MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『フェイス・ベースド ダメ男ふたりが人生で一発逆転する方法』

2020-10-15 00:23:19 | goo映画レビュー

原題:『Faith Based』
監督:ヴィンセント・マーシャル
脚本:ルーク・バーネット
撮影:ウィル・ストーン
出演:ルーク・バーネット/タナー・トーマソン/ダニー・ウッドバーン/ジェイソン・アレクサンダー
2020年/アメリカ

アイロニーにならない作品のクオリティーの低さについて

 「幼なじみの男性2人が人生の一発逆転を狙って共に映画制作にチャレンジする」という宣伝文句に釣られ、制作する映画が「神」を主人公とする宗教絡みということで観た次第である。
 幼なじみのルークとタナ―は大人になってもうだつが上がらず、ルークはプール清掃のアルバイトをしながらマルチ商法で金持ちになったニッキー・スティールという男から購入していたお茶を売っていたのだが、バレてクビになってしまう。映画で一発当てれば金持ちになるということを聞いたルークはタナ―に相談し、バーテンダーをしていたタナ―は常連客を仲間に加えて制作しようとするのだが、2人は資金もノウハウもなかった。
 良い作品が撮れたならば20万ドルで買い取ると映画配給先に言われた2人はルークの父親のマイクが大好きな俳優であるブッチ・サヴェージが「神」として出演するという口実で制作費を出してもらい『宇宙での祈り(A Prayer In Space)』の撮影にこぎつけるのだが、もちろんそれは嘘であるゆえにマイクにバレて撮影は土壇場で中止となる。
 ルークとタナ―は仲違いしてしまうのであるが、聖書の勉強会を始めたタナ―は何故か同性愛者と勘違いされ、ルークは憧れのニッキー・スティールに会えたのだが、自分が想像していたような人物ではなかった。
 ここからストーリーは急展開するのだが、映画を完成させるためにブッチ・サヴェージの代わりにマイクが「神」として出演することになった作品は2019年7月に教会で上映されるのであるが、どのように見ても良い作品とは言えないにもかかわらず拍手喝采でその作品を観た映画関係者から新作のオファーが2人に舞い込むというオチである。
 出演者たちがカメラに向かって心情を吐露するシーンから怪しい感じはあったが、これは「神」が出てくれば何でも受け入れるクリスチャンに対する皮肉が込められているとしても、そもそも本作を観ている観客をバカにしているとしか思えない。


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