原題:『藁の楯 わらのたて』
監督:三池崇史
脚本:林民夫
撮影:北信康
出演:大沢たかお/松嶋菜々子/岸谷五朗/藤原竜也/山崎努
2013年/日本
「超能力」と「軽率」の微妙な関係
『ストロベリーナイト』(佐藤祐市監督 2013年)や『脳男』(瀧本智行監督 2013年)や『プラチナデータ』(大友啓史監督 2013年)で感じた、主犯の尋常ではない‘超能力者’振りのおかげで何とかストーリーの娯楽性を維持出来ていること関しては既に書いた通りで、それは本作の監督である三池崇史自身の『悪の教典』(2012年)の主人公の英語科教師である蓮実聖司にも当てはまってしまったのであるが、それらと比較するならば本作の主犯である清丸国秀に対してはそのような違和感は感じないものの、その‘代償’としてSPとして優秀であるはずの白岩篤子が清丸の単純なフェイクで目を離した隙に取り逃がしてしまい、再び捕まえたものの、再度同じように目を離した際に清丸に撲殺されてしまう。その上、その現場に一緒にいた銘苅一基も携帯電話をしながら2人から目を離してしまい、白岩を救うことが出来なかったというストーリー展開にはさすがに無理を感じるのであるが、台湾高速鉄道を利用した護送シーンやパトカーが大量投入されたアクションシーンは悪くはない。しかし『セブン』(デヴィッド・フィンチャー監督 1995年)を観てしまっている者としてはラストのインパクトに物足りなさを感じてしまう。