MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『LEGO(R) ムービー』

2014-03-31 22:38:08 | goo映画レビュー

原題:『The LEGO Movie』
監督:フィル・ロード/クリストファー・ミラー
脚本:フィル・ロード/クリストファー・ミラー
撮影:バリー・ピーターソン
出演:クリス・プラット/ウィル・フェレル/エリザベス・バンクス/ウィル・アーネット
2014年/アメリカ・オーストラリア・デンマーク

「レゴブロック映画」の高評価の謎について

 本国アメリカにおいては興行的には大成功し、批評家にも高く評価されたことからかなり期待して観に行ったのであるが、何故本作の評判がいいのか良く分からなかった。
 主人公のエメット・ブリコウスキーは生真面目で、何から何までマニュアル通りの暮らしを送っていることから周囲の人々からはバカにされている。そんなエメットが、ウィトルウィウスが言う「選ばれし者」に誤解されたことから、やがてヒーローとして自覚を持つようになるまでのギャグを織り交ぜた展開は悪くはないのであるが、作品の終盤で実写に転換した時点から話がこんがらがってくる。つまりそれまでの話は父親が所有するレゴブロックを用いたエメットによる創作なのであり、エメットの父親は後から現れ、その間、エメットはやりたい放題出来る環境にいたわけで、実際にエメットの妹はやりたい放題するわけなのだから、レゴブロックのエメットがぐずぐずと逡巡する理由が見当たらないのである。だからその伏線となるような現実の親子の関係の描写が足りないように思うのであるが、「レゴブロック映画」に高望みしすぎだろうか?


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女性社会学者の誠意の低さ

2014-03-31 00:07:04 | Weblog

上野千鶴子さん、山梨で講演 「紆余曲折」市長は陳謝(朝日新聞) - goo ニュース

 2014年3月27日の毎日新聞の「みんなの広場」の、50歳の主婦の投稿を読んで、

今回の社会学者の上野千鶴子の講演会の紆余曲折の経過を知った。投稿に拠る

ならば、問題となった事の発端は読者の悩みに答える新聞のコラムで、男子中学生が

「性欲が強くて、このままでは夜道で女性を襲ってしまいそう」という相談に対する

上野の回答である。「自分の周囲の熟年男性から青少年期の性の衝動についてリサーチ、

彼らの体験を踏まえて『熟女をさがしてお願いしてみる』というぶっ飛びの珍提案だった。

現実性はともかく、適度にユーモラスで意表を突いた回答は、懐の深さと機転が

感じられすこぶる痛快。」と書かれてあった。そのコラムの性質が分からないので、

上野の回答が適切かどうか分からないが、真面目に相談しているものだとするならば、

男子中学生に対して失礼極まりないと思う。「自分の周囲の熟年男性から青少年期の

性の衝動についてリサーチ」したようであるが、環境が全く違うために何の役にも

立たないと思う。ネットによる生活環境の激変に加え、最近はアイドルと呼ばれている

AKB48のメンバーの小嶋陽菜が堂々とブラジャーのCMに出演しており、いやでも

性欲が強まる環境で生きなければならない男子中学生に上野の回答は無神経すぎる。

「もしよければ私を訪ねて来い」と答えるくらいの誠意を示さなければ回答の意味が無い。


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『少女は自転車にのって』

2014-03-30 22:59:20 | goo映画レビュー

原題:『Wadjda
監督:ハイファ・アル=マンスール
脚本:ハイファ・アル=マンスール
撮影:ルッツ・ライテマイヤー
出演:ワアド・ムハンマド/リーム・アブドゥラ/スルタン・アル=アッサーフ
2012年/サウジアラビア・ドイツ

