洋書を読んでいたと思ったら、今度は、時代劇だ。
早乙女貢の七人目の刺客を読んでみた。
8つの短編からなる。
表題になっている巻頭の七人目の刺客は、なかなか、
面白く読めた。
最後の晩ということで、夜鷹とひと夜をともにして、
思わず寝過して、襲撃に間に合わなかった間抜けな
刺客の話だ。
ペンネームは「若い娘に金品を貢ぐ」の意味で、早乙女貢
という名前を付けただけあって、エロティシズム描写に
独自性があるというのがうなずける。
8作品のうち、2作品には、女性が出てこない。
その2作品については、正直言って、面白くなかった。
ほとんど、斜め読みに近かった。
エロティシズムがなかったからというわけではないが、
何故か、女性が出てこない小説は、面白みも半減
してしまうような気がした。
一方、女性が出てくるものの中には、光るものが
見つかる時がある。
名は体をあらわすとはいうが、不思議な気がした。
司馬遼太郎、池波正太郎と並ぶ時代物御三家とも
言われ、山本周五郎から師事し、と、いろいろ、あって、
ちょっと、興味深い作家だが、今まで、ほとんど知らなかった。
曾祖父が会津藩士だったせいもあるだろうが、
あとがきで、薩長官軍を痛烈に批判している
硬派なところもおもしろい。
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