MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『メン・イン・ブラック3』 90点

2012-05-31 21:25:36 | goo映画レビュー

メン・イン・ブラック3

2012年/アメリカ

ネタバレ

「1969年」と「1972年」のノスタルジー

総合★★★★☆ 90

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 『メン・イン・ブラック』(1997年)も『メン・イン・ブラック2』(2002年)も出来は決して悪くはなかったが、この『メン・イン・ブラック3』の出来の良さが特筆に価すると思われる理由は、エージェントJをわざわざ1969年にタイムトラベルさせて、アポロ11号の発射とニューヨークメッツの優勝を再現することで、アメリカ人のノスタルジーをくすぐるのみならず、エージェントJが訪れたボーリング場の名前の「Cosmic Lanes」の「e」を障害物で映さないことで、「Cosmic Lans」に見せ、「すばらしいボウリング場」から「宇宙のローカルエリアネットワーク」と時空間が歪むことを早々に仄めかす細かさや(例えば、『2』において、ローラ・ヴァスケスが、勤めていたピザ店からもらった賞状に書かれている「employee」の最後の「e」が欠けていたというエピソードと比較するならば、同じ「e」でも深みが違うことが分かる)、前年の1968年に女性に狙撃されたアンディ・ウォーホルを死んだことにして、代わりにエージェントWがウォーホルが愛用していた白髪のカツラをつけて、当時から‘宇宙人’の集まりのように見えた「ファクトリー」に紛れ込み、苦し紛れに「キャンベル・スープ缶」シリーズを‘粗製濫造’したというギャグや、『2』ではマイケル・ジャクソンがエイリアンとして登場していたが、本作ではレディー・ガガのみならず、ミック・ジャガーまでエイリアン扱いしているなど、時代背景を上手く利用したギャグが効いている。
 ギャグやアクションのみならず、ラストの思わぬ展開のオチも秀逸で、『ダーク・シャドウ』(ティム・バートン監督 2012年)で描かれた1972年と比較して観るならば、ノスタルジーの出来の違いは一目瞭然であろう。


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我欲が充実する喜び

2012-05-31 18:29:06 | Weblog

日本人は「痩せた民族」=五輪低支持率に不満―石原都知事(時事通信) - goo ニュース

 石原慎太郎東京都知事が25日の記者会見で、2020年に行われる夏季五輪に対する

国内の支持率が国際オリンピック委員会(IOC)の調査で47%と低迷したことについて

「日本人は何を実現したら胸がときめくのか。ちまちました自分の我欲の充実で痩せた

民族になった」と不満を示し、29日の日本外国特派員協会の講演においても、「(都民は)

