がある

Nirvana - Something In The Way (Audio)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-127901


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『世界で一番美しい少年』

2022-03-25 00:45:55 | goo映画レビュー

原題:『The Most Beautiful Boy in the World』
監督:クリスティーナ・リンドストロム/クリスティアン・ペトリ
撮影:エリック・ヴァルステン
出演:ビョルン・アンドレセン/池田理代子/酒井政利/沢渡朔
2021年/スウェーデン

「世界で一番美しい少年」とメディアの関係について

 『ベニスに死す』(ルキノ・ヴィスコンティ監督 1971年)で一躍時の人となったビョルン・アンドレセンのドキュメンタリー映画で、ルキノ・ヴィスコンティに認められセンセーショナルな世界デビューを果たせたものの、一年くらい経って「大人」になったことで3年契約をしていたヴィスコンティの作品に出演することなく見放された後は、ほぼ同性愛者で構成されたヴィスコンティの撮影チームに弄ばれたようだが、詳細は語られていない。『ベニスに死す』において主人公で作曲家のグスタフ・アシェンバッハは決して美少年のタジオ・モールズに手を出さない。手を出すと「美」が汚れてしまうからなのだが、そういう意味ではヴィスコンティの行動は正反対と言える。
 ビョルンは1月生まれで、彼の妹が同じ年の12月生まれで父親が違うらしく、つまり母親はそれほどボヘミアンだったのであるが、ビョルンの幼い頃を「スーパー8」で撮られた映像が残されており、貧乏だったわけではなさそうである。しかしビョルンを育てた祖母がいわゆる「ステージママ」のような感じで、お金優先で、孫の性被害に対して関心がなかったようである。
 ビョルンの日本における人気も大変だったようで、写真家の沢渡朔は久しぶりに再会したビョルンに当時気をかけてあげられなかったことを謝罪していたが、音楽プロデューサーの酒井政利はただただ彼の美しさを称賛していた。酒井にはその手の噂があるから仕方がないが。
 撮影当時60歳を少し過ぎたくらいの彼の生活は、ガス栓を開けたまま外出したとして同じアパートの住人たちから苦情を受けており、確かに室内もキーボードなどの音楽機材の周囲は汚れているのだが、現在交際している若いガールフレンドの尽力もあって辛うじて立ち退きは回避できた。ところがこのドキュメンタリーの撮影のために久しぶりに日本を訪問する際に、そのガールフレンドも同行させたのであるが、日本に滞在中ガールフレンドはほったらかしていたらしく、さらにガールフレンドは自分に暗証番号を教えてくれないという理由で、最後は電話で「ブタ野郎」と罵られて別れてしまうのである。メディアと関わるとロクなことが起こらない「世界で一番哀れな男」になっていたのである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/fashionpress/trend/fashionpress-79685


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『GUNDA/グンダ』

2022-03-24 00:55:24 | goo映画レビュー

原題:『GUNDA』
監督:ヴィクトル・コサコフスキー
脚本:ヴィクトル・コサコフスキー
撮影:ヴィクトル・コサコフスキー
出演:グンダ
2020年/アメリカ・ノルウェー

「数」だけが気になるドキュメンタリー映画について

 豚の親子と鶏と牛を見つめるだけの93分間のドキュメンタリー映画をどのように評価するべきなのか、決して一つではないだろう。例えば、冒頭は豚小屋の出入り口にグンダという名前らしい豚の母親の頭だけが出ているのであるが、しばらく見ていると次々と仔豚が姿を現し、どうやら出産シーンらしいのである。
 途中で鶏や牛も映されるのであるが、気になるのは一羽の鶏が片脚しかないことで、片脚で移動しながら有刺鉄線越しに外を見ているシーンが印象に残るのだが、そうなると仔豚たちもそのまま全員育っているのかどうか怪しく、確か当初は10匹くらいいたと思うのだが、最後は7匹くらいに減っているようにも見える。
 出産シーン同様に、最後のシーンも驚かされるが詳細は控えておきたい。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-106997


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『マークスマン』

2022-03-23 00:53:38 | goo映画レビュー

原題:『The Marksman』
監督:ロバート・ロレンツ
脚本:ロバート・ロレンツ/クリス・チャールズ/ダニー・クラビッツ
撮影:マーク・パッテン
出演:リーアム・ニーソン/キャサリン・ウィニック/フアン・パブロ・ラバ/テレサ・ルイス
2021年/アメリカ

ポスト「クリント・イーストウッド」について

 かつてヴェトナムで兵役についていた元海兵隊の狙撃手の主人公のジム・ハンソンは5年前に妻を病気で亡くした後、妻の連れ子で国境警備隊の捜査官のサラを手伝う感じでメキシコから入ってくる不法移民を取り締まっている。
 たまたま越境してきたローサと彼女の息子で11歳のミゲルを目撃したジムは2人を国境警備隊に引き渡そうとするが、2人の後を追って来た麻薬カルテルのトップであるマウリシオの弟を銃殺したことからジムは組織に追われる身となる。
 しかしいつもの「リーアム・ニーソン映画」と違い、フォーカスされているのはジムを追うマウリシオの方で、マウリシオはジムの住んでいる家に火をつけるのであるが、その前にマウリシオはジムが所有していた勲章を胸ポケットに入れるし、あるいは高級ブティックから出てきてスポーツカーに乗る美女に目を奪われたりしている。ここで問われていることは同じように人を殺しておきながらアメリカに生まれたジムは良い暮らしができるのだが、隣のメキシコで生まれたマウリシオは勲章ももらえなければろくな生活も送れないという厳しい現実なのである。
 ジムとミゲルが一緒に見ていたテレビには『奴らを高く吊るせ!(Hang 'Em High)』(テッド・ポスト監督 1968年)が映っている。やはりリーアム・ニーソンはクリント・イーストウッドを意識しているのだと思った。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-107155


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『クライ・マッチョ』

2022-03-22 00:58:49 | goo映画レビュー

原題:『Cry Macho』
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ニック・シェンク/N・リチャード・ナッシュ
撮影:ベン・ディヴィス
出演:エドゥアルド・ミネット/ナタリア・トラヴェン/ドワイト・ヨーカム/フェルナンダ・ウレホラ
2021年/アメリカ

もはや誰も文句が言えない超ベテランについて

 91歳になるイーストウッド本人が主演も兼ねるということで、一抹の不安を抱きながら観に行ったのだが、不安通りの展開だった。
 例えば、イーストウッドが演じるロデオ界のスターだったマイク・マイロは落馬により引退後に世話になったハワード・ポークの頼みで別れた妻とメキシコで暮している息子のラファエル・“ラフォ”・ポークをテキサスに連れて帰ってくる約束をし、最初に妻のリタに訊ねてラフォがいると思われる闘鶏場を訪れるのだが、運悪くそこに違法賭博の容疑で警察官たちが乗り込んでくる。
 大乱闘になるかと思いきや、マイクが場内のどこかに隠れると同時にシーンが変わって既に誰もいない場内が映され、同じように隠れていたラフォを見つけ出すのである。監督も主演と同じイーストウッドだから、おそらく警官たちと格闘するだけの体力がないという理由で演出が雑になっており、ずっと最後までこんな感じなのである。
 せめて主演は「若手」に任せるべきだったのではないだろうかと思うのだが、日本のほとんどの評論やレビューが本作に対して好意的なのが不思議でならない。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-118861


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする