現在、国立新美術館では「サンシャワー 東南アジアの現代美術展」が催されている。
全体的な印象として紙や布のような素材が多用されているように見える。例えば、上の写真は
１９４９年生まれのインドネシアの作家であるＦＸハルソノ（FX Harsono）の作品である
「声なき声（Voice Without a Voice/Sign）」（１９９３年-１９９４年）において、
指で形作られたサインが写った壁に貼られている９つのシルクスクリーンの前に置かれた
スタンプを用意された紙片に観客自身が順番に捺してできた「DEMOKRASI（民主主義）」という
文字で、はっきりと主張できない民主主義という言葉と、紙片に辛うじて現れる民主主義の
脆弱さが上手く表現された東南アジアならではの作品だと思う。