うぬぼれてるし、自分のことしか考えなくなった。ほかの日本人とは違う人種になった」

「都民はぜいたくで、何があっても当たり前になった。東京でのオリンピックが実現したら、

都民は来なくてもいい。日本中から国民が来ますから」とぶちまけている。そもそも都民は

“田舎者”たちの集まりなのだから、都民だけが違う人種になることはありえず、違う人種に

なったのであるならば、それは日本人そのものが石原が期待しているものとは違う人種に

なったにすぎない。私は敢えて東京にオリンピックを招致するという“我欲”を捨てて

イスタンブールやマドリードのことしか考えず、痩せた民族になり、石原の都知事としての

実績作りに貢献することに嫌気がさしている東京都民は嫌いではない。


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菅直人の夫婦げんか

2012-05-30 00:15:32 | Weblog

菅氏の怒声「私の夫婦げんかより小さな声だ」(読売新聞) - goo ニュース

おそらく菅直人の、委員からの「撤退しないことはわかっていたはずなのに、首相が東電本店

に乗り込んで来て『何で撤退するんだ』と、どなる姿は反省すべきではないか」との批判に

対する、「私の夫婦げんかよりは小さな声でしゃべったつもりだが、はっきりものを言うために

多少声が大きくなった」などという釈明は半分ギャグのつもりだったのであろうが、残念ながら

全く笑えなかった。敢えて真面目に受け止めるならば、普段、菅直人が奥さんとの喧嘩を

公にしているのであるならば、客観的な検証は出来るであろうが、どれほどの声を上げて

夫婦喧嘩をしているのか誰も知らないのであるから、意味のない釈明としか言いようがない。


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『アンネの追憶』 10点

2012-05-30 00:07:34 | goo映画レビュー

アンネの追憶

2009年/イタリア

ネタバレ

観客を混乱させる『アンネ・フランクの思い出』

総合☆☆☆☆☆ 10

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 なかなか理解に苦しむ作品である。主人公のアンネ・フランクはユダヤ系ドイツ人であるが、幼少の頃にオランダのアムステルダムに移住していたため、いわゆる『アンネの日記』はオランダ語で書かれている。しかし本作はイタリア映画であり、登場人物たちは全員英語をはなしており、この演出上の‘分かり易さ’が却って分かりにくい。
 元となる話はアンネの学生時代の友人であるユダヤ人のハネリ・ホスラーの思い出を聞いたアメリカの作家であるアリソン・レスリー・ゴールドがまとめた『アンネ・フランクの思い出』であるが、ゲシュタポに捕まった後は、アンネとハネリとの接点はほとんど無く、アンネに対するハネリの思い出は前半に少し描かれているだけである。それならば残されたアンネの登場シーンは誰の目線で描かれているのかがはっきりしないのである。
 最後になって本作がフィクションであることが告げられるが、「誰もが知りたかった『アンネの日記』の壮絶な最終章がここにある」という惹句は、『アンネの日記』のような真実が存在しない以上、偽りと断言せざるを得ず、音楽監督のエンニオ・モリコーネの頑張りだけが唯一の救いだった。


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『海辺の家』 20点

2012-05-29 20:19:51 | goo映画レビュー

海辺の家

2001年/アメリカ

ネタバレ

海辺の家の住みにくさ

総合★☆☆☆☆ 20

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 主人公の建築デザイナーであるジョージ・モンローが、余命4ヶ月の癌を宣告されてから、息子のサムを連れて、自分の家を建て直す過程において、別れた元妻のロビンの関係も修復し、サムの悪友であるジョシュや、アリッサの母親で欲求不満のコリーンや、ロビンの今の旦那であるピーターまでも改築に参加させるストーリー展開には思わず涙腺が緩んでしまうのであるが、やはりいくらなんでも出来すぎ感が否めない。
 あくまでも模型にこだわりコンピューターグラフィックスを拒否したために20年勤めてきた会社を解雇された腹いせにジョージが会社に飾ってある自分が作った模型をバットで壊していくシーンから違和感を持つ。サムが好きなマリリン・マンソンの音楽や、ジョージの近所に住んでいた同性愛者の暗黙の‘排除’など、結局、自分の好きなもの以外は認めないというジョージの頑固なパーソナリティは癌を患っても治ることはない。
 ジョージが自分の父親が建てた家を改築する理由は老朽化以上に父親との確執があったからで、改築した家を息子のサムが敢えて住まないという展開には納得できたのであるが、その家を足の不自由な娘に託したことには疑問が残る。あのような海を見渡せる崖のそばにある家を車椅子を使って生活することは却って不便であり、‘異人たち’の気持ちが理解できないままボロを出してしまったといわざるを得ず、話をきれいにまとめすぎているだけに質が悪い。


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大阪の母親の優雅な生活

2012-05-29 18:38:56 | Weblog

 

キンコン梶原が会見、2日前に受給停止手続き(サンケイスポーツ) - goo ニュース
キンコン梶原 ローンが負担だった(日刊スポーツ) - goo ニュース
【レポート】209万人超が受給する「生活保護」、そもそもどんな制度なの?(マイナビニュース) - goo ニュース

 お笑いコンビ「次長課長」の河本準一の母親が生活保護を15年間受給していたことが

問題になったばかりであるが、お笑いコンビ「キングコング」の梶原雄太の母親までも

昨年3月から生活保護を受給していることを5月29日のスポーツニッポンが伝えている。

梶原は2002年11月に大阪市内に2千数百万円のマンションを購入し、女手ひとつで

育ててくれた母親にプレゼントしたそうであるが、そのローンを完済するまで生活保護を

受けることになったらしい。大阪では、東京では当然理解されないような理屈がまかり通る

ようであるが、生活保護を受ける前に、その2千数百万円のマンションを処分すればいい

だけの話ではないのか これではまるで梶原ではなくて、大阪市民が梶原の母親に

2千数百万円のマンションをプレゼントしているようになってしまっているのであるが、

もちろん大阪市民がそれを是とするのであるならば、門外漢が口を出すことではない。


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『コニャックの男』 50点

2012-05-28 23:50:43 | goo映画レビュー

コニャックの男

1971年/フランス

ネタバレ

「コニャック」の謎

総合★★☆☆☆ 50

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 本作の監督であるジャン=ポール・ラプノーはルイ・マルと共同で執筆した『地下鉄のザジ』(1960年)の脚本家としてデビューした人であり、本作はラプノーにとって監督として2作目である。1971年に公開されていることからも推測できるように本作は、1786年2月14日にシャルロットと結婚した主人公のニコラ・フィリベールがやがて巻き込まれる、1789年から始まるフランス革命と1960年代後半の学生運動をダブらせている。
 王党派と革命派を自由に行き来できるニコラは、とりわけ『幕末太陽傳』(川島雄三監督 1957年)の主人公の居残り佐平次のように見えるし、女の尻を追いかけながら最終的にフランスの元帥になってしまうところは、いかにもかつて革命を成功させた国ならではであろうが、『地下鉄のザジ』でも感じたのであるが、ニコラ役のジャン=ポール・ベルモンドの熱演に反して、かなりの制作費が費やされているにも関わらず、コメディとして見ると今一つ面白みが感じられない。特に、シャルロットを目覚めさせるためにニコラが彼女の顔に何度もくらわせるびんたからラストシーンのニコラのシャルロットに顔に見舞うびんたまでの女性に対する暴力は、当時の男尊女卑の世相を反映させたものなのか、笑いを取る監督の常套手段の一つなのかがはっきりしなかった。
 しかし本作の最大の問題は邦題であろう。原題の意味はフランスの1793年9月22日から1794年9月21日までの「共和暦2年の夫婦」である。確かに原題をそのまま訳しても意味が分からないが、邦題の「コニャック」がどこから取られたものなのか本作を観ても全く分からなかった。


