MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『MEG ザ・モンスターズ2』

2023-09-30 00:59:17 | goo映画レビュー

原題:『Meg 2: The Trench』
監督:ベン・ウィートリー
脚本:ジョン・ホーバー/エリック・ホーバー/ディーン・ジョーガリス
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
出演:ジェイソン・ステイサム/ウー・ジン/ソフィア・ツァイ/ペイジ・ケネディ/シエンナ・ギロリー/クリフ・カーティス
2023年/アメリカ・中国

「アンダー」の状況について

 本作が批評家に不評なのが不思議な感じがする。本作は監督がベン・ウィートリーに変わっており、本作はSF・アクション・スリラー映画として観るならば当然期待は裏切られるだろうが、SF・アクション・コメディ作品として観るならば誰もがヒーローを、あるいは最強のヴィランになることを目指しながら、その度に巨大ザメのみならず「ファン・アイランド(Fun Island)」というとぼけた名称のレジャーランドに何故かたむろしている恐竜や巨大ダコに妨害されて英雄になり損ねるのであり、これはB級のSF・アクション・スリラー映画ではなく、A級のSF・アクション・コメディ作品として観るべきなのである。
 そもそも何故冒頭でクイーンとデヴィッド・ボウイの「アンダー・プレッシャー(Under Pressure)」が流れるのかと言えば、最後にジウミン・ジャンの「全ては完全にアンダー・コントロールに置かれた(Everything is totally under control.)」という言葉で終わらせるためで、コメディ作品として脚本は秀逸なのである。

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https://news.goo.ne.jp/article/moviewalker/entertainment/moviewalker-1153197


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『ピギー』

2023-09-29 00:58:33 | goo映画レビュー

原題:『Cerdita』 英題:『Piggy』
監督:カルロタ・ペレダ
脚本:カルロタ・ペレダ
撮影:リタ・ノリエガ
出演:ラウラ・ガラン/カルメン・マチ/リチャード・ホームズ/イレーネ・フェレイロ/カミーユ・アギラル/クラウディア・サラス
2022年/スペイン

21世紀の「キャリー」について

 主人公のサラの実家は精肉店なのだが、何故かサラは店頭で手伝いながら学校の宿題をしている。クラウディアはサラの友人だったようだが、サラが肥満でいじめられるようになってから避けるようになって今はマカとロキと一緒に行動している。
 一人でプールで泳いでいたサラはマカとロキにからかわれてプールの水面に浮かぶ草などを取る網で頭を覆われて溺れそうになり、サラの私物を奪ってサラを置いて行ってしまう。サラが水着のまま帰宅する途中で、何者かのバンの背後の窓から出血しているクラウディアを見つけるのだが、男はタオルだけを置いて車で去って行く。どうもサラは男が自分の仇を取ってくれたと思ったように見える。
 サラが豚と呼ばれていることを知った母親は野菜を食べさせようとするのだが、見た目で分かるのだから今更野菜を食べさせるというのがよく分からないのであるが、取り調べの最中に初潮を迎えたサラに母親は激怒したりもしている。そのうちに男がサラの家に侵入して父親と母親を殴り倒してサラを車に乗せて牛肉解体場へ連れて行く。サラをからかう3人の男たちを車で脅してくれたりするので、ここでもサラは男が両親から自分を助けてくれたように思ったように見える。
 牛肉解体場にはクラウディアとロキが吊るされていたのだが、そこでようやくサラは男が自分の味方ではないことに気がつき、サラは男を失血死させ、二人を解放し、帰宅途中でペドロに出会いバイクの後ろに乗せてもらい「女性」として扱われるのである。


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『探偵マーロウ』

2023-09-28 00:57:42 | goo映画レビュー

原題:『Marlowe』
監督:ニール・ジョーダン
脚本:ニール・ジョーダン/ウィリアム・モナハン
撮影:シャビ・ヒメネス
出演:リーアム・ニーソン/ダイアン・クルーガー/ジェシカ・ラング/アドウェール・アキノエ=アグバエ/イアン・ハート
2022年/アメリカ・アイルランド・フランス・スペイン

「洗練」されるハリウッド映画について

 1939年のロサンゼルスの雰囲気はリーアム・ニーソンが醸し出す私立探偵のフィリップ・マーロウと同様に悪くはないのだが、どうも雰囲気だけが先走りしてしまいストーリーの中身が追い付いていないという印象である。
 つまりそれはフィリップ・マーロウが対峙することになるクレア・キャヴェンディッシュの真の目的が麻薬や売春の温床だったコルバタ・クラブの映画関係者のリストを盗み出してゆすろうとしたニコ・ピーターソンをマーロウの力で探し出して葬ることだったのだが、本作のつまらなさが、そうやって「クリーン」になり「洗練」されていくハリウッドが果たして面白い場所足り得るのかというアイロニーとして機能しているような気がする。