男性優位社会に「脚」で挑む女性について

 主人公の10歳のワジダが自転車に乗ることを思い立ったきっかけは、幼なじみの男の子であるアブドゥラに「男に勝てるわけがない」という一言からだったものの、全体を通じて見られることは、女性がヒジャブ(=スカーフ)とは無縁の「脚」でもってバレないように男性が優位な社会に挑戦しているところで、例えば、ワジダの先輩の女子学生たちは爪に青いペニキュアを塗ったり足首に入れ墨のようなものを施したりしている。彼女たちが読んでいた雑誌はファッションモデルではなくて女性サッカー選手が写ったものではなかったか?
 ワジダは自転車獲得のために懸命に努力し、コーラン暗唱コンテストに優勝するのではあるが、当然のことながら男性になれるわけではなく、父親に跡継ぎと認められないまま、父親は第二夫人を迎えるのであるが、ワジダの努力は母親が認めてくれてプレゼントとして自転車を贈られるのである。
 母親からプレゼントされた緑色の自転車に乗って宣言通りにワジダはアブドゥラに勝つのではあるが、大通りに出たワジダがその後にどちらに向かうのか分からないまま逡巡している様子も、とりあえず男性に勝ったまでは良いものの、その後のサウジアラビアの女性の将来の不安定さ暗示させる上手い演出だと思う。
 因みにワジダが普段着ているTシャツの「I am a great catch」というロゴは「私は人気者」の意味。


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金平茂紀の報道姿勢について

2014-03-30 00:48:33 | Weblog

『いいとも!』安部首相出演で最高視聴率19.2%! タモリとのイチゴ会食後に(マイナビニュース) - goo ニュース

 2014年3月28日の毎日新聞の夕刊に「週刊テレビ評」というコラムがあり、

テレビ報道記者の金平茂紀が「権力者の玩具になる時」というタイトルで以下のように

書き記している。「消費税増税を目前に控え、外交で数々の懸案を抱え、何よりも

被災地の復興や福島第1原発事故の収束が困難に直面しているなかで、僕らの国の

総理が『国民的人気番組』、タモリの『笑っていいとも』に生出演した。たかだか16分間

なんだから何も目くじらを立てるほどのことでもないよ、『どうでもいいとも』と

シニカルになるのは容易なことだ。/けれども、公共の電波を使って、自らの体調管理たら

バラエティー好きを開陳してタモリと一緒にイチゴを食べることに一体何の意義が

あるのか。琉球新報が『笑っている場合ですか?』との見出しでこの出演を皮肉っていた

程度で、他の大新聞は写真入りで淡々と紹介していたのみ。」

 ところで、もしも安倍晋三首相がTBSの番組に出演していたら金平は同様に首相を

批判出来るだろうか 局の都合で金平が意見を変えることは分かっている。

私は金平が出演する「報道特集」で去年12月16日に行われた吉松育美の

日本外国特派員協会における記者会見を取り上げなかったことに失望しているのである。


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『もうひとりの息子』

2014-03-29 22:25:42 | goo映画レビュー

原題:『Le Fils de l'Autre』
監督:ロレーヌ・レヴィ
脚本:ロレーヌ・レヴィ/ナタリー・ソージョン/ノアム・フィトゥシ
撮影:エマニュエル・ソワイエ
出演:エマニュエル・ドゥヴォス/パスカル・エルベ/ジュール・シトリュク/マハディ・ザハビ
2012年/フランス

イスラエルが描かれる映画に関する覚書

 テルアビブに住むフランス系イスラエル軍で高級将校を務めるアロン・シベールと医師オリットの息子であるヨセフはミュージシャンになる夢を持っており部屋にはビートルズやジミ・ヘンドリックスなどのポスターが貼ってあるが、厳格な父親のためだったのか兵役検査を受けて空軍に入隊しようとする。ところが思わぬことに彼は実の息子ではないことが判明し、その結果は、ヨセフよりも先に父親に報告される。18年前の湾岸戦争時に同じ病院で出産していたパレスチナ人のライラ・アル・ベザーズとサイードの次男として生まれたヤシンと避難した際に入ったシェルター内で取り違えられていたのである。やがてその病院でシベール夫妻とヨルダン川西岸に住むアル・ベザーズ夫妻が会うことから物語が大きく展開することになる。
 イスラエルに関する映画は必ず眉に唾を塗って観ることが必要だと思う。例えば、本当はシベール夫妻の息子であるヤシンはフランスで大学の医学部に進学する優秀な息子であるが、アル・ベザーズ夫妻の本当の息子であるヨセフはビーチでアイスクリームを売ることさえ上手くいかないほど出来は決して良くない。ラストにおいても浜辺で暴漢に襲われて重傷を負うのはヤシンではなくヨセフである。ヤシンのヨセフに対する上から目線のモノローグも含めて何となくイスラエル側に加担して描いているように見えるのは私だけなのであろうか?
 「イスラエル映画」を観る時、世界的なマーケットを勘案するならば、「ユダヤ人寄り」になることは仕方がないのかもしれない。「アラブ人寄り」では興行的に成り立たないからであるが、このような傾向が続く限り、どのような佳作が発表されるとしてもパレスチナ・イスラエル問題は解決する兆しさえ見えないであろう。


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世界一高い熊手を買った男?

