原題:『BRICK MANSIONS』
監督:カミーユ・デラマール
脚本:リュック・ベッソン/ロバート・マーク・ケイメン
撮影:クリストフ・コレット
出演:ポール・ウォーカー/ダヴィッド・ベル/RZA/カタリーナ・ドゥニ/アイシャ・イッサ
2014年/フランス・カナダ
「B級」というレベルを保つ困難さについて再び
『アルティメット(District 13)』(ピエール・モレル監督 2004年)のリメイクである。リュック・ベッソンと一緒に脚本に参加していたビビ・ナセリの代わりにロバート・マーク・ケイメンが加わっていることが脚本を良くしているのか悪くしているのか定かではないが、2018年に無法地帯と化したデトロイトの一角を仕切るマフィアたちに盗まれた中性子爆弾を解除するコードをわざわざその地域の郵便番号と同じにした警察と市長の意図が分からない。怪しまれるに決まっているではないか? 「B級映画の帝王」と謳われるロジャー・コーマン監督ばりの、例えば、『女囚大脱走(Swamp Women)』(1955年)のような、いわゆるキャット・ファイトなどいまどきなかなか見られない下品なシーンも含めて、いつものリュック・ベッソンの脚本の荒さは健在ではあるが、やはりベッソンの作品は『LUCY ルーシー』(2014年)のように女性を主人公にしてこそ彼の「ロリコン力」が発揮されるように思う。