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『MEMORY メモリー』

2023-09-27 00:59:36 | goo映画レビュー

原題:『Memory』
監督:マーティン・キャンベル
脚本:ダリオ・スカーダペイン
撮影:デヴィッド・タッターサル
出演:リーアム・ニーソン/ガイ・ピアース/モニカ・ベルッチ/レイ・スティーヴンソン/スコット・ウィリアムズ
2022年/アメリカ

記憶の「在りか」について

 アルツハイマー型認知症を患い記憶障害に悩む主人公の殺し屋のアレックス・ルイスがラストに証拠として頼みにするのは、別に認知症を患っていなくてもUSBメモリーなどの記録媒体ではあるのだが、問題となるのはその記録媒体の隠し場所になるのである。
 アレックスは影の黒幕が依頼者でもある不動産で巨万の富を得たダヴァナ・シールマンであることをエリス・ヴァン・キャンプの恫喝している音声データの証拠を入手したのだが、既にかなりアルツハイマー型認知症が進行していたので、FBI捜査官のヴィンセント・セラに教える際に「ダヴァナがこの件を葬りたがっている(bury)」という意図に取られてしまう。アレックスが亡くなった後に、ヴィンセントはアレックスの生家のパン屋の看板の文字の「BAKERY」の「A」と「K」が取れてしまう「BERY」と読めることに気がつき、その文字看板の背後に隠されていた音声データを発見するのであるが、ここの演出があまり上手くいっていないような気がする。

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https://news.goo.ne.jp/article/bikenews/entertainment/bikenews-308494


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『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

2023-09-26 00:53:30 | goo映画レビュー

原題:『Women Talking』
監督:サラ・ポーリー
脚本:サラ・ポーリー
撮影:ヒドゥル・グドナドッティル
出演:ルーニー・マーラ/クレア・フォイ/ジェシー・バックリー/ジュディス・アイヴィー/ベン・ウィショー/フランシス・マクドーマンド
2022年/アメリカ

決して他人事ではない「洗脳」について

 本作が2005年から2009年においてボリビアで起きた実際の事件をベースにしているということに驚かされるのだが、オウム真理教や、今なら統一教会のような新興宗教のことを考えると舞台が日本であってもおかしくはない話なのである。
 暗闇の中での女性たちの討論がいつまでも続く映像に疲れを感じ始めた頃に、突然女性たちがコミュニティから大量に脱出していくラストの空撮によって一気に解放感をもたらす演出が素晴らしいと思う。
 本作のメインテーマにモンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」が使用されているのは、言うまでもないが、「夢見ている」女性たちに目覚めを促しているのである。

The Monkees - Daydream Believer (Official Audio)
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『エドワード・ヤンの恋愛時代』

2023-09-25 00:57:29 | goo映画レビュー

原題:『獨立時代』 英題:『 A Confucian Confusion』
監督:エドワード・ヤン
脚本:エドワード・ヤン
撮影:アーサー・ウォン/リー・ロンユー/ホン・ウ―ション/チャン・チャン
出演:チャン・シャンチー/ニー・シューチュン/ワン・ウェイミン/ワン・ポーセン/エレイン・チェン/チャン・リーメイ
1994年/台湾

「独立時代」の真意について

 本作のメインキャラクターはチチ(琪琪)、モーリー(Molly)、ミン(小明)とアキン(阿欽)の四人なのだが、印象的なのは言葉を交わす時は必ず二人になるということで、ここに何かの意図があるとするならば、これはただの恋愛話ではなく、原題にもあるように台湾と中国の、口論を含めた対話のように見える。だからラストシーンを見た時、ヤンはまだ中国と台湾の関係が良くなるという期待を抱いていたのだと思うと、世界を巻き込んでいる今の二国間の状況を見た時、ヤンがどんな思いを抱くのかと想像して悲しくなってしまった。
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https://news.goo.ne.jp/article/bikenews/entertainment/bikenews-323237


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『インスペクション ここで生きる』

2023-09-24 00:53:55 | goo映画レビュー

原題:『The Inspection』
監督:エレガンス・ブラットン
脚本:エレガンス・ブラットン
撮影:ラクラン・ミルン
出演:ジェレミー・ポープ/ガブリエル・ユニオン/ラウル・カスティーヨ/マコール・ロンバルディ/アーロン・ドミンゲス/ボキーム・ウッドバイン
2022年/アメリカ