2014-03-29 00:14:10 | Weblog

渡辺氏の発言要旨 「熊手買った。裏金ない」(産経新聞) - goo ニュース
「高い熊手」と皮肉=甘利経財相(時事通信) - goo ニュース

 ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長から平成22年に3億円、24年に5億円借りた

理由として、みんなの党の渡辺喜美代表は、会議費や交際費などには政治資金を使うには

ふさわしくない支出もあり、例えとして「酉の市で大きい熊手を買った」と語っていたが、

報道ステーションに拠るならば、渡辺が大中小合わせて購入した熊手は80万円だった。

8億円借りておいて80万円しか使っていなかったら残りは何に使ったのかという話になる

のであるが、何故わざわざ熊手という説得力のない「証拠物」を挙げたのかよく分からない。

「8」という数字が印象に残っていてたまたま記憶の中でリンクしてしまったのだろうか


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『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』

2014-03-28 22:22:12 | goo映画レビュー

原題:『All Is Lost』
監督:J・C・チャンダー
脚本:J・C・チャンダー
撮影:フランク・G・デマルコ/ピーター・ズッカリーニ
出演:ロバート・レッドフォード
2013年/アメリカ

過去の無い男の「力量」を見守る意義について

 主人公の「私たちの男(Our Man)」の、作品の冒頭の手紙の朗読はあるものの、彼のバックグラウンドに関しては何の情報も得られないため、私たち観客はインド洋を単独で航海していた彼のヨットに、漂流していたコンテナが激突して破損し、さらに暴風雨に遭遇する彼の「サバイバル戦術」だけを見守ることになるのであるが、何となく彼に緊張感が感じられない理由は、無線などが水浸しになり故障してしまったことは仕方がないとしても、例えば、ボロボロになったヨットを諦めて救命ボートに乗り移る際に、缶詰などの食料を運び出して一旦はヨットから離れようとするものの、何かを思い出して再びヨットに乗り移り、浸水したヨットの底から「壊れ物(Fragile)」と書かれた箱を取り出して運び出すところにある。何とそれは自分の位置を測る計測器や海洋地図などで、これを持っていくことを忘れるということは考えにくいのである。ラストで失火により救命ボートを全焼させ、「全てを失った」時に救助されるという多少ファンタジックな展開は皮肉として面白くなくはないというところか。
 そのような主人公を演じたロバート・レッドフォードがアカデミー主演男優賞の候補にもならなかったことに関して議論があるようだが、上記の理由により、レッドフォードの熱演が主人公に反映されずに、老いてまだなおレッドフォードの俳優としての力量の誇示のように見えてしまったことが遠因としてあるのではないだろうか。
 因みに本作の字幕翻訳は古瀬由紀子によってなされており、2014年3月7日付きの日本経済新聞夕刊「シネマ万華鏡」における映画評論家の宇田川幸洋の「(この映画には字幕翻訳者の名前がない)」という指摘は間違っている。エンドロールまで作品を観賞出来ないほど忙しいのか。


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ボブ・ディラン/ニール・ヤング

2014-03-28 00:34:30 | 洋楽歌詞和訳

GUNS N'ROSESさん『KNOCKIN'ON HEAVEN'S DOOR』の歌詞
ノッキンオンヘブンズドア
words by ボブディラン
music by ボブディラン
Performed by ガンズアンドローゼズ