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アンリ・ル・シダネル展

2012-05-28 20:35:17 | 美術

Le Ruisseau au soleil levant, Bretagne

 アンリ・ル・シダネル(Henri Le Sidaner)というフランスの画家の位置付けは難しい。

時代的には印象派に属しており、実際に、そのような作品も存在するのであるが、象徴主義

のような側面もあり、基本的に描写は上手い。上の作品は「朝日のあたる道沿いの川」と

いう1923年の作品で、1962年8月7日生まれのル・シダネルが60歳から61歳の時の

作品である。この作品は良かったのであるが、1923年から後の作品は明らかに筆致が

変化しているように感じる。ル・シダネルは常に作風を変えているので、あまり気がつかれ

ないのかもしれないが、現在、東京の損保ジャパン東郷青児美術館において開催されて

いる「アンリ・ル・シダネル展」で時系列を気にしながら見ていくと、第6章のブルターニュ

地方から筆致が“劣化”していることが確認できる。ル・シダネルの妹は画家のジョルジュ・

ルオーと結婚していながら、画家同士はほとんど交流がなかったらしいが、それが作風の

問題なのか、それともルオーの孤独癖のせいなのかは詳らかではない。


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『憲兵と幽霊』 80点

2012-05-27 22:44:19 | goo映画レビュー

憲兵と幽霊

1958年/日本

ネタバレ

‘足音’と‘見間違い’

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 資料によるならば、『亡霊怪猫屋敷』の公開が1958年7月13日で、『憲兵と幽霊』の公開が1958年8月10日である。この頃の中川信夫監督の絶好調ぶりを示している。 天知茂が演じる波島憲兵少尉は、明子と結婚する田沢憲兵伍長に嫉妬をしているわけではない。他人のモノになった女を寝取ることに快感を覚えるだけであり、自分のモノになってしまった途端に興味を失ってしまい、実際に、田沢憲兵を罠にはめて拷問により自白を強いて実の弟の田沢二等兵に銃殺させた後に、母親も自殺に追い込み、明子と関係を持ったことで波島は満足してしまい、明子が身ごもっても堕胎手術を強要する冷酷ぶりである。
 しかしこの波島の‘性癖’はやがて自らを追い込むことになる。実は波島は中国のスパイとして張覚仁と手を組んでいたのであるが、張覚仁の情婦の紅蘭に夢中になっていたために、自分のモノになるまで自らの身を危険に曝さなければならなくなり、田沢憲兵伍長と田沢二等兵の瓜二つの顔が波島の認識間違いを悪化させて、身を滅ぼすのである。
 戦争当時のことを勘案するならば、‘中国’に固執した日本人がアメリカを象徴する‘十字架’に悩まされて自滅したという比喩が、いつもの‘足音’と‘見間違い’による幽霊譚として上手く昇華されていると思う。
 エンドクレジットで映る田沢上等兵と明子の2ショットも素晴らしい。


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息子も手を焼く母親

2012-05-27 00:05:00 | Weblog

河本の母「息子は悪いことは何もしてない」(サンケイスポーツ) - goo ニュース
次長課長・河本準一「受給していたのは事実」、母親の生活保護不正受給を認め謝罪(ハリウッドチャンネル) - goo ニュース

 お笑いコンビ「次長課長」の河本準一が会見当日、母親と電話で話した際に、母親から

言われた「しっかりしゃべってこいと言われた」というコメントの意味がいまひとつ分からな

かったなかったのであるが、河本の母親の発言で、その真意は分かった。フジテレビ系の

「スーパーニュース」の取材に対し、「(会見前に電話で)『しっかり頑張って話をしなさい。

一切そういう(不正受給の)事実はないんだから』と言いました。あの子は決して悪いことは

何もしていないですから」と応答しているところをみると、河本自身は不正受給を認めて

反省しているようであるが、河本の母親はいまだに不正受給をしているという認識はない

ようであり、つまり自分の無実をしっかり話せというのが、河本の母親の言い分なのである。

生活保護受給について、「(今は)受けていないです。まったく」と断言しているが、それは

既に明らかになっている訳で、問題となっているのは今年4月までの不正受給の事である。

つまり息子も手を焼くほどに質が悪いということなのだろうか


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