海兵隊員になったゲイの母親の言動について

 本作は監督の実体験を元に、ゲイであるという理由で母親に捨てられ16歳から10年間ホームレスとして生きて来た主人公のエリス・フレンチが海兵隊入隊を経て卒業して海兵隊員になるという物語なのだが、気になる点を指摘しておきたい。
 エリスが海兵隊に入隊するには出征証明書が必要で、母親のイネスが住む家を訪れて証明書をもらう際にエリスが海兵隊に入隊することは知ったはずで、それならばイネスは息子の卒業式の際に、ゲイが「治る」という誤解はしていないか、あるいは海兵隊に入隊するということを聞いて喜ぶかのどちらかなのである。母親の言動があいまいなところがどうも気になるのである。

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『アステロイド・シティ』

2023-09-23 19:30:54 | goo映画レビュー

原題:『Asteroid City』
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソン
撮影:ロバート・D・イェ―マン
出演:ジェイソン・シュワルツマン/エドワード・ノートン/ティルダ・スウィントン/エイドリアン・ブロディ/ウィレム・デフォー/スカーレット・ヨハンソン/トム・ハンクス/マーゴット・ロビー/マヤ・ホーク/スティーヴ・カレル
2023年/アメリカ

個性的な「画角」には収まらない核の話について

 ウェス・アンダーソン監督作品はあまりにも独特過ぎて観客を選んでしまうが、本作はさらに個性のギアを上げた感じで、劇作家のコンラッド・アープによって書かれた舞台「アステロイド・シティ」をシューベルト・グリーンが演出する様子を映すアンソロジーテレビ番組の司会者というメタフィクション的な構成であるが故に、より分かりにくいように感じる。
 ところで本作は1955年のアメリカ南西部の「アステロイド・シティ」と呼ばれる砂漠の街が舞台設定なのだが、遠くでキノコ雲が見えるし、宇宙人も登場するのだから「エリア51(Area 51)」でも有名なネバダ州であろう。どうも個人的には原爆実験を表現しているわりには、放射能に関心を示すこともなくほとんど「お飾り」のような扱いに違和感を持ってしまい、最後には「目覚めるためには眠らなければならない(You Can’t Wake Up If You Don’t Fall Asleep)」という歌がリフレインされるのだが、この歌が「正しい」かどうかはともかく、そもそも政治的な話はそれほど期待はしていなかったもののウェス・アンダーソン監督でさえも核の話になると甘いという現実は認識できた。『オッペンハイマー(Oppenheimer)』(クリストファー・ノーラン監督 2023年)も是非日本で観てみたいと願う。
 ジャーヴィス・コッカーが歌う「You Can’t Wake Up If You Don’t Fall Asleep」を和訳しておきたい。

「You Can’t Wake Up If You Don’t Fall Asleep」 Jarvis Cocker 日本語訳

もしもおまえが眠らないのならば
おまえは目覚めることはできない
おまえは恋をすることもできないし
地面に足をつけることもできない
もしもおまえが全く種を植えないのならば
おまえは薔薇の香りをかぐこともないだろう
もしもおまえが眠らないのならば
おまえは目覚めることはできないのだ

もしもおまえがきっかけを失い続けるのならば
おまえは舞台に登場することはできない
選択の仕方を学ぶまで
おまえが受賞者を選ぶことはないだろう
おまえは深く掘らない限り
宝を見つけることはあり得ない
もしもおまえが眠らないのならば
おまえは目覚めることはできないのだ

おまえが眠っている間に
おまえがいつまでも価値のある記憶を留めておくことは決してないだろうし
おまえが探し求めている真実を見つけることは決してないだろう

でももしもおまえが眠らないのならば
おまえは目覚めることはできないのだから
おまえはおまえの夢を生きるんだ
本当に深みのある夢を生きるんだ
札束を数えている者もいれば羊を数えている者もいる
もしもおまえが眠らないのならば
おまえは目覚めることはできないのだ
もしもおまえが眠らないのならば

You Can't Wake Up If You Don't Fall Asleep


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https://news.goo.ne.jp/article/oricon/entertainment/oricon-2293738


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『エリザベート 1878』

2023-09-22 00:27:59 | goo映画レビュー

原題:『Corsage』
監督:マリー・クロイツァー
脚本:マリー・クロイツァー
撮影:ジュディス・カウフマン
出演:ヴィッキー・クリープス/フロリアン・タイヒトマイスター/カタリーナ・ローレンツ/マヌエル・ルバイ/フィネガン・オールドフィールド/コリン・モーガン
2022年/オーストリア・ルクセンブルク・ドイツ・フランス