 NHKBSプレミアムで3月16日と23日にわたって「ボブ・ディラン30周年記念コンサート

が放送された。どうもボブ・ディラン本人よりもシネイド・オコナーの言動の方が気になり、

一人だけボブはボブでも、ボブ・マーリーの「WAR」を歌ったり、最後、出演者全員で

「天国への扉( Knockin' on Heaven's Door )」を歌っている時も、一人タバコを吸っていて、

全員が拍手をしている中で腕組みをしていてやる気がないのかと思いきや、

コール・アンド・レスポンスだけはやっていた。ところで、最後にボブ・ディランが

ニール・ヤングだけに握手を求めていたことに関して、司会のみうらじゅんが「一番の戦友」

と意識していたからだと指摘していたが、恐らく「天国への扉」の演奏が終わろうと

していた時に、ディランが何気なく左を向くと、ヤングがリードギターを必死になって

弾いていたことに感激して、特別深く考えることもなく握手を求めたのが真相だと思う。


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『華麗なる一族』

2014-03-27 22:45:27 | goo映画レビュー

原題:『華麗なる一族』
監督:山本薩夫
脚本:山田信夫
撮影:岡崎宏三
出演:佐分利信/月丘夢路/仲代達矢/山本陽子/目黒祐樹/酒井和歌子/田宮二郎
1974年/日本

 血液型を検査しない「華麗なる一族」の脇の甘さについて

 いきなりネタばれなのであるが、今の時代のようにDNA鑑定というものは存在しないとしても、財閥の当主である万俵大介が長男の万俵鉄平の血液型を幼少時代に調べていないという設定に無理があるように思う。さらに奇妙なシーンは中盤において鉄平が父親や弟の銀平たちと別荘がある篠山へ狩猟に出かけた際に、義理の父親である自由党の大川一郎の電話に出るために鉄平が少し遅れて猟場に着き、突然現れた鳥を撃とうとして誤って父親の大介を撃ってしまう。右こめかみをかすった程度で済んだようであるが、何故かその大事故(大事件?)はその後追及されることなく、いきなり社用でアメリカのシカゴに出張していた鉄平が大川の危篤を聞いて日本へ緊急帰国するシーンになるのは大介の鉄平に対する心理を考えると辻褄が合わず、終盤において大介に殴られる母親の万俵寧子を庇うために大介を殴り倒す鉄平の心情の「正当性」に説得力がなくなってしまうのである。


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バラエティ番組終了の口実

2014-03-27 00:06:19 | Weblog

NHK一部のバラエティーに苦言(日刊スポーツ) - goo ニュース
大阪市長選 白票4万票、識者「強引な住民投票 支持率低下も」 (産経新聞) - goo ニュース
橋下市長、低投票率の話題に怒り爆発「37万票を無視するのか!」(デイリースポーツ) - goo ニュース

  NHKの2014年度予算案審議が始まった25日の衆院総務委員会で、日本維新の会の

中田宏衆院議員は、「NHKの番組が、ひとことで言うと低俗になっていないか。何だこりゃ

という娯楽番組が、いくつも並んでいる」、「何人かに聞いても、『NHKがやる番組じゃない』

という答えをもらった。NHKは何のために公共放送という意味を持ち、国民から受信料を

徴収しているのかという自覚が疑われる。あまりにも民放のまねをしすぎていないか」と

主張し、「私が低俗と勝手に決めつけられるものではないが、娯楽番組ひとつとっても、

地域性や日本の文化をひもとき、それに若い人が関心を持てる番組にしてほしい」などと

注文した上で、「ケータイ大喜利」「コントの劇場」「七人のコント侍」の3番組をやり玉に

挙げた。個人的には「コントの劇場」は面白いとは思わないが、「七人のコント侍」は

クオリティーが高い番組だと思う。それはそうと、最近、「何だこりゃ」という選挙があって、

どうやらその「主催者」は中田が所属する日本維新の会の代表によるものらしいのである。

白票を含めた無効票が6万7506票にのぼる異例事態となったことに対して、「反対派が

(候補を)出さないからでしょ。それを僕のほうに言うのがおかしい」と語ったようだが、

わざわざ白票を投じに出かける意味を考えるならば、これは自民党などに賛成という事

ではなく、敢えて橋下徹市政に反対を投じたと捉えるべきであろう。さらに心配なのは、

中田宏の苦言に対して、「大変参考にさせていただき、今後のNHKの娯楽番組の

あり方を、いろいろ研究させていただきたい」と応じた籾井勝人会長がマジで

(あるいは故意に)受け止めて「低俗」なバラエティー番組を終了させてしまうことである。


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