「歴史もの」の現代的解釈について

 1877年のクリスマスイブで40歳になるエリザベートは湯船の中でどれくらい息を止められるか計っている。本人は20秒くらいだと思っていたが召使たちに1分以上止めていたと言われる。そしてラストシーンはエリザベートは髭をつけて踊っている。途中の宮廷でのハープの弾き語りではみんなでザ・ローリング・ストーンズの「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」を歌っている。完全にふざけているのだが、「史実もの」としては分かりやすくなっていると思う。
 タイトルの「コサージ」はコルセットの意味で、主人公のオーストリアの皇妃エリザベートのみならず、周りの女性たちもコルセットで苦労している。宮廷で良い暮らしをしているが故につい食べ過ぎてしまうことで女性たちは肥満に悩んでおり、それが彼女たちの苦悩の元凶であり、つい煙草を吸いクスリを打ったりしてしまうのである。
 カミ―ルが2011年にリリースしたアルバム『Ilo Veyou』に収録されている「シー・ワズ」を和訳しておきたい。

「She Was」 Camille 日本語訳

彼女は家にいる時には白鳥で
外に出かければ虎だった
そして野生の虎は誰にも拘束されない

彼女が道に迷った時
彼女はヒキガエルだった
私が路上で彼女を見つけたその日
私は彼女に水とバラをあげた
彼女が伸びをした時
太陽が昇った

行って
行って
行きなさい

彼女が若かった時
彼女は雌牛だった
一日中彼女は星々を絞り出し
彼女は私に女性の生き残り方を教えた
彼女は世界のあらゆる奇才を備えた
彼女たちの子どもに不誠実に違いない
彼女は鳥を飼っている少女だった
彼女は様々な人生を送っているに違いない
それは最初だったのか?
それは最後だったのか?

行って
行って
行きなさい

彼女が病気だった時
彼女はクジラだった
彼女はとても忍耐強かったから
彼女の苦悩を和らげる最高に甘美な歌を
正確に私が歌うまで待てるだろう

彼女が老いた時
彼女はフクロウだった
私は空で揺らめいている彼女を見た
彼女が私の両腕に抱かれて死んだ時
彼女は猫だったと私は理解した

行って
行って
行きなさい

時々私は自分の子どもが
彼女の瞳を持っているのではないかと訝しむ

私を見通す瞳を

私が死んで
私がまた生まれる時
私は何になるのだろう?
石?
猫?
樹?

行って
行って
行きなさい

Camille - She Was (Official Audio)

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https://news.goo.ne.jp/article/otocoto/entertainment/otocoto-otocoto_101809


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『6月0日 アイヒマンが処刑された日』

2023-09-21 00:55:22 | goo映画レビュー

原題:『June Zero』
監督:ジェイク・パルトロー
脚本:ジェイク・パルトロー/トム・ショバル
撮影:ヤロン・シャーフ
出演:ノアム・オヴァディア/ツァヒ・グラッド/アミ・スモラチク/ヨアブ・レビ/トム・ハジ/ロテム・ケイナン
2022年/イスラエル・アメリカ

メインストーリーに集中させない「演出」について

 イスラエルが関わっている映画は基本的に眉に唾を付けることを課している。本作も何となく怪しく見えるのは、おそらくフィルムカメラで撮ったであろう冒頭の映像にカメラのレンズに付着している埃が映っているからで、学生が撮った映画ならばまだしもこれくらいのことは配慮して撮影されるべきなのである。
 本作のテーマは言うまでもなくナチス親衛隊中佐としてユダヤ人大量虐殺に大きく関わったアドルフ・アイヒマンが1962年6月1日の処刑される当日の模様が映されるはずなのだが、アイヒマンの遺体の焼却を担ったゼブコ社長の工場が何故選ばれたのか細かな経緯が描かれておらず、逆にアイヒマンの処刑に関係の無いエピソードが挿入されていることが不思議である。主人公のダヴィッドは小さいということで焼却炉内の掃除の仕事をさせていたはずなのだが、ゼブコ社長と一緒に車で行った仕事関係先の工場から焼却炉を取り戻したことから何故か13歳の少年がベテランの域に達してしまうところも気になる。
 アイヒマンが急遽呼ばれた美容師によって散髪されるシーンがある。確かに緊張感があって悪くはないのだが、ところでアイヒマンはあんなに毛量があっただろうかという余計な疑問が生じて来る。
 時代は変わって大人になったアラブ人のダヴィッドがユダヤ人協会(?)に自分がアイヒマンの遺体の焼却に関わったことを認めて欲しいと懇願しに来るのだが、女性担当者は証拠が無いということでウィキペディアへの掲載を認めないことにする。逆にこのシーンにリアリティがある理由は、監督でアメリカ人のジェイク・パルトローのウィキペディアに英語版も含めて本作に関することが全く書かれていないからである。いずれにしても怪しい作品ではある。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/anannews/trend/anannews-504